DXO導入企業の声
各業界で続々とDXO導入。ごきげんな組織が増えています。
今回インタビューさせていただいたのは長野県で介護事業を経営するやさしい手諏訪様です。
【会社概要】
株式会社やさしい手諏訪(HP:https://yasashiite-suwa.com/)
代表取締役 花岡 邦浩さん
事業内容
サービス付き高齢者向け住宅
訪問看護ステーション事業
従業員
48人(うちパートタイマー7名)
目次
プロローグ「社長、話があります。」全スタッフの矢面に立たされた社長。
Q1:DXO導入のきっかけとは?
Q2:DXO導入に期待したこと
Q3:DXOワークショップで行ったこと
Q4:DXO導入後、組織の変化
Q5:DXOはどんな企業にオススメですか?
DXOインストーラー楠元さんのコメント
プロローグ「社長、話があります。」全スタッフの矢面に立たされた社長。
多くの経営者が、社員がイキイキと幸せに働いて欲しいと願っているのではないでしょうか?
でも現実は、目の前の利用者さんのために、その責任感からプライベートを犠牲にしながら働く社員がいる。
疲れ切っている社員を前に、イキイキと幸せに働いて欲しいという願いとは異なる現実が突きつけられる。
いつまでもその状態を見てみぬふりしているわけにはいかない。
分かっているけど、何から手をつけたらいいのか。
今回、インタビューに応じて下さった花岡社長はまさにこの状態であったと、正直にお話ししてくださいました。
花岡社長が手がける事業は、介護事業。
訪問看護、高齢者向け住宅事業、この業界はとにかく人手が足りないのです。
捌き切れない業務が管理者の元に溜まっていき、その煽りを喰らう現場のメンバー。
当時、業務は上司(管理者)の指示で、突然現場に降りかかることが常態化していました。
現場からは「そんなの聞いていない」「事前に相談して欲しかった」「勝手に決めないで欲しい」等という声がどんどん大きくなっていました。
そんな中、マグマが破裂するように全スタッフによる社長、管理者への「直談判」会議が開かれました。
その場で花岡社長は、耳の痛い話を直接突きつけられることになりました。
矢面に立って、飛んでくる矢を受け続けた花岡社長が思い出したこと、それは「なぜ介護事業を起業したのか」という創業の思い。
介護事業を通して、利用者の方だけでなく、働く職員も幸せになって欲しいという明確な目的がありました。
そしてその目的が実現出来ていないことを突きつけられてしまったのです。
もう、逃げることはできない。このままでは壊れてしまう。と覚悟を決め、もう一度、自分が何をしたいのか、何の為に起業をしたのかを考えました。
そして、「自分達が働きやすい現場を作ろう」と、上司の指示の元でしか動くことができない現場を一から見直し、自律分散して働ける組織を作ることを決めたのです。
Q1:DXO導入のきっかけとは?
大山:花岡社長はティール組織の本が自律分散的な組織を目指すきっかけの一つだったとのことですが、ティール組織のどこに惹かれたんですか?
花岡:働く人が中心の組織が理想だと思ってました。
会社のために働く人が存在しているのではなく、個人が輝けるような組織。
会社に言われたからやっているのではなく、自分で意思決定して動いていける、そんな組織です。
書籍「ティール組織」を読んだ当時、ちょうど訪問看護ステーションの立ち上げ時期だったんです。
だから特に意識しました。
でも結局、管理者に業務が集中してしまっていたり、他のメンバーが指示を待ってるような状態になってしまって…。
大山:ティール組織のような組織に・・・という理想がありながらも現実にそうなっていない中で、何か手を打たれたことはありましたか?
花岡:実はないんです。
ないというより、どうすれば良いか分からなかったというのが現実。
そんな時、訪問看護ステーション立ち上げの時に出会ったDXOインストーラーの楠元さんからたまたま連絡がありました。
楠元さんはDXOだけでなく、進化型組織関連のあらゆるセミナーに参加されたりして、すごく勉強されているのを知って、「先越された〜」と思いました。(笑)
そこで、楠元さんからDXOを紹介してもらい、何かピン!とくるものがありました。
そこでまず、DXOを開発した手放す経営ラボ主催の手放す経営アカデミア(現、手放すじぶんラボラトリー)に参加させてもらいました。
月に一回の定例会に参加する中で、実際に進化型組織で経営されている組織の経営者の話を聞いたり、その方々と話したりするうちに徐々に気持ちの変化がありました。
大山:DXO導入において心理的なハードルはありましたか?
