〜自己組織化型プロジェクトの進め方”むすびサイクル”振り返り〜
はじめに
2021年秋〜2022年春にかけて、手放す経営ラボラトリー研究員7名で、自己組織化型プロジェクトの進め方”むすびサイクル”を利用しながら一つのプロジェクトを進めました。
”むすびサイクル”とは、場とつながりラボhomes-viの嘉村賢州さんが開発した、自己組織化型プロジェクト推進のためのフレームワークです。一人ひとりが主人公になり、即興性を楽しみながらプロジェクトを進めていく9つのステップからなります。
この記事は、2022年5月に開催したプロジェクトの振り返り会の内容が中心です。
プロジェクトを一通り体験したうえで振り返ることで、一人ひとりが、あらためて自己組織化型プロジェクト推進において大切なことに気づいていきました。
目次
- 1.プロジェクトのはじまり
- 2.そうだ!「むすびサイクル」で進めてみよう!
- 3.みんなで世界を飛び回る未来像を想像した!ところが・・・ l
- 〜「むすびサイクル」振り返り会〜
- 4.大事なのは究極一人でもやるかどうか!
- 5.「やると決まったんだからやるよね!」をどれだけ減らせるか !
- 6.自分の人生として、これに関わる価値がありそうか?
- 7.自己組織化型プロジェクトでソースの存在は?
- 8.プロセスがうまくいっているとき、役割分担しても不安がない!孤独を感じない。
- 9.「疲れている」は、素晴らしいヒント
- 10.経験格差のヒエラルキー
- 11.混ざり方のデザインをちゃんとしていく
- 12.組織とソースのキャラクター
- 13.チェックアウト
プロジェクトのはじまり
2021年秋、手放す経営ラボラトリーの研究員である伊藤輝幸さんが、茨城県かすみがうら市が主催する「ワーケーションプラン共創プログラムモニター」の募集に「禅合宿ワーケーション」をテーマに企画して応募。応募者多数の中から選ばれ、手放す経営ラボラトリー研究員の仲間が企画にジョインして、7名で一緒に進めていくことになりました。
そうだ!「むすびサイクル」で進めてみよう!
プロジェクトの進め方にはいろいろあるけれど、「一人ひとりが主人公になりながら共創的に進めてみたい!」と、むすびサイクルを使ってみることになりました。そして、むすびサイクルの開発者である賢州さんがスーパーバイザーを、賢州さんの元でファシリテーションを学び、むすびサイクルを活用している木戸伸幸さんがファシリテーターを担ってくれることになったのです。
むすびサイクルにかかる費用は、手放す経営ラボラトリーの研究員として使える予算を、助言プロセス(意志あるものが意志を表明し、関係者の意見を聞いたうえで、意志決定できる)を経て使わせていただきました。
みんなで世界を飛び回る未来像を想像した!ところが・・・
むすびサイクルのステップを進めながら、最初、プロジェクトは順調に進んでいきました。2022年1月に禅合宿ワーケーションを開催。その後、プロジェクトの最終ゴールはアップデートされ、ごきげんな人や街を育むリトリート合宿「ごきげんの花咲くリトリート」として4月にプロトタイプ合宿を開催。その後も季節ごとに開催し、ゆくゆくは世界にも広げていこう!とワクワクの未来をみんなで思い描いていました。
ところが、4月のプロトタイプ合宿開催後の振り返り会にて、一旦プロジェクトを終了することになったのです。
私たちのチームに何が起こっていたのか?
