今回も、学びと気づきに溢れた第5回「手放す経営アカデミア実践勉強会」開催プチレポートをお届けします!
手放す経営アカデミア「実践勉強会」は、月一回オンラインで開催しています。
進化型組織に興味があり、今後自社でもアップデートを実践していきたいと思う経営者が集う場です。
どんなことを行っているかというと・・・
経営の進化を実践している経営者を招いて、知見を得たり、自律分散型組織の第一人者である武井浩三さんのレクチャーがあったり、直接対話をしたりしています。
※手放す経営アカデミア詳細はこちら
今月は、経営をアップデートするプログラム「DXO」を実際に導入された経営者が登場!
Q.なぜ、自律分散型の組織にしたいと思ったのか?
Q.導入してみて、どうなったのか?
など、リアルな話を赤裸々に語っていただき、多くの気づきが得られる会となりました。
今回も、20名を越える経営者の方に全国から参加していただきました。ㅤ
ゲスト:医療法人 八女発心会 姫野病院 理事長 姫野 亜紀裕さん
経歴
2005年3月 北海道大学医学部 卒業
2005年4月 東京都保健医療公社 荏原病院
2007年4月 国立病院機構 京都医療センター 糖尿病内科
2009年11月 聖隷浜松病院 腎臓内科
2011年4月 姫野病院
姫野病院 院長
現在に至る
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トピックス
・なぜ進化型組織への実践を決断したのか
・自律分散化を進めていく中で経営者としての葛藤
・経営者自身が組織の中でありのままでいられるようになったプロセス
・ティール組織っていいな。からの脱皮とは?
・実践する上でスタッフに配慮し、具体的に行ったこととは?
・進化型組織化する中で具体的に行ったこと
・DXOワークショップぶっちゃけどうだった?
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ㅤ今回はこれらのトピックから
・なぜ進化型組織への実践を決断したのか
・実践する上でスタッフに配慮し、具体的に行ったこととは?
・DXOワークショップぶっちゃけどうだった?
の3つを取り上げたいと思います!
Q:医療業界、病院であえて自律分散型組織を目指そうと思った理由は?
武井:医療は一つ一つの仕事の領域の線を引かざるをえない。ここは医師、これは看護師、これは薬剤師・・・国家資格の免許が必要。
とりあえずやってみようということができない難しさがありますよね。
姫野:医療法人、病院業界の中で自律分散を目指そうと思ったのは2016~2017年くらいでした。
リカルドセムラーのTEDをみて衝撃を受けたことがきっかけ。
それで、彼の本である「奇跡の経営」「セムラーイズム」を読みました。
憧れからのスタートでした。
まだまだ、社会的な背景として、自律分散という気配はなかったけれど、法人が大きくなっていく中で経営陣ができることは限られるなという実感を持ってきていました。
当時、さまざまな組織変革のコンサルを入れたことが何回もあったんですが、見事に変わリませんでした。
導入しても、2〜3割くらいしか実になっていない感覚がありました。
それはなぜか?職員は組織ではなく患者さんを見ています。ですから、組織に対するロイヤリティーも大半の人が持っていません。
仕事ができるならどこでもいいや。そんな人がやはり医療業界には多いです。
そこを経営陣だけの思いで組織を変えようというのは困難な業界だな、と感じていました。
そんな中で、国が社会保障費がかさんでいるから介護、医療の単価を安くしていきました。
薄利多売のビジネスみたいになってしまいました。
日本全国の病院の動向をみていても、本来あるべき医療がねじまげられてきていました。
自分自身も隅々まで見ることができなくなる中で、患者さんと向き合う職員一人一人が目になってセンサーのように目配りし、対応していくような状態にしないと立ち行かなくなるんじゃないかなと思っています。
あとは、今までの経験上、自主的にやってうまくいったことって見ていて嬉しい。
なのに、指揮系統があることはその思いを阻害しているように感じていると思うこともありました。
武井:病院のあり方もこれからゆるやかに変わっていくでしょうね。
医療は都市に必要。予防医療の関わりを医者と地域住人ができるようにするにはコミュニティ化していかないといけない。国をあげて変えていかないといけないと思いますね。
【坂東コメント】
姫野さんは2020年4月に理事長に就任されました。「自分がトップに立って決断することが増えたことに比例して、仕事の楽しさややりがいが増えた。医療業界では医師の指示命令で動くことがあたりまえになっているけれど、少しでも看護師などスタッフの意思決定できる余地が増えれば、私のように、よりやりがいを感じられるようになるのではないか?それが自律分散型にしたいと思った一因です。」と話していたのが印象に残っています。
Q:組織改革を実践する上で、スタッフへの配慮など具体的に行ったことは?