花岡:あんまりなかったんじゃないかな〜。うん。なかった。
ティール組織のような組織になりたいって本当に思っていました。ただ、思っているけど、実行できていない自分がいる。
先にもお伝えしましたが、業務が回らない仕組みにメンバーの不満が溜まっていて、もう待ったなしの状態でもありました。
だから、施設の利用者さんが一気に増えてすごく忙しい状況だったのですが、楠元さんから紹介いただいた時には、まさに渡りに舟。やるしかない!という感じでしたね。
大山:忙しい中ワークショップを実施することに対して、社員の皆さんからの抵抗はありませんでしたか?
花岡:最初はあったと思います。しかし、ワークショップの初めに私が組織に対する想いを語る場面があったんですが、そこでメンバーがこのプロジェクトに共感してくれたのが良かったと思います。
語ったのは、今までどういう仕事をしてきて、僕はどうしたいか、どういう会社にしたいんだとかいうこと。そこでメンバーとの意思疎通ができ、スタートを切ることができました。
Q2:DXO導入に期待したこと
大山:DXOに期待したのは何ですか?
花岡:まずは自分自身の変容ですね。僕が変われば成功するのかなって思ってた部分はあるので。自分自身がDXOを導入することで勝手に変われるんじゃないかっていう期待がありました。
大山:面白いですね〜。組織の変容より、ご自身の変容を期待されてたっていうのは。
花岡:はい。だけど、結果的に僕よりメンバーの方がめちゃくちゃ変わっていって、今は自分の方が置いていかれていると感じてます・・・(笑)
メンバーの方がDXOを、進化型組織の考え方をしっかり受け入れていて。
成長っていう言い方が良いのかわかんないですけど、僕だけあんまり変わってないなって感じてます。
大山:それはどんなところから感じているんですか?
花岡:やっぱりどうしてもコントロールしたいって欲求が消えてはくれないんです。(笑)
大山:ははは。正直(笑)
では、メンバーが変わったと感じるのはどんなところからでしょうか?
花岡:最近あったことで言うと、採用面接ですね。
採用候補者の方に対する質問の仕方、仕事内容や職場のことを話すのを横で聞いていると、僕と出会った頃とはまるで別人のような感じがしています。
職場に対して前向きに捉えていることが言葉の端々から漏れ出ている。
イキイキと自分の言葉で語ってくれているんですね。
Q3:DXOワークショップで行ったこと
大山:DXOのワークショプで印象に残るものはありましたか?
花岡:メンバーが仕事で大変だったことや嬉しかったこと、この仕事を選んだ理由などを話すことがあったんですが、それは本当によかったと思います。
これは進化型組織とか関係なく、どんな組織でもやった方がいいなと思いました。
僕自身、20年ぐらいサラリーマンをやってきたんですが、どの組織においてもこんな機会はなかったと思います。
一緒に働くメンバーの価値観や大事にしてることを聴き合う。メンバーの話を聞いてみて、たくさんの気づきと共感がありました。
大山:逆に難しさを感じた部分はありますか?
花岡:「言葉」を作るプロセスですね。
最初は、メンバーからありとあらゆるいろんな言葉が出てきて、まとまるのかな?という焦りや不安を感じた部分もありましたね。
でもそこはDXOインストーラーの支援を受けながら、組織の言葉としてまとまっていく過程が印象的でした。
大山:DXOでいう「言葉」は一般的な会社の理念と近いものがあると思いますが、理念は、社長が決めるのが一般的じゃないですか。
でも、DXOはメンバーの思いから吸い上げていくプロセスを取ります。そこへの葛藤はありませんでしたか?
