ホラクラシーとは?
進化型組織を実践する1つの「型」として、欧米をはじめ日本でも注目を集めている「ホラクラシー」。
(※「ホラクラシー 」の更に詳しい解説はこちら)
しかしホラクラシーという言葉を聞いたことはあっても、
その内容までは詳しく知らないという方は多いのではないでしょうか。
今回はそのような方に向けて、入門編として「ホラクラシー」を3つのポイントで簡単に解説します。
Point1 日本で語られるホラクラシーは進化型組織の総称
ニュースやメディアで出てくる「ホラクラシー」は、こうした意味で使われていることが多いです。
・管理職がおらず、権限が個人に分散されている組織
・上下関係の無いフラットな組織
・自由度が高く、ルールが少ない組織
・情報がオープンな組織
日本の企業はピラミッド型組織が一般的であり、
そのようなヒエラルキーの対義語として、ホラクラシーは語られています。
昨今話題の「ティール組織」と似たような「進化型組織の組織構造モデルの一つ」というくくりです。
※ティール組織を5分で理解できる記事はこちら
しかし、実はこのような使われ方は日本独特のものであり、
本来の意味合いとは少し異なります。
Point2 本来のホラクラシーは“進化型組織を実践する型の1つ”
「ホラクラシー」という言葉をつくったBryan.J.Robertson
(「HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」の著者)は、
ホラクラシーを「新しい組織マネジメントのフレームワーク」と明確に定義しています。
ホラクラシーは進化型組織としばしば同義のように語られることがありますが、
本来は進化型組織の概念を実行するためのフレームワークの一つ。
このようにホラクラシーは、日本ではヒエラルキーの対義語としての意味を持つ一方、
アメリカでは組織マネジメントの手法の一つと捉えらえれています。
組織コンサルタントの山田裕嗣さんが、ホラクラシー(日本語)と
HOLACRACY(英語)に分けて解説しているのがわかりやすいです。
Point3 HOLACRACYは、国の政治に似ている
※以下、「ホラクラシー」「HOLACRACY」を使い分けて解説していきます。
組織運営の手法としての「HOLACRACY」を取り入れている企業は、国内ではほとんど見かけません。
その中でホラクラシー組織を導入している株式会社scouty(スカウティ)のCEO・島田寛基さんは、
HOLACRACY組織を 「HOLACRACY憲法に従って運営をしている組織」と定義しています。
HOLACRACY憲法と言うと、なんだか難しいイメージがありますが、
国の政治に置き換えて考えてみるとわかりやすいです。
例えば、以下のようなことは地方自治では起こり得ません。
・地方の市長が決めることを、首相に報告し、承認が必要
・地方の市長が決めたことを、首相がひっくり返す
なぜ、このようなことが起こらないのか?
それは法律や役割や権限が明確に決まっているからです。
しかし、企業ではよく起こります。
部長が決めたことを社長がひっくり返す。などなど。
このような状態が続くと、社員のテンションは落ちてしまい、
社長も必要以上に管理する必要が出てきてストレスが溜まります。
そのような事態を避けるために、株式会社scoutyでは社内で憲法を定め、
明確な役割と権限を決めています。
つまり憲法によって、権限の分散を可能にしているのです。
社長であろうと、憲法には従わなくてはいけません。
これにより、各チームは侵されない権限を得て、
安心して役割と責任を全うすることができるというわけです。
まとめ
・日本と海外で、「ホラクラシー」の言葉の意味は異なる
・日本のホラクラシーは、進化型組織とほぼ同義
・アメリカのHOLACRACYは、進化型組織を実践する上でのマネジメント手法の1つ
HOLACRACYは独自の憲法によって、地方自治のように権限分散を可能にする組織のカタチと言えます。
※詳しくは、島田さんのブログ、またゲスト出演いただいたPodcastをお聞きください。