ヒエラルキー型組織に慣れ切った私たちに必要なもの「関係性の再構築」
坂東:
今日は手放す経営ラボ研究員の乾真人さんと、武井浩三さんと3人で経営をアップデートするプログラム「DXOテキスト」のアップデートについて語ります。バージョンが0.94ということで、永遠に1(=完成)にはなりません。進化し続けるからですね。さて。何が変わったんでしょうか?
武井:テキスト全体として大きく変わったのは、より実践的になったんですよね。前回テキストを作ってから実際にインストールをいくつかの会社でやらせていただく中で、ちょっと進めにくいなとか、ここの部分って、もう少し切り出して深めた方が良いなとか、そういうことの積み重ねから、より実践の場で使い勝手が良いものに仕上げました。
乾:1番大きなポイントは全体のプログラムの構成ですね。今までは、最初に「言葉」を作るフェーズだったんですが、その前に0番目として「関係性」を構築する「関係」というユニットからスタートするようになりました。
乾:なぜこの「関係」のユニットを入れたかって言うと・・・。なんででしょう?武井さん。
武井:僕らが参考にしているダニエルキム氏の成功循環モデルに忠実に則ってみようっていうことですかね。
これまでのテキストでも「言葉」を作るプロセスでメンバーの関係性が育まれるというのはあったんですけど、それを分かりやすく切り出しました。
やっぱりヒエラルキー型の組織を長くやってると、いろいろなものが固まってきて、関係性がギスギスしちゃってる会社もあったりするわけですよ。
坂東:関係性が固まってるねぇ・・・。分かります。
武井:仲が悪い訳じゃなくてね、上司と部下っていう関係が長いと固定化されちゃう。フラットになったからって、いきなり「おう!」とか言えないじゃないですか。
これまでの関係性を一回解きほぐして、もう一度再構成するために、この「UNIT00関係」がすごく重要だってことです。
乾:前のテキストにも、ダニエルキム氏の図は載せていて、「大切だね」って言ってはいたんですけど、ユニットとして切り出して、しっかりワークをするところが、大きいですよね。
組織論の大発見「組織OS」を定義!
坂東:全体構成は変えましたが、ワークショップの回数は変わらず13回ですね。
もう1つ、大きく変わった点がありますね。
乾:12ページです。組織OSの定義をしました。「組織OS=意思決定の仕組み」です。
武井:この定義は大きいですね。今まで組織のOSを変えるって表現してましたけど。
そもそもの「OS」がなんなのかについて明確に定義できたのは、ノーベル賞ものかな?と思うんですけどね。すごいシンプルだけど、本当その通り。
乾:しっかり言語化してみると、「そうだ!」っていう腹落ち感がすごくありますね。
武井:これ組織論の世界において、すごい発見だと思いますよ。
坂東:インパクトは、大きいですよね。
管理型組織が悪いわけではない「選択できる」のが大事なんです
乾:この図がなかなか秀逸ですよね。この三角形のピラミッド型の管理型OSから、扇型から丸い進化型OSです。それぞれのOSがこの図の中に含まれてるっていうのが進化型OSの中にどちらも含まれているというのが、大きなポイントを図で上手く表現したなと思って。
坂東:管理型OSは、世界中のほとんどの組織のスタンダードで、一般的にイメージする会社において、意思決定は会社(=経営層)や上司がするんだよね。これが当たり前のようになっています。
管理型組織が進化すると「同意型」になり「進化型」になる。「同意型」は会社が決めるだけじゃなくて、合議制、話し合いを大切にするということですね。「進化型OS」は自律分散型という意味ですが、意思決定をしたい人がチームでも個人でもできるようになる。ただし、同意型や管理型が進化型の中に含まれているというのがポイントです。トップダウン的な指示系統や、話し合いによる意思決定がなくなるわけじゃないんです。
武井:選択肢が増えるってことですね。
乾:選べることが大切だと感じます。
坂東:私たちの手放す経営ラボのチームでも基本的には自律分散型で誰でも意思決定できる形をとってますが、管理型チックなチームもあります。ちょうど先ほどセールスチームのミーティングをやってたんですけど、「売ろう!」とコミットしているので、今は管理型というか、ゴリっとしてるんですよ。
普段は仏の乾さんが鬼の形相をしてるわけです。笑
管理型がダメなわけじゃない。状況によって、
あるいは求められるものによって違ってくるっていうことですね。
これは選べることがすごくポイント。
乾:進化型OSという新しい選択肢が1つ増やせるのは組織にとってはめちゃくちゃ大きなことですよね。
坂東:進化型OSを活用できるようになるまでのプロセスがこのDXOワークショップで実践できるということですね。
乾:OSの説明のところは、スマホを使って分かりやすく解説しています。
坂東:スマホで例えると、アプリは好きに入れられますよね。アプリのアップデートもあるけど、スマホのOS自身のアップデートってありますよね。
私はiPhone使ってますけど、iPhoneも時々OS アップデートしないと新しいアプリが入れなかったり、動作が鈍ったりする。
OSをアップデートするのが必要なのか、新しいアプリを入れれば問題解決するのかを組織に当てはめています。
組織では、社員教育や人事評価はアプリに相当すると考えていて、世の中の組織論や人事マネジメント系は基本的にアプリの話をしていると思います。
これで問題解決できるなら全然OKですが、そもそもOSが古くない?あるいはOSが管理型だけじゃなくて、自律分散の意思決定ができるような型にした方が、会社の事業はスムーズに伸びて、社員もご機嫌じゃないか?このように考えられる事業体の場合は、スマホのOSをアップデートしてみる。OSをアップデートさせたら上に乗っかってるアプリも、それに応じて適切に組み替えたり、アップデートしたりする必要があるよねとこうことを書いています。
組織OSの選択肢を増やして欲しいから「無料配布」を継続します・・・!
武井:今までこれ何名ぐらいに配ったんですかね?
坂東:郵送では800ぐらいじゃないですかね。データのダウンロード版は数知れず・・・
武井:無料で?送料も?
坂東:はい、無料です。しかも今回ページ数が増えてですね。
印刷費用も余計にかかっているんですよ。
今回完成度もめちゃくちゃ上がってるし、そろそろ有料にしてもいいんじゃないかって話がこの前出ましたよね。
乾:出ましたね。
坂東:そこで武井さんが何て言ったかというと。
「いや無料でしょ」と。
「そうか」と。ということで今回も無料です・・・
何故無料にしているのかというと、1社でも多くの会社に組織の進化や経営の進化の実践をして欲しいからですね。このテキストはコピーレフトなので、流用しても良いし、勝手に使ってもらっていいんです。
OSをアップデートするっていう発想が世の中にないから、私たちがこの情報を閉ざすのではなく、どんどん広めていきたい。
多くの会社が組織OSアップデートしよーって話が普通にできるようになったら、当然私たちの事業も持続可能な状態になるだろうと。
今は啓蒙活動をしていきたいですね。ぐっと耐えながら無料で差し上げておりますので、是非受け取って欲しいんですよ。Webサイトから応募ができます。1人3冊まで郵送してますので、ぜひ遠慮なく。
そして、テキストを読んで良かった!と、すごい勉強になる!と思ったら・・・
武井:今回は、最後のページに寄付のQRコードを載せてます。「いいね!」と思ったら寄付をしていただきたいと思います。
乾:DXOはワークショップを通じて組織OSを整えるプログラムになっています。テキストに沿ってワークショップを進めていただくと、自分たちで自分の会社のことを整えられる。自分たちでできるように、できるだけ詳しく作っています。
新しく「インストールのポイント」を書いたんですよ。
自分たちでワークショップをする時、このポイントを大切にしながら進めていただければと思います。
「Actionfor Day2」 と記載があるこの部分は次のワークショップの日までにそれぞれが行なっておく「宿題」ですね。
さらに「情報環境」が新たに追加されました。
DXOの「DX」はデジタルトランスフォーメーションのDXでもあるので、デジタルツールを使って「情報の流れ」を整える時のポイントが整理されています。
ここもチェックしながらDXOの実践をやっていただきたいなと思います。
坂東:DXOの導入をサポートする人のことを、「インストーラー」と言うんですが、インストーラーもどんどん増えていて、現在70人ぐらいいます。DXOを自社に導入する際に、サポートして欲しい会社にはサポートもできますので、お問い合わせいただきたいと思います。
でも、まずはとにかく実践をしてほしいです。最初の1歩を踏み出してもらいたい。
乾:ごきげんな組織が増えていくのが私たちの思いですね。
坂東:テキストの郵送希望お問い合わせをお待ちしますので、遠慮無くご連絡ください!
多様な働き方や雇用形態での関わり 管理が少ない、フラットな関係性 well-being、サステナビリティの追求 etc. 最先端の会社のスタイルだと言われるコミュニティーカンパニー。 手放す経営ラボラトリーはそこにチャレンジしていきます。 経営権を手放す決断をしたという、所長の坂東。 事業は諦めたのか?ヤケクソなのか? 本心を語ります。
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また、組織を新しくアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
■経営のアップデートを実践したい経営者のための学び場「手放す経営アカデミア」
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