2022年5月、スーパーバイザーの嘉村賢州さんとファシリテーターの木戸伸幸さんを迎えて、むすびサイクルで進めてきた禅合宿ワーケーションとリトリート合宿の振り返り会を開催。
賢州さんに質問をぶつけていくと、私たちのチームに何が起こっていたのか、次第に見えてくるのでした。
「むすびサイクル」振り返り会
-ここからは、2022年5月に開催された振り返り会の記録です。
賢州さん:むすびサイクルは、今となってはいつ誕生したかわからないくらい古くからやっています。「プロジェクトをするときは、だいたいこのものさしでやっている。」という感じです。
同時に、最近所属を超えたメンバーが一緒にプロジェクトに関わることもあたりまえになってきている中、忙しい人も多く、丁寧にプロジェクトをつくるという機会は少なく、力技でプランニングしちゃって走リ出すというケースも多いのではと感じています。
それはそれで楽しいのですが、しっかり丁寧にやればもっと味わい深いプロジェクトになるのにな〜と思うこともある中、今回みなさん、割と丁寧にチャレンジしたと思います。
初めてなので、うまくいったこともいかなかったこともあると思います。
その中で気づいたことを分かち合っていただき、私からもフィードバックできたら嬉しいです。
大事なのは究極一人でもやるかどうか!
てるさん:今回のプロジェクトは、当初”禅”がベースになっていました。ところが、事情があり”禅”を前面に出せないことになったんです。結果として、みんなで話し合い、手放す経営ラボラトリーらしいリトリート合宿を開催しようということになったんですが、そのとき、ソース(*)は変わる感じでしょうか。
賢州さん:みんなの話し合いで決まるとき、グリーンの罠にはまっていないか注意が必要ですね。
みんなのアイディアで、いいねいいねいいねで寄せ集めの企画になってしまったら、それぞれは60%のいいねだったりするわけですよね。
大事なのは究極一人でもやるか、一人でもゼロから集めてでもやりたいという人がいるかどうか。
みんなでやるなら楽しいけど、くらいな感じだったら、それはイニシアチブではないので、ソース原理(*)の物差しからみるとうまくいきにくいパターンです。
例えば抽象的な「世界平和」という場合は皆合意しやすいけど、具体的にやることによっては、「いやそれは違うかも」と総論賛成各論反対になりやすい。具体化すればするほど、当初やりたかったものと何か違う気がすると感じてくる。
だから、みんなの60%で走っちゃうと、なんかみんな忙しいとか疲れたとか、そんな感じになっていって、プロジェクトがエネルギーを持たなくなるんです。それがグリーンの罠です。
てるさん:今回その罠に陥ったのかもしれないです。
賢州さん:このグループは、ファシリテータティブというか、 協調性を持っている人が多いので、逆に言うと自分の心の声を引っ込めちゃう人も多かったのかもしれません。やりたいことを表明しあう中で、分裂を過度に恐れちゃうと、企画のピュアさが失われてしまいます。
グリーン的にも気軽な企画はいっぱいできるんですけど、「本当に走って良かったな。」みたいな企画にするためには、やっぱり「これやりたいんだ!」というのが明確になっていく必要があって、そうすると10人で始めたとしても、絶対10人ともに合意できるということにはあまりならないですよね。
テーマが変わったのなら、 一旦2〜3人にメンバーは絞られて、残りの人は「緩やかに手伝うよ。」とか、「ちょっと様子見みたいな。」的なグラデーションは絶対できるはずです。 強い想いの人が2〜3人に絞られるはずのところを、見て見ぬふりしちゃうとふわっとグリーンの罠にはまっちゃいます。
*ソースとは、傷つくリスクを負いながら最初の一歩を踏み出した者(あるいは、その役割を引き継いだ人物)
*ソース原理とは、人のあらゆる活動において「特別な役割を担う1人」がいるという考え方です。提唱者であるPeter Koenigは、この1人のことをsource(ソース)と呼んでいます。
出典:令三社HPより
https://r3s.jp/magazine/jp/source_principle
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「やると決まったんだからやるよね!」をどれだけ減らせるか!
