手放すラボオンラインコミュニティーでは毎週金曜21:00からオンラインスナックを開店しています。
いろんな人がざっくばらんに語り合う夜。この日は、「最適化社会実現フォーラム2021」に出演した後の武井浩三さんがふらっとスナックに寄ってくれました。
話題は自ずと、このフォーラムでの話を深掘りする感じになって・・・
資本主義社会が機能不全を起こしている!これからの組織が、国が、社会がどうなる!?
について語り尽くします。
コンセンサスメイキングではなく、コンテキストメイキング
武井(ほろ酔い中):セッションの中で、今の社会や政治は、コンセンサスをとるのが難しいという話が山口周さんから出て。
この辺りは自律分散組織の土俵じゃないですか。
キタコレと思って!話してきたんですが・・・
一つは、コンセンサスメイキングではなく、コンテキストメイキングの話。
全会一致を目指して、全員の意見を調整するのがコンセンサスメイキングですが、対話の中でやりたい人や意思のある人が実行する仕組みで分散的に回していくのがコンテキストメイキング。
進化型組織の組織構造ですよね。スピード感がまるで違います。
組織構造の話だけではなく資本主義社会が機能不全を起こしているのは、ピラミッド組織で起こっている機能不全と全く同じなので、本当手放すラボで研究したり実践している知見は今後、社会全体から必要とされるだろうなと可能性を感じましたね。
資本主義をハックする
もう一つはイデオロギーの話。
過去のFacebookで上げているんですけど、資本主義の中で、次の新しいものを作らないといけないというけど、そもそも資本主義のことをわかってないケースが多い。
僕なりのアプローチですけど、まずは資本主義が何かを定義する。それに基づいて資本主義的なイデオロギーは何かを定義する。
ここで言う「資本」とは生産財の事なんですよね。
生産財は、つまり富を生むものなんです。
資産と資本って違うんですよ。資本は生産材で資産は単なる財のこと。
生産財を持っている人が強いのが資本主義。
不労所得を得ることができるからレバレッジが効く。
1人の人間だけど100人分の所得が得れるのは不労所得だからです。
ロバート・キヨサキも書籍でいってるのは、とにかく資本家になりなさいと。
ビジネスオーナーかミュージシャンみたいな著作権か、若いうちから不動産投資するか。
とにかく働かないでお金が入ってくる仕組みを作りなさいと。
あれは資本主義においては、賢い生き方で、資本主義ハック。
だけど、この考え方自体が社会問題を生んでいる元凶でもある。
つまり不労所得を得る行為が、労働者が生み出した社会的価値を搾取していることでもある。
大金持ちがいるから貧困層が生まれるだけなんです。取りすぎているんです。
だからガンジーも「労働を伴わない報酬は罪だ」と言ってるんですよ。
まさに資本主義のことじゃないですか。だから資本というものを僕たちは知らないといけない。それが生み出す社会問題とか、イデオロギー(観念形態や意識体系のこと)とか。
イデオロギーを3つに定義すると
僕は言葉の定義より構造的な定義が好きなので、これは全くエビデンスはないですが、イデオロギーを3つで定義しました。
1つは対象物。2つ目はその対象物に求める意図。3つめはそれを測る基準。
これを資本主義に当てはめると、対象物は所有権・私有財産権。意図は最大化すること。そして基準はGDP、従業員数、売上、利益などの財産の資産額。
これが資本主義のゲームルールです。
このルールに乗っ取って、法律に抵触しない範囲内で好きにやっていいよという話です。
でもこのゲームのルールがそろそろやばくない?って。資本主義が機能不全を起こし始めている。
人も死んでしまうし、自然環境も壊れてしまう。
ルールを変えないといけないのが今の社会の置かれている状況です。
ルールの変更は、このイデオロギーの3つを置き換えればいいだけの話。実は超簡単なんですよ。
3つに基づけば、イデオロギーはいくらでも作れる。
この3つで新しい主義に置き換えると、
対象物は、個人の私有財産ではなくて、公有財産(commons)。
そして意図は、成長とか最大化ではなく持続性。
そして基準は、今まではGDPや売上は貨幣経済の基準値だけだったけど、それ以外のヒューマンキャピタルやソーシャルキャピタルみたいなもの。
自然資本、経験・知識資本、感情資本とかお金じゃない基準値。
これらを定量化し始めている活動がwillbeingの指標だったりする。
あの辺を定量化することに対するエビデンスが出てきて、公認できると国が扱えるようになる。
先日、日経新聞にGDWという広告が出たんですよね。
GDP(Gross Domestic Products)は、ものをどれだけ生産したか。
GDW(Gross Domestic Wellbeing)は、幸福度の最大化。
その広告の下の方に大企業のロゴが10個ぐらい載ってましたけど、「え?なんで?本当に?」って。笑
山口周さんが言ってましたよ。
ゴミを作り出して、ゴミを売り出して、ゴミが売れなくて悩んでうつ病になって自殺していくって。
「それはそうなるわ」って。
あなたは、どう生きたいですか?が問われる世界
イデオロギーが変わって、資本主義が機能不全に陥った後、次に使われる言葉は、たぶんタレンティズム。
これはダボス会議の議長のクラウス・シュワブさんが作った言葉です。
個人の個性や感性が重要だと。まさにヒューマニティのところにいくと思う。
「僕らはタレンティズムをやっていこう!」と2025年ぐらいからいろんな国が我先にと舵を切り始めると思うんですよね。
でもさらにこの先があると思っています。
タレンティズムがきて、次に生まれる社会は自律社会。
この社会が広がると、風の時代の象徴ですけど、組織もよく分からなくなるし、どこに住んでるかも分からなくなるし、生きたいように生きていけばいいし、夫婦別姓自由になったら誰が夫婦かよく分からないし、納税もどんどん電子国家化していくと、今までの納税方法ではなくなる。
婚姻制度は税制徴収の為のしくみ。雇用も税金の徴収の為のしくみですし。全部国家の都合なんです。
なのでそういうのが解きほぐれていくと、あなたはどんな風に生きたいですかというだけで生きられるようになるので、それが進むとイデオロギーの必要性がなくなって消えていくと思っています。
タレンティズムの次の世界は多様でいい。
オムロン創業者の立石一真さんの未来の予測理論(サイニック理論)は一個も外れてないんですが、2035年が到来する頃には、一人一人別々で好き勝手でよい。イデオロギー自体の必要がなくなる社会、自然社会になると言ってます。
俺も、その通りになると思っています。
そうなると、自分がどう生きたいかだけの世界ですよ。さぁ、どう生きますか?
後編は、社会構造の変化とベーシックインカムについて深堀ます!
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