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いろんな人がざっくばらんに語り合う夜。この日は、「最適化社会実現フォーラム2021」に出演した後の武井浩三さんがふらっとスナックに寄ってくれました。
話題は自ずと、このフォーラムでの話を深掘りする感じになって・・・
前編はこちら
今回は後編です。
就職活動中の学生とベーシックインカムについて語ってみたら
武井:タレンティズム(個人の才能主義/人本主義)の次の世界は多様でいい。
オムロン創業者の立石一真さんの未来の予測理論(サイニック理論)は一個も外れてないんですが、2035年頃には、一人一人別々で好き勝手でよい。イデオロギー自体の必要がなくなる社会、自然社会になると言ってます。
俺も、その通りになると思っています。
そうなると、自分がどう生きたいかだけの世界。
その間ベーシックインカムが出てくるでしょうし、ベーシックインカムが出ると社会構造が急速に変わるはずです。
企業の役割も変わる。企業のこれまでの役割は雇用の創出と労働者の生活の保証。
それを国家が担って、一人当たり毎月20万円無条件に出します、その上でみなさん幸福に生きてくださいとなったら、雇用の為に残ってた職業がまるごと潰れていくじゃないですか。
残す必要がないので。そうなってくると、産業構造自体が超ドラスティックに変わります。
とんでもない変化速度になると思います。
これはたぶん20年以内にはくると思うんですよね。
昨日ちょうど就活中の学生さんたち30人とイベントやっていて、彼らと話した時に、ベージックインカムの社会になったら、もう就活とかどうでもよくなっちゃうよねって笑。
これ聞いて、昔と違うなって本当に思いました。
乾:就活中の子にベーシックインカム話したらやばいんじゃないんですか。
武井:あんまりそっちに舵を切りすぎると、明日生きられなくなっちゃうので注意してねって釘はさしましたけど。笑
例えばeumoに関わってくれているほのかちゃんって子がいるんですけど、その子はクラウドファンディングで、ベーシックインカムプロジェクトをしています。
僕はほのかちゃんにベーシックインカム払ってますよ。
それで生きれちゃうっていう事実があります。
学生のみんなは、ほのかちゃんの話に興味持ってましたよ。そんなほのかちゃん、今年デンマークに留学に行きますよ。
他の学生の1人もデンマークに4月から留学すると言ってましたね。
みんな北欧に関心が持ち始めてますね。社会保障はこれからどんどん熱くなると思います。
社会保障とベーシックインカムって形を変えた再分配なので、例えば教育や医療が無料なのは、お金を持ってなくてもアクセスできるサービス。ベーシックインカムと同じようなものですよね。
ベーシックインカムは、用途制限のないお金というだけ。
日本はすごく遅れているので、ベーシックインカムよりも先に医療費の無償化や福祉や介護が無償化していく、そして教育の無償化になってベーシックインカムが徐々に取り入れられると思うんですよね。
ただこの議論にセットで必要なのは、財源どうするか問題。
でも、そもそも財源って本来存在しないんですよね。
財源のカラクリ
キワモノ扱いされてますけど、現代貨幣論の考え方では、そもそもお金ってなんなのか。金本位制でもないので、お金はただ国が作っているだけ。
これは超基本的な話なんですけど、国債の発行とか国民の借金が一人当たりいくらって話をしているけど、国が発行したお金を民間が持っているから、民間と国ってお金の関係はシーソーゲーム。
国が赤字になるほど、民間のお金が増えるんですよ。
だから国がプライマリーバランス(Primary Balance)と言って、歳入と歳出で黒字にしないといけないといって黒字にすると、民間は赤字になっていく。
国も企業と同じように経営しろと言ってるけどダメに決まってる。
企業じゃないし、お金を出している本人ですから財政破綻しないんですよ。
自国通貨でお金を発行している国は財政破綻しないことは経済理論だと一般化しています。
ギリシャがなぜ破綻したかは自国通貨ではなくEUでユーロが流通してたから。
イギリスはユーロ経済圏から抜けてるんですよね。
お金の発行と税金は入り口と出口がセットなんですけど、社会保障の財源が足りない場合、どこで税収を増やすかの話をしてるんですけど、それがそもそも間違っている。
