第3回は、前回に引き続き株式会社ブランドファーマーズインクの代表・安田佳生さんにお話を伺いました。
今回も株式会社ブランドファーマーズインクの安田佳生さんをむかえてお送りしています。
安田さん、よろしくお願いします。
安田さんにはそこら辺はどういう風に思われてるんですか?
僕も正直言って、前回も言いましたけど、「管理しなきゃ成り立たないからやってんだ」っていう人もいれば、「管理がしたい」という「管理好き」がいます。会社終わってからも、仕事ってよりは社員に説教するのが好きみたいな。連れまわすのが好きみたいな社長もいるんで、それはそれでいいのかな、とは思うんですけど…。
ただ、管理をする側の経営ってのは、だんだん成り立たなくなるんだろうな、っていう気がしてますね。
好きでやるんだったら別にいいんじゃないの?って思うんですけど。
何故かって言うと、管理する側に管理したい人と、できればしたくないっていう人がいるように、管理される側の社員も、「管理されるの嫌だ」って言う人と、「俺は管理された方が楽だ」っていう人がいるわけなんですね。
で、どれとどれがくっつくか、というと、当然のごとく「管理したい」人は「管理されたい社員」とくっつくし、「管理したくない人」は「管理されたくない人」が管理しない人のもとに集まってくるわけなんで。
その時に、「管理されたいです」と、言われたことをとにかくやって、それを仕事としたいです、っていう仕事が、果たしてこの先そんなに利益生むのかな?っていう感じで。
そういう意味で、社長も管理したいし、社員も管理されたいんだったら、誰も文句言う筋合いないんで、別にいいんですけど…
そんな会社はこの先、大きい会社はともかくとして、小さい規模で成り立つのかなー、というのはとても疑問ですね。
何をやるかっていうのが決まってて、そもそも人口も増えてたし、日本商品も世界にどんどん売れていったし、新興国なんていうのは大した商品作れなかったし。
だから、ある程度その品質の良い商品とかサービスをどんどん提供すれば儲かったんで。会社が。とにかく言われたことを言われた通りやってくれれば、十分利益が取れる体制でしたので。
だからまぁ、前回も会社2.0なんて言いましたけど…。
その時代の会社経営がもう終わりなんじゃないですか。銀行とか、でかいメーカーでさえも、より規模がでかくしないと収益は確保できないんで。大企業でさえマーケット不足なわけじゃないですか。
小さい会社がそれで同じような管理経営に走って、効率化とか価格で勝負して、本当に生き残れると思ってるんですかね?
って逆に聞いてみたいですね。どういう理屈なんだろう?っていう。
バブルの時もそうですし、バブルがはじけた後しばらくもそうだったんですけど、バブルがはじけてから突然景気が悪くなった訳じゃなくて。
なにが変わったかというと、社員一人が会社にもたらす利益がどんどん減ってきたんだと思うんですよ。
そうです。採用に100万円かけて、育成にも何百万もかけて、社会保険にも加入して…ということをやっても、それを上回る利益を社員がもたらしてくれた。でも、残念ながら今、外食とか建築現場では人足らないじゃないですか。
昔だったら、もっともっと待遇良くして、採用するっていう方向に行くんですけど、今は人手不足で仕事ができないのにも関わらず、採用できないじゃん。
なんでかというと、そんなに利益が出ないから。
採用に100万かけて、教育に100万かけて、社会保険にも加入したら会社潰れちゃうんですよ。そこがやっぱり一番大きく変わったんですかね。
だから、以前までの「管理する経営」で出せる利益がどんどん減ってきて、ついに限界…っていう感じだと思いますけどね。
そこに明確な答えがまだないっていうか、まぁこれからいくつかの答え…多分一個じゃないと思うんですけど、いくつかの答えを見つける経営者が多分この先出てくると思うんですよね。
その一つになるかもしれないってことですね、手放しちゃうっていうことが。
いるんですよ。それでマニラとか大都市圏はかなり都会で、スタバもいっぱいあったりしてですね。値段が200円とか250円ぐらいで、そんなに変わらないですけど、同じ中国でも日本と決定的に違うのは、年齢別の人口で、若い人がめちゃくちゃいるんですね。人がめちゃくちゃあまってるんですよ。若い人が。
それが、低賃金で雇えるそうで、日本は最低賃金がどんどん上がっていって、今900円ぐらいじゃないすか。
でも、向こうだったらめちゃくちゃ安い料金で雇えるから、たくさんスタバとかにスタッフがいるんですよ!1人1タスクで、ドア開けるだけの人とかもいるんですよ…!すぐ辞めたりするらしいんですけど、辞めても代わりがいくらでもとれると。暇そうにスタッフが喋ったりしているんですけど、でも全然割に合っちゃうっていう。
でもなんか、もう国境っていうのはなくなってきてるじゃないですか。だから、鎖国すれば、日本だけでどんどん物価を上げていくとか出来ますけど。
結局、例えばそのフィリピンの方がどのくらい真面目に働くか分かんないんですけど、その人たちが日本で作る商品以上の商品をつくれるんだったら、日本人の給料は減っていくんでしょうし。もしくは、彼らの給料が上がっていくか、という。
世界で共通の最低賃金みたいなのは、近いとこまで来ていいんじゃないかって気がします。
そう思います。10年もすると、日本とフィリピンの所得がそう変わらないところまで来ると。フィリピンが経済成長してるからですね。
そうすると、日本に行きたいって言うフィリピン人はもういなくなるし…
今でもですね、年収がある程度あるフィリピン人は日本に来たくないらしいんですよ。
まだ給料は安いですよ。でも月給で2万円以上もらってる人は無理して日本来たくないっていう感じらしいんですよね。
なんかそんな日本人がやりたがらない仕事で、誰がやってもできる仕事を、「日本人は高いから外国から人連れてきてやらそう」、という考えがあるじゃないですか。
で、それでいて、なんか真面目に仕事やらないとか、質が低いとか、文句言うのが、どうも理解できないんですよね。
だったら、仕事のあり方を変えないと、優秀な人なんて絶対来ないですね。
ビジネスモデルもそうなんですけど、それと共に、そのビジネスモデルに合った組織づくり、みたいなことが、すごくポイントなってくるだろうなと。
日本人だけじゃなくて、その海外の今はまだ発展途上国の人たちにさえも選ばれなくなってくるっていう。
でも当然じゃないですか?日本人に選ばれないから中国人で、とか、中国人にも選ばれなくなってベトナム人とか、フィリピン人とか。最後どうすんのって感じですよね。その発想がそもそも良くないと思いますけどね〜。
だから、もう人種関わらず、日本人だろうが、何人だろうが、「うちの仕事をやりたがってしょうがないよ!」となる方法を、なんで考えないんだろう、と思いますね。そっちの方が経営してどう考えても楽しいと思うんですけど。
安田さんの前の会社でやってたような、採用の手法を工夫するとか、採用に予算コストをかけていくっていう、そういった問題じゃないですよね。
もっと根本的に、組織そのものが変わっていく。
そういう組織づくりのキーワードに、「手放す」っていう管理しない経営っていうのが、ひとつあるかなっていうふうには思ってるんですけども。
その辺りまた、次回にお話を聞きたいと思います。今回もありがとうございました!
番組では、ご意見・ご感想・質問をお待ちしています。
ウェブサイト「手放す経営ラボラトリー」にあるフォームからお申込みください。