そらちゃん:「禅合宿ワーケーション」から「ごきげんの花咲くリトリート」に変更になったあたりから、グリーンの罠的になっていたかなと。
賢州さん:ある程度のアイデアレベルでも、多分みんな能動的にミーティングには参加してくると思いますし、簡単なタスクレベルだったらきちっと仕事はできる。私たちは今までの教育や仕事で社会性は養われているので湧き上がる思いがなくてもある程度責任感で回せちゃうわけですよ。
大切なのはやると決まったからやるよね、くらいな感じで回しちゃうところを、どれだけ減らせるかなんですよね。
グリーン的にもプロジェクトはできちゃうし、それが悪いわけではないのです。
責任感を置いたときに「wantで動く人」が現れると、より研ぎ澄まされてエネルギッシュで、「あ〜、これは今までになかった企画だね!」というレベルを作り出せる確率が増える。
再び目的が表れつつあった時があったと思うんですけれども、その時にどれだけ「これやりましょうよ!」と言い出した人の中で内省があるかどうかなんですね。
ソース原理で言う「ビジョンを明確にする」というフェーズです。ソースが自分に問いながら「本当にこれやりたい!」となるかどうかをまず確認する作業が必要だったと感じますね。
そしてソースが「これが本当にやりたいことなんだ」と確信したときに、もう一度語り直しをする必要がある。「なぜ 新たなところで今押されているのか。」というところをあらためてストーリーテリングするんです。
ソースが、新たな目的に対してのストーリーテリングをして、それを聞いた他のメンバーも「これって、私が参画する価値があるんだろうか。」というところを問い直す。そこで本当はメンバーは減るはずです。辞めるという所まで行かなくてもコアチームは絞った方が良い。
目的が変わった状態で再スタートするとき、メンバーが続けるか続けないのかジャッジを割と真摯にやる。
ソースの内省やストーリーテリングがなく、緩やかに合意形成だけで進めていくと、曖昧でエネルギーの上がりづらいプロジェクトが生まれやすいです。
自分の人生として、これに関わる価値がありそうか?
あっちゃん:目的探求のところで、個人のWhyとチームのWhyの重なりを見つけていくときに、大切なことは何でしょうか。
賢州さん:これは2つの軸で考えた方がいいですね。
一つがソースとそれを一緒にする仲間たちとのマッチング方法の観点から。
ソース原理では、サブソースとの出会いの章があります。
ソースがサブソースと出会っていくときに、そのプロジェクトに関係なく「サブソース候補の人の人生のビジョンに耳を澄ます。」ということがあります。
その上でソースが「自分のビジョン」や「こういうプロジェクトをしようと思ってる。」ということを語る。これを聞いたサブソース候補が、「自分の人生として、これに関わる価値がありそうだ。」と感じたときに、「一緒にやりましょう!」となっていく感じです。
「それを実現することは、私の人生にとっても大きな1歩になりそうな気がする。」って思えたら一緒に活動を進めていく。
これが重なりの見つけ方の1つの視点です。
二つ目の視点は、ソースがいつでもビジョンを明確にできるわけではないということです。
ソースは、直感では「これが世の中に出ると楽しそう。」とか「インパクトがありそう。」みたいな確信はあるんだけれども、具体的に何をするのかということがふわっとしていたり、わからなかったりすることも多くて、そのために2つのアプローチがあります。
トップダウンとボトムアップのアプローチです。
トップダウンは自分自身を突き詰めて考えていく。「本当にやりたいことはなんだろう。」と、 自分の個人の時間とか静かな時間、書き出す時間も含めて感じて考えぬくというのがトップダウンです。
ボトムアップは、周りから好き勝手に感じたことを言ってもらって「あー、それいいねぇ。」とか「その考えには及ばなかった。」とか「それ何か違う気がする。」というように、集合知を使って明確にしていくアプローチです。
みんなで対話する中で、「そうそう、それが実現したかった。」とか「あー、全然考え足りなかったけど、それすごく面白いアイデアだから、加えたらもっと良くなりそうだよね。」とか言い合いながら、「これだよね!実現したいことは!」と見えてくる。
ただ、その時に「なんか違う気がする。」みたいなことが出てきたときには、「それは自分の中で違う気がするんだよ。ごめんね。」という感じのことはちゃんと真摯に伝えるようにすることも大事です。対話しながらみんなで作っているような雰囲気があるんですけど No と言うときは、Noとはっきり言うことは、ソースにとっては大事です。
この「これに関わることが自分の人生にとって意味がある気がする。」という個々人の存在目的と意味がつながってい くっていうことと、トップダウンとボトムアップのアプローチでやることを明確にしていくという、2つのプロセスが、むすびサイクルの目的探求の時間、つまり個人のWhyとチームのWhyの重なりを見つけていく時間です。
ここで、あまりにも皆平等ってなりすぎると、グリーンの罠にハマっちゃうんです。
自己組織化型プロジェクトで、ソースの存在は?