モダンマネタリーセオリー(現代貨幣論)をベースにすると、国は必要だったらいくらでもお金を発行すればいい。これで終わり。
財源が足りないという理屈はありえない。
なぜ税金が必要かというと、お金を流通させると民間のお金が増えていって、インフレになるんですよね。だからお金を減らさないといけない。減らすのが税金なんです。税金は財源を集めているのではなくて集めたお金を消してるんです。
これはeumoでやってる消えるお金の話と同じなんですよ。循環させる為の出口なんです。増えたお金を消さないといけない。
お金が増えているところから消さないといけないのが当たり前。
なのに今って消費税・固定資産税・自動車税・酒税・たばこ税・所得税っていう土着性の高い税金からとるんですね。
税収を大きく3つに分けると、法人税・所得税・消費税になってるんですが、なんでこの3つかというと、逃げられないところから税金とった方がとりっぱぐれないという理由なだけ。
所得税の最高税率は55%、消費税もどんどん上がってますけど、こういう税金が増えると、所得税は累進課税と呼ばれますけど、消費税って逆進課税。
所得の少ない人の方が負担が大きい税金なんですよね。
だから富の格差がまた広がるんです。
そのくせ株式の売却益や大金持ちの収入のほとんどは資産運用。資産運用の税金って分離課税といって所得税とは別で課税対象になって、分離課税の税額は20%なんですよ。だから金持ちの方が納税割合が少ないという状態になっている。
それがなぜかと言うと、流動性の高い資産に課税を増やすと、みんなタックス・ヘイブンで海外に逃げてしまって税金がとれなくなるから。
海外に逃げるのもめんどくさい。しょうがないな、まー20%ぐらいかなって。まじでそうなんですよ。
経済活動が国をまたいでいます。
例えばアマゾンやソフトバンクは全然日本に納税してないんですよ。
だからヨーロッパからはかなり嫌われている。
納税をどこの国でするか、どこの国がその企業から徴収するのかは摂政しないといけないのでめちゃくちゃ重くて、企業側はどんどん抜け穴を見つけてタックス・ヘイブンを繰り返していくんですよ。
これはもうどうしようもない。国もいたしかたない状況。
DXOは国家をもデザインできる!?
ここを乗り越えていく道筋は、ティール組織と同じ考え方で解決できると思っています。
企業と個人の立場を逆転させると言ったじゃないですか、その為には個人が収入源を分散して持つということ。収入源が3つ以上になると企業よりも個人の方が強くなる話をしたんですけど、これは国家と個人も同じで納税先を分散させていくことが起こる。
納税と社会保障はセットなんですけど、納税する先を個人が選べて、選んだところから社会保障を受け取れるようになると国家の役割は終わるんですよね。
今までみたいに納税が義務ではなくなって、ふるさと納税みたいな感じで応援したいところを選べる。
これは企業と同じで、ブラック企業は選ばれなくなって、居心地のよい企業にみんないく。
国も同じような変化を迫られている。
個人が国をまたぐようになるにはどうしたらいいのか、企業をデジタル化したように、国もデジタル化せざるを得ない。
マイナンバーカードが普及すると電子国家化してくるのでそれが広がると企業の役割が変わるように国の役割が根本的に変わる。
それはまじで30年以内に起きると思います。
乾:新しい国を作ればいいんですか?
武井:国という概念を個人が乗り越えちゃう。
世界政府、地球が1つになるのが次の段階。それはいつかできると思います。
国家の定義は国土と国民と主権なんですけど、エストニアが生み出した電子国家は国土に依存しない国家という構想なんですよね。
なので僕もe-Residency(イーレジデンシー)持ってますけど、エストニアに法人作れば法人税を納税できるし、選べちゃう。
ふるさと納税で選ばれる地域と選ばれない地域がどんどん出てきてますけど、それが近いうちに起きますよね。
俺は、実際DXOをマスターしたら、何でもデザインできるようになるんじゃないかなと思っています。
本当にDXOは何にでも応用できると思います。学校教育だってそうだし・・・。
スナックのお客たち:お〜DXOすげー
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