どうも、お久しぶりのマツモトです。
坂東さんから「船長、そろそろ手放す経営のことをちゃんと書きましょうか♪(・w・)←眼が笑ってない」とのお言葉を頂戴したので、きょうは船室で真剣な顔をしてノートPCに向き合っています。
あ、ノートPC!最近買い替えたんですけど失敗しました~(ToT) 長年パナソニックのレッツノートを愛用してたのに、浮気心でアメリカ製のデ〇の最新の高性能ノートを買ってみたんですよ。それが “頑丈なボディ” って謳っているくせに、ちょっとした衝撃で、テーブルからテーブルに移し替えただけで固まって動かなくなる始末で・・・。
・・・じゃなくて。手放す経営のことを、書きます。
25年くらい前でしょうか、あるスポーツ雑誌を読んでいて、その頃サッカー日本代表といえば三浦カズ、そこに中田ヒデが若手として参加していましたが、そのヒデが初の代表練習ピッチ上で、「カズこっち!」「カズ走れ!」と、大先輩である三浦カズを呼び捨てにしている、という記事に目を留めました。
周りの先輩たちがヒデに対し、カズさんに失礼じゃないか、何様のつもりだ、ちゃんと敬語を使えよ、と詰め寄ったところ、ヒデは冷静な口調で、「カズさんパスをください、カズさん走ってもらえますか、と言いたいところですが、それだと意思伝達が遅いので、試合に不利なので、簡略化したほうが良いと考えました」と答えたそうで。
ああ、なるほどコレだ!と。当時勤めていた上場企業の自分の部署内に、ささやかな改革を促しました。この中田ヒデの考えを取り入れて、「互いの伝達のためのメモ書きやメールから、慣例文や定型文を思い切って無くし、簡略化してしまおう」というものです。
<簡略前のメモ書き>
松本室長 お疲れさまです、田中です。本日の日報です。ご確認よろしくお願いします。
<簡略後のメモ書き>
田中の日報です。
このささやかな改革は、僕が思っていた以上に好意的に広がりました。もちろん当初は周囲から否定的な声もありました。しかし、数週間後の社長出席の会議の席で、司会を務めることになった僕の部下が、”本日は皆さま暑いなか遠路お集りいただき・・・”とか、”本会議には社長に御決裁を賜りたい案件も含まれており・・・”といった慣例の口述をスッ飛ばして、「では会議を始めます、最初の議案は・・・」とイキナリ進めたので、周囲はオッカナびっくりしていましたが、途中で社長が「今日はスピード感があるなぁ」と笑顔を見せたことで、僕の部署で実施した簡略化は、早いペースで社内の理解を得ました。
もちろん、慣例的な文章や言葉は、大切な場合も多々あります。文章や言葉の持つ丸みが損なわれることで、中間管理職は受け入れ難く感じることでしょう。ですが僕の場合、それによって得られるスピードを実感し、これが非常に気持ち良かったので、以降さらに簡略化を進め、最終的にスタッフ間の会話から、敬語すら(自然に)廃されることになりました。
会議も極端に短くなり、スタッフそれぞれ自分たちの仕事を効率的に進めるべく、手短にタメ語でポンポン話す様子は、まるでTVドラマ「必殺!仕事人」の金の分配シーンのようで、ハタから見ると不思議な光景だったと思います。しかし、仕事が終わったあとは和気あいあい、みんなで食事に行く回数も増えました。
脱サラして14年経った今も、昔の部下との間では敬語は使われませんし、もちろん僕の会社内でもほとんど使われません。きのう届いたLINEの書き出しも「社長きょう海?陸?」でしたし。
思うに僕が、たぶん最初に手放したのは、たぶんこのヘンじゃないかと思います。
余談ですが、あのとき中田ヒデに、カズ走れ!と言われた当の本人は、困惑もせず怒りもせず、よっしゃ!と走り回っていたそうで。ピッチ上の王様(キング)と呼ばれる彼が、実は性格的に王様とは全く縁遠いことが、実に面白いなぁと思いました。
長々と書きましたが、次回もこの調子で、手放したり得られたりすることについて、書いていこうと思います。よろしくお願いします。