花岡:そこが本当に葛藤を感じました。
言い方悪いですけど、「俺が作った会社だろう」という気持ちが常に出てきちゃうんですよね。
そんな感情と理屈がうごめいていましたね。
そこも含めてインストーラーが進行を助けてくれました。
あとは、プロジェクト中にも、採用活動を続けていて人の出入りがけっこうあったので、途中からプロジェクトに入った人のフォローアップやモチベーションの違いなんかがどうしてもあって、そこに難しさを感じましたね。
大山:プロジェクト中に会社をお辞めになった方もいらっしゃったんですね。退職理由がワークショップと関係していることは考えられましたか?
花岡:明確に関係していることはなかったとは思いますけれど、その方には「管理者はこうあるべき!」という思考が強かったので、僕の考え方には賛同できないってところはあったのかもしれません。
組織方針を明確にしていく中で、違和感も明確になった可能性はあるかもしれないです。
Q4:DXO導入後の変化
大山:DXO導入後、ご自身や:組織に変化はありましたか?
花岡:まず、自分自身なんですが、メンバーに任せて大丈夫だって理解はしています。だけど、コントロールしたい感情を完全に手放すのは難しい。
そんな葛藤を今も味わっています・・・。
ただ、葛藤はありつつも、DXOのワークショップが終わる時は、感無量でした。
これまで6ヶ月のことが思い浮かんできて。
ここからまた始まるんだっていう想いでした。
今は新しいスタートラインに立っている実感があります。
組織の変化で言うと、DXOのワークショップで「言葉」「形」など全ての要素が整って、自律の芽が出やすい環境が整った実感があります。だからみんな動きやすくなった。
そういえば、ある日外部であった管理者会議で、うちのメンバーが面白い発表をしてきました。
自社組織が自律分散型で運営をしているということを資料にまとめていて、それを発表したらしいんです。
本当に驚きました。
※メンバーの方が作成した資料
誰かにやれと言われたわけでもなく、しかも外部の管理者会議ってどちらかというと固い場なんですよ。昔ながらのトップダウンの組織論を引用するような場所。
そこで自律分散という、いわば真逆のことを発表してきたようで…。
自信を持ってちゃんと伝えてきたっていうのが、驚きしかないです。
そういうエピソードも含めて、「やべ、俺より分かってる!」って置いてかれている感覚になってしまいますね。(笑)
Q5:DXOはどんな企業にオススメですか?
花岡:どんな組織でもいけるんじゃないかなって思います。
正直、僕自身はまだ変容しきれていない感覚があるんですが、現場の人はどんどん変わっていってます。
だからってわけじゃないですが、「働く人が主体の組織に」「現場の人が目的を持って楽しく働ける組織に」って思いがある経営者だったら、うん、どこでもいけるんじゃないかと思います。
DXOはそんな仕組みなんだろうなっていうのは思っています。
大山:なるほど。思いがあるんなら、気負わずにスタートラインに立てるよっていう感じですかね。
花岡:そう、そんな感じです。(笑)
組織に対する理想があることが前提だとは思うんですが、理想の組織ができるかできないか不安があるかもしれないけど、そういった思いがあるんだったらやってみたらいいと思います。
葛藤とは向き合い続ける必要はありますが・・・(笑)
大山:(笑)
これからも経営者としても組織としても進化は続いていきそうですね。今日はありがとうございました。
花岡:ありがとうございました!
DXOインストーラー楠元さんのコメント
やさしい手諏訪さん、DXOインストール後、初めてのミーティング。
この1ヶ月社内の新規事業立上げに伴う影響もあり、さらに増える新人さんへの指導時間の確保が負担となっており、「とにかく忙しいです!」という状況でした。
そんな中でも、各チームからの報告は、
・ホワイトボードによる見える化
・インテークシート導入による新規案件情報管理
・利用者アンケート検討
・言語聴覚士プロモーション検討
・新人育成プログラム検討
忙しい状況とは裏腹に、現場主導の新規取組と課題抽出、検討が進んでいました!!
花岡社長も管理者さんも現場スタッフの主体的な活動に驚きの声・・・
そして最後に
あるチームから、「訪問チーム分割管理案」の検討・・・ってこれ、内容的に新規店舗出店の話と同等。
助言プロセスの素案ですやん!
めちゃくちゃ嬉しい報告を聞くことができました!ホンマ、皆さんすごいです!!