ゲスト紹介
ゲスト:川原卓巳(かわはら・たくみ)KonMariMedia,IncFounderandCEO/Producer
1984年広島県生口島生まれ。大学卒業後、人材教育系の会社に入社し、のべ5000人以上のビジネスパーソンのキャリアコンサルティングや、企業向けのビジネス構築・人材戦略を行う。近藤麻理恵とは学生時代からの友人であり、2013年以降は公私共にパートナーとして、彼女のマネジメントとこんまりメソッドの世界展開のプロデュースを務める。2016年アメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドの両方に拠点を置きながら、KonMariのブランド構築とマーケティングを実施。日本のコンテンツの海外展開なども手がける。2019年に公開されたNetflixオリジナルTVシリーズ「TidyingUpwithMarieKondo」のエグゼクティブプロデューサーでもある。同番組はエミー賞2部門ノミネートされた。
著書:Be Yourself 自分らしく輝いて人生を変える教科書
スピーカー 武井浩三
ダイヤモンドメディア株式会社創業者、(一社)自然経営研究会 発起人/代表理事、(一社)不動産テック協会 発起人/代表理事、ホワイト企業大賞 企画委員会 委員 手放す経営ラボラトリーCPO
2007年にダイヤモンドメディアを創業。
経営の透明性を徹底的にシステム化した独自の企業文化は、「管理しない」マネジメント手法を用いた次世代型企業として注目を集めた。現在は、創業した会社を自ら手放し、ティール組織・ホラクラシー経営等、自律分散型経営の日本における第一人者としてメディアへの寄稿・講演・組織支援など多岐に渡る活動を行う。2019年10月手放す経営ラボラトリーにCPOとしてジョイン。
著書
『社長も投票で決める会社をやってみた。』(WAVE出版)
『管理なしで組織を育てる』(大和書房)
『自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織」』(内外出版社)
スピーカー 石野慧太
手放す経営ラボラトリー研究員
組織変容の伴走者
会社員を手放した翌月に、立ち上がった手放す経営ラボオンラインコミュニティを通じて所長と出会う。研究員、インストーラーとして縦横無尽に活動中。
2021年3月9日19:30-【手放すトークライブ#17】『個人と組織が輝きを取りもどすために、手放すこと』をテーマにトークライブを開催しました。参加者100名以上の
トークライブとなり、大盛り上がりだったトークライブの一コマをお届けします♪
ここまでのお話の中で、ゲストの川原卓巳さんから、自身の失敗経験や、苦い思い出をたくさん語っていただきました。そこからの展開をどうぞ!!
石野:たっくん(石