そらちゃん:自己組織化型プロジェクトでは、「これを表現せざるを得ない。」というソースがいるかどうかが大事ということでしょうか。個々人のWhy からチームのWhyの重なった部分を抽出したものを、全体の存在目的にするっていうのはグリーンまたは参画型という感じですか?
賢州さん:そこが難しいところで、多分グラデーションだと思うんです。
みんなのやりたい60%レベル×10人となってくると、割と皆が責任を取らなくなってきて迷走しがちです。
特にいい人たちの集団って、どうしても境界線を明確にした発言をしにくくなるんですよ。みんな「いいね」になりやすいから。企画として研ぎ澄まされない可能性がある。
当然仮説としては、ちゃんと対話すればソースがいなくても、「境界線は明白なこれだよね」というところまでいける話し合いの方法 もあるかもしれない。U理論とかは、そのためにあるような方法なので。
「洗練された話し合いの方法でプランニングしていく方法」と「ソースを明確にする」という方法の2つがあると思います。
だだ、ぶっちゃけ「洗練された話し合いの方法でプランニングしていく方法」で皆で作っていくっていうのは結構難易度高いですよ。
「洗練された話し合いの方法でプランニングしていく方法」でやっているように見えて、発言とか行動を聞いてみると、実はソースがいることもあります。
プロセスがうまくいっているとき、役割分担しても不安がない!孤独を感じない!
そらちゃん:今回のプロセスは、自己組織型のプロセスを歩んでいたはずではあるけど、途中で再スタートするときに、目的もソースも曖昧だったので、ちょっと苦しかった感じなんでしょうか。
賢州さん:そうだと思います。
早めに役割分担して決めていくっていう方法を取らざるを得なくなった感じがしますよね。
そらちゃん:役割分担後、役割の調整(役割の交代など)が自然となされるためには、何が大切でしょうか。
賢州さん:役割分担した後、うまくいっているときはその後不安が少ないんですよね。
大事なことを共有できてるから。必要な時にはみんなに確認したり、助言プロセスをすることもできる。究極助言プロセスやらなくても、あれだけ対話できてるから、「走ったところでまあみんな文句は言わないんだろうな。」というような安心感があるんです。
ところが、役割分担前のプロセスが緩いと役割分担したら不安になってくる。
「走っていいのかな?」と。
孤独になるんですよ。役割分担が。
事前のプロセスがうまくいっていると、役割分担しても孤独は感じにくいです。
事前のプロセスが弱いと、ちょっとした牽制やバトルも生じます。
「もっとあっちの役割の人動いてよ。」とか「え〜、 なんか想像以外の(合意形成されてない)ことやってきた。」
みたいなことが起こりやすいです。
「疲れている」は、素晴らしいヒント
そらちゃん:私たちは若干疲れていたんですよね。
賢州さん:遂行ありきになってしまったんですね。
「疲れる」というのはわかりやすい弱いシグナルですね。
シグナルがあると、このむすびサイクルでどこかが抜け落ちているんだなということがわかる。
統率型のプロジェクトマネジメントだと「ここまでプランニングして、役割も決まったんだから、プロとして責任を持ってやりましょうよ。」「今更エネルギー上がらないとか言っては 迷惑だ。」みたいな感じになるじゃないですか。
でも、自己組織化とかソース原理で言うと、それを言い控えることの方が大きな問題です。後になって大きな問題となってはね返っ てくるから。
「疲れてる」などの弱いシグナル自体が素晴らしいヒントなので「疲れちゃった。どうしよう。」という話から、「何でだろうね。」と振り返り、「ソースは誰だろう?」とか、 「早く役割分担しすぎたよね。」などと声を出し合いながら、むすびサイクル的に抜け落ちているプロセスに気づき、戻ることができる。
経験格差のヒエラルキー
賢州さん:エネルギーが高まらないときって、二つあると思うんです。
一つは、自分のビジョンとつながらないとき。
もう一つは、「見たことがない。経験がないから掴みどころがない。」というとき。要は次の一歩が浮かびにくい。
後者の場合は、長期プロジェクトを区切って 1回小さく回してみると、「ああ、こういうことをやろうとしてるんだな。」と体感的に湧き上がってくる。ミニチュア版のイベント開催や似たような事例視察など。そうすると、テンションもあがって走りきれるんです。
でも、あまりにも大き過ぎる目標を初めから考えたことによって、途中、よくわからないから走れないんだよな〜というようなケースもあるので。
共有体験がないのに一緒につくることは難しいこともあるじゃないですか。
あっちゃん:言葉でビジョンを語っても、一緒にやる仲間としては、それだけでは得られないものがあるから、共有体験をすることによって得ていくというようなイメージでしょうか。
賢州さん:背景のストーリーテリングをうまく重ねれば、ある程度共感することはできるかもしれないですが、例えば「対話の場を作ろう。」と言われたときに、対話で深く話した経験がある人とない人では、全然実感値が違うはずです。「対話は素晴らしいから。」と言わ れるよりも 、深い対話の場をつくるファシリテーターを呼んでみんなで経験するだけでガラッと変わりますよね。
むすびサイクルの前提共有のフェーズでいう「知識格差」とか「情報格差」がヒエラルキー を生むということと似ています。
「俺はこれ、絶対価値があると知っ てるんだ。」と言われても「私それ経験したことがないから、いくら価値があると言われ ても。。。」みたいな経験格差のヒエラルキーになっていく。
混ざり方のデザインをちゃんとしていく
そらちゃん:私たちは7人のプロジェクトメンバーで進めていたのですが、ワークを進めるときに2グループに分けるということがあったんですね。ペアワークのときもありました。それを終わったあとに全体に持ち寄るときもあったのですが、文脈が落ちていると感じたことがありました。全体でやるのがいいのか、何かいいやり方はないのかなと思いました。
賢州さん:そうですよね。少人数だったらずっと同じ深さで同じレベルの共通感覚を蓄積しながら進めていけるんですけど、コアチームが大きくなってくるとどうしても無理ですね。
そのときは、うまくグループサイズを扱うワークの方法を習得していきたいですね。分割してその結果だけ報告し合って終わりだったら混ざっていかない。
例えば、ワールドカフェ的に3人3人3人で別れて、15分ず話したら、それぞれから1人ずつ集まる形で、次の3人3人3人のグループをつくり、前のグループで出たことを報告し合って、さらに話し合うようなことを、3ラウンドぐらいするとかなり混ざって いくんですよね 。
報告で混ぜるというよりは、対話で混ぜるというような試みとか、 分割するだけじゃなくて混ざり方のデザインをちゃんとしていくと、大人数でもできる ようになっていきます。
シンプルにワールドカフェはいい方法だと思います。
1 つのチームは8人ぐらいまでがやりやすいというのはあるんですけども 、ワールドカフェみたいなホールシステムアプローチのテクニック を使うと、15人くらいでもできたりします。
人数は本当に難しいところで、メンバーが少なければ深みはますけれど、その後の巻き込みの波及効果が弱かったりする。 メンバーが多いとより多くの人を巻き込めるようになるが、チームビルディングが弱くなったりする。
だから、例えば15人をコアチームにしながら、さらに3人から5人の世話人グループを作るということをやったりします。
組織とソースのキャラクター
まあちゃん:自己組織化型ではなく、参画型プロジェクトの場合、事前にプランニングを最後まで描き切ってスタートするということですが、描き切るのは中心的な一人、例えばソースですか?みんなで描くのもプロジェクトっぽくていいなと思ったんですけど。
賢州さん:それも2パターンで、ソースが中心に描くパターンと、U理論的なものを使いながら出来るだけみんなで合意形成するというパターン。
ソースを中心に描いていくとき、ソースのキャラクター次第では統率型に近くなっていく。集合的なアプローチが強いとグリーン的な罠にハマってしまう。結局、それらを両方とも洗練させていくと近づいていく。
ソースが本当に集合知を信じていて、みんなとしても、みんなで作ったような気がするみたいな感じになっていく。
まあちゃん:組織の形ってソースのキャラクターに結構紐付くような気もしたんですけど。
賢州さん:それはあると思いますよ。人間の成熟度としてみんなのことは受け入れるけど、Noと言うのは苦手とか、ちょっとしたこだわりを言うのはわがままかなと思って引っ込めてしまうとか。
そういう遠慮的なところって、一見優しさのようだけど、多分未成熟な部分なんですよね。僕にもそういうところがあります。そうするとグリーンの罠にはまっていくみたいなこともあったりします。
チェックアウト
あっちゃん:「なんか不安だ。」「なんか疲れてる。」「孤独を感じる。」などネガティブに捉えられる感覚を無視せずに大切に扱い、むすびサイクル的にはどこが足りていないから今の現状を生み出しているのか?問うてみると、今やるべき大切なことが見えてきそうです。
そらちゃん:こんな豪華な質疑応答の時間をとっていただき、とても満たされています。
ティール組織、ソース原理、むすびサイクルや自己組織化型プロジェクトというものを、自分のものにしていきながら、いい仕事、いい人生にしていきたいなと思うようになりました。
てるさん:この体験があったからこその学びがより深まりました。DXOをソース原理のレンズでみるとどうなるのかなぁというところも機会があれば、お伺いしたいです。
まあちゃん:ここまで走り切ってきたからこその質問が実体験に紐付いているので、 個人の疑問も全員が共有できるし、学びが何倍にもなる感じがあります。コミットの濃度の差みたいなところって、プロジェクトを始めるときに、最初に設計するってすごく大事だなぁって感じました。
ひっちゃん:これからやってみたいことは、プロジェクトに関わっていく中で、エネルギーを確認し、プロジェクトと自分とのつながりが今どういう状態なのかを確認したいです。やっぱりhave toではなく、wantで関わっていきたいと思うので、そこを意識してやっていきたいなあと感じています。
木戸さん:リトリート合宿というよりもこういう体験を通してむすびサイクルという自己組織化型のプロジェクトを学びたかったんだなこのメンバーはと感じています。最後終わってコーディネートできたのが良かったなあと思いました。
賢州さん:僕は大学生の時からプロジェクトというものに魅せられてきました。一人で実現する世界と、チームや仲間で目指せる世界は全然違うということを体感し、プロジェクトにはまりながら、このむすびサイクルも生み出していきました。セミナーやレクチャーとはまた違い、活用していただいた方々と意見交換できることがすごく嬉しいです。
乾さん:僕にとっても貴重な経験で、期待に応えたい。って想いだけでなく、そこで自分が「やりたい!」なにかがあるのか?やはりこれを判断基準に行動していきたいと強く思いました。
Sam:個々人のWhyをチームのWhyに入れていくという作業をDXOI実践会第4期で試みてみました。個人のWhyをストーリーで語り、お互いの価値観を共有し、チームのWhyを助言プロセスで仕上げていく作業にむすびサイクルから得たボトムアップの集合知形成の方法などが役立った気がしています。
以上
自己組織化型プロジェクトの進め方”むすびサイクル”の体験を経ての振り返り会の内容を共有させていただきました。
皆さまの参考になることがあれば幸いです。