手放す経営ラボラトリー所長の坂東です。
本日のゲストは、株式会社Everforth代表取締役CEO森下将憲さん。
2010年1人で創業した当初から「好きなことを見つけ、好きなことができる世界をつくる」という思想を貫いてきた。結果として、ホラクラシーやティールと呼ばれるような組織体制が出来上がる。
(※「ティール組織」の解説はこちら)
(※「ホラクラシー 」の解説はこちら)
現在メンバー数は約50名。雇用形態は様々。正社員もいれば、プロジェクト単位の雇用もあり。契約形態はそれぞれだが、そこに情報格差はない。出勤義務なし。副業ok。どこまでも拘束しない森下さんの組織論とは?
(地下1階、地上4階の大豪邸をオフィスとして借り上げている)
(社員の姿が見当たらない)
50名くらいメンバーが稼働しているのですが、このオフィスに来ているのは普段は4~5人です。
出勤義務はないですし、地方に住んでいる社員もいる。ポーランドやドイツに住ん
でいるメンバーもいるので。オフィス来ている人数はそんなもんです。
そもそも、私はここに住んでますし。
「気持ちよく生きる」
起業しようと思った二十歳の頃、色んな本を読みながら、いわゆる資本主義的なものに限界を感じていましたが、まだ現実世界は資本主義。とりあえずその世界で成功しなければいけない。ただし「求めるものはお金じゃない」とそのときから感じていたんです。人がハッピーで気持ち良く生きることのほうが大事だって。
「人生に意味はない。え?意味あります?」
なので、そこからまた少しずつ広げていくと「自分が楽しくやりたい」「じゃあ周りの人も楽しいほうが良いな」「人類なるべく気持ち良いほうが良いんじゃないか」みたいな概念が出てくるので、その概念に対してミッション・ビジョンをつくり、「みんなが気持ち良くなれる世界をつくりたい」というのが今やってることですね。
(ここで急にオンラインで話を聞いていた大山がカットイン)
(だいぶ感化されやす人間・・・)
「これからの組織」
よくよく考えていくと、20世紀的には生産合理性があったのはピラミッド組織だったと思うんですけど、おそらく21世紀はそうじゃなくなっているので、このコントロールしない組織づくりが当たり前になるよな。と。
これを実現できた組織が、個人個人が活躍しやすくなると思います。
つまり、意欲とか情報収集のリテラシーを持った人は勝手に自分で能力を高めていって価値もつくっていくから、そういう人たちとどう繋がって上手くビジネスとしての価値を生み出していくのかという感じでしょうか。
「指示はしない」「ルールもなし」
*VGTA:
・ビジョン:普遍的な達成すべきこと。原則的に変更はしない。
・ゴール:「ビジョン」を達成するための定量的なマイルストーン。1〜3年ごとに設定する。
・テーマ:「ゴール」を達成するためのマイルストーン。あえて定性的かつ曖昧な指標を用いるのが特徴。年ごとに設定する。
・アーティファクト:「テーマ」を達成するための具体的かつ定量的な成果物・指標の定義。四半期単位で設定する。進捗や環境変化に応じて柔軟に変更する。
「トップの役割」
しかも、元々違う目的で始まった会社が、それをもう1回つくり直すのはさらに至難の業。多くの会社は元々立ち上げたときは「儲けたい」とか「大きな会社にしたい」とかいう経営者のエゴで始まってる場合も多いから、それを僕ら流に言う「手放さない」のは、その目的を達成するためにティール型を取り入れようみたいな流れになる。
ティール組織を目的を達成する手段にしちゃうイメージですね。
ティール組織という本が発売されて以来、ティール組織の解説者宛に問い合わせが結構来るらしいんですよ。その大半が「うちの社員にティールさせたい」という内容。
「評価はしない」
評価システムを作っていない理由は、人間の認識ってやっぱり頭が違うので絶対ズレるんですよね。100パーセント一致するわけなんてないじゃないですか。
なので、どうやったって誰かが不満を持つシステムなんですよ。なので、万能な評価システムがないっていう前提に立つと、それは手放すほうが良いと思っていて、私がやってるのは、どんな役割でも世の中一般的な報酬水準ってあるじゃないですか、それをぶつけて相談するっていう形を採ってるんですよ。「このぐらいだよね」って。
「会社の経営の状況もあるし、あなたの実力こんなもんだし、このぐらいじゃない?」っていうのをいつも相談してるっていう。
マネジャーも複数に跨がったりするから、そこらへんが難しい。
今後もっとメンバーとかチームとかが増えてきたら、体制が変わるかもしれない?
「トップの体質」
私、合理的で効率的なことが好きなので、このやり方のほうがピラミッド的な組織より合理的だと思ってるし効率的だと思ってるので、「ピラミッドのほうが良かったな」って思うことはないですね。
普通の人から見るとつまらない人間だと思います(笑)
会社のミッションとかビジョンと個人の価値観とかビジョンが一致度が高いほうが納得感も高いし、満足度が高まりやすいって一般的には言うじゃないですか。そこが非常に高いっていうことでしょうね。
後編はこちら
会社創業当時から「好きなことを見つけ、好きなことができる世界をつくる」という一つの思想を貫いてきた森下さん。
個人のビジョンと会社のビジョンの合致度が高く、気持ちよく生きているように見えますが、それでもトラブルや、ストレスはあったはず。
後編では、森下さんのリアルをさらに突っ込んでインタビューしていきます!お楽しみに♪