私たちは、組織をどうアップデートしていけばいいのか?
これからの組織づくりを考える際に欠かせない、3つのポイントについて解説します。
その3つとは、これです。
①生産性
②柔軟性
③心の満足のデザイン
坂東:今日は「これからの組織づくりの3つのポイント」ということで、新しいカタチの組織づくりのポイントを整理したいと思います。
小野:みんなが知りたい事ですよね。
坂東:一般的にはティールやホラクラシー と言われているけれど、それって具体的にどう作っていくのか、僕たちが考えている新しい組織の進化のポイントが分かるといいかなと思っています。
(※「ティール組織」の解説はこちら)
(※「ホラクラシー 」の解説はこちら)
大きく3つありまして。1つ目は生産性ですね。
小野:うちでもよく言われていますね。生産性をあげようと。
坂東:生産性を上げていくことが大事で。言い換えるとスピードを上げていく事だったり。
スピードを上げるということは、同じ人数で同じ成果を出すとしても、より時間が短くできるとか、同じ成果を出すのにより少ない人数でできるとか、同じ人数で同じ時間で成果を高めていくという事です。
2つ目は柔軟性です。
柔軟性というのは、組織のしなやかさ、組織が柔軟に変化に対応できるということ。
この生産性と柔軟性というのはこれからの組織づくりにおいてとても重要で、これは次世代型の組織とかそうじゃないとか、関係なく大事だと思います。
いくつか要因がありますが、一番大きいのは環境の変化。
世の中の変化のスピードに組織が対応できないといけない。
これまでは会社の寿命が長かったので、ビジネスモデルを早く変化させなくてよかった。
ビジネスモデルを一旦作ると、かなり長く持った。今はアプリとか、流行るのは早くてもすぐ使わなくなったりするじゃないですか。
LINEはみんな使ってるけど、5年後、もしかして誰も使ってないかもしれない。
小野:でもその逆で、もしかしたら世界中の人がLINEを使っている可能性もあるって事ですよね。
坂東:そうそう。LINEに変わるもっと便利な新しいサービスが出てくるかもしれないし。最近でいうとタクシーの配車アプリとか。
小野:便利でお得なので使ってます。
坂東:半年前はなかったし。
小野:タクシーは電話で呼んでましたよね。
坂東:そういう意味で変化があって、その変化に対応しないといけないので、ビジネスチャンスがあった時はものすごいスピード感を持ってやり遂げないと、どうなるかわからない。
そういう意味で昔に比べてスピード感が求められていると思う。チャンスを逃さないように、と。
それと同時に環境の変化でライバルが登場したり、トレンドじゃなくなった時にはすぐ方向性を変えていく、こんなことが会社にとって必要とされていて、柔軟に変化に対応できるようなカタチにしておくのがすごく大事。
そういう意味で3つのポイントのうちの「生産性」と「柔軟性」はこれからの組織において欠かせないです。
ただし、業界や仕事内容によってはゆっくり流れていく業界もあるので。
例えば、和菓子業界ではそんなに激しい変化はないかな。売り方やPRの仕方の変化はあるけれど。
小野:でも、人によっては対応できない人が絶対いますよね。
私もパソコンで仕事をした事がなかったし、いきなりSlackやAsanaを使うと言われた時びびりました。
言ってる意味がわからないからそれを調べる事から始まって、でも実際慣れると楽だし、スピードも早いし、履歴も残るし、いい事しかないですが、そこにいくまでが…
坂東:年を取れば取るほど、新しいものに対して億劫になったり、変化しずらくなる。それがピラミット型の会社で取締役や部長が50代、60代でSlackなどITの事がよく分からないとなると、検討しておこうとなってすぐ半年1年が経って。面倒だけどすぐやってみたらすごい楽になるけど、決める人たちの価値観やスピード感によって会社全体が影響を受ける可能性がある。
大きな違いだよね。僕たちもSlackなしは考えられないよね。前はLINEだったけど、プライベートとは別にしたいよね。
小野:Slackはいろんなチャンネルがあるから使いやすいですよね。
坂東:ITツールで便利で使いやすいものがどんどん出ているので、それを使って会社の生産性を上げていく、うまくツールを活用すれば、個人単位やチーム単位で意思決定ができて柔軟になっていく。これからの会社に共通して求められる事だと思う。
3つ目が「心の満足をどうやってデザインするか」ということ。
心の満足というのは、やりがいや所属している理由みたいなところが、報酬だったり出世できるとかだけではない部分での満足感をどうやってデザインするか。
組織の3要素というのがあって、それは「共通目的」「貢献意欲」「意思疎通」があって。
僕自身がこれを意訳すると、
①共通目的(common purpose)意義や意味を感じたい
②貢献意欲(willingness to serve)役に立ちたい
③意思疎通(communication)つながりたい、協力しあいたい
そういった事が組織の中でうまくデザインされていて感じられると、「この会社にいたい」とか「いてよかったな」と感じやすい。今までの会社組織はあまり心の満足にフォーカスしてなくて、どちらかというと社員は機械の部品みたいな感じで、目標決めてそのために効率よく合理的にいくか、個性ややりがいは関係なくて、達成したらやりがいが得られるだろう、という感じだった。だけど、目標達成したところで、それで幸せになれるのかなと。
小野:一人で達成するよりも、みんなで達成して分かち合いたいですよね。
坂東:売り上げを達成する、そのものではなくて、やりとげたことを共に喜べるという事が大事。
小野:一緒にやるメンバーも大事ですね。
坂東:メンバーとの人間関係も大事だし、何のために集まっているのかとか。この仕事に何の意味があるのかを理解して、役にたってる感がある。組織の中にいる方がお互いの役にたっている繋がりを感じられる。心の満足を意識してデザインしていくことが大事。
昔は飲み会が頻繁にあったけど、飲み会をするのもやりずらくなってきていて、残業問題や自分のライフスタイルが変わると気軽にできなくなったり、昔は喫煙スペースで雑談ができた。そういう時間で仲良くなれたけど、そんな機会が少なくなってきたので意識して日常の中に制度設計していく必要がある。
それから目の前の仕事の目的をしっかりさせる、価値のある仕事をしているということが前提だけど、それも整理して共有することの積み重ねによって心の満足が高まるというのが組織づくりのポイントです。
僕らが大事だなと思っているのは、生産性・柔軟性・心の満足。
これをどうやってデザインして実現していくのかを大事にしている。
小野:分かりやすい。改めて聞くと本当にそうだなと思います。
坂東:ラボでもそうだよね。試行錯誤しながらうまくいかなかったりするけど、根っこにある何のためにしているのか、何を大事にしているのかは、そういう事なんですよ。
小野:今回もご覧いただきありがとうございました。
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