配慮したことは、一気にドンガラガッシャンと変えないようにしたことです。
社会的責任のある、人の命をお預かりしている仕事なので、職員が一気に辞めるなどが起こってはいけません。
まずは小さなところ、安全なところから始めました。
ここならいけるか?ここならいいか?
と少しずつ試しながら広げていった。
例えば、制服を自由化したり、部署ごとのホスピタリティ予算や研修予算を申請制で自由に使ってもらうようにしたり・・・そんなところから始めました。
また特権を廃止するという意味で、理事長もスタッフと同じ駐車場に停めるようにしました。(それまでは理事長は入り口に近い固定の駐車場)
それから理事長室をなくして、他のスタッフがたくさんいる部屋の一角に席を置いたり・・・。
そいういった細かいところから始めていきました。
フラットな組織にする上で、管理職がいない部署を作るときにも、「自然」を心がけました。
病院の管理職は何でもかんでもそこに集まってパンクしているような人が多いから、それをまた繰り返さないように一つ一つの管理業務をみんなで分かち合うようなやり方を模索しながら、一つ一つやってみて、どんな影響が出るのかを検証しながらハレーションが起こらないように配慮しました。
【坂東コメント】
経営トップとして組織改革への強い想いがありながらも、トップダウンで進めるのではなく、スタッフの気持ちを大切にしたいという姫野さんの姿勢。そして「10年くらいの計画で考えています」といった話に参加者は驚き「神ですか?」というコメントも出ていました(笑)
Q:DXO、ぶっちゃけどうでした?
これまで何度も一般的なコンサルタントからのワークショップを受けてきました。
それにはすごく「圧」を感じていました。
確かに、経営者が言いにくいことを言ってくれるという側面もありますが、強く変革を迫るような「在り方」に戸惑いも感じていました。
しかし、DXOのワークショップはこれまでとは全く違う印象を持ちました。
フランクで独特の雰囲気。何も迫ってきません。
無理に引っ張ったり押したりもしない。ただ自然に「待つ」という感じを見せながらも、それでいて時間通りにコトが進んでいきました。純粋にすごいと思いました。
「言葉を作る」のワークでも私たちの思いを汲み取ってくれてアジャストしながら進めてくれました。ワークショップの場自体が安心安全で、参加している職員も少しずつありのままの姿を出していくことができたように感じます。
その場自体が幸せな空気感で進んでいったのがありがたかったです。
ただ、「助言プロセスの導入」は今の組織には少しハードルが高いように感じています。
まだ芽が出たばかりなので、焦らず大切に育てていきたいと思っています。
【坂東コメント】
「いままでのコンサルタントとは違い、圧もないし自然体」「安心安全の場」という感想は私たちが大切にしていることなのでとても嬉しい!導入に関わったインストーラーも感激していました。
実践勉強会、参加者の声
・初めてDXOのお客様の生の声を聞いて、DXOのリアルを体感することができました
・職員数800名という医療法人でもトップのマインドが動けば変われるんだ!と思えました。
・DXOは夢物語ではなく実際の現場でトップが自らの在り方を見直して、試行錯誤・葛藤しながら、でもこの道に確信をもって少しずつ進めていくものなんだと感じました。
・まったく圧のない大改革。変えようとするのではなく、変わってしまう。
目指すけど目指さない、大切なことを大切にしていったら、目指していたものになっている
そんな在り方が心に残りました。
ご案内
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アカデミア会員の方であればアーカイブ動画を観ることができますので
「3名以上の組織の経営者」の方はぜひお気軽に「手放す経営アカデミア」にご入会(無料)ください。
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次回の実践勉強会は6月17日(木)20:00〜21:30です。
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書籍「ティール組織」が出た2018年の秋から
組織を進化型組織のスタイルに変容させて以来、
社員もご自身も幸福度が増しているHOLIS株式会社代表の片桐拓也さん
にお越しいただき、その実践などについて詳しく伺います。
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「3名以上の組織の経営者」の方はぜひご参加くださいませ。
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詳細及びお申し込みはこちらから。
(すでにアカデミアの方はお申し込みする必要はありません)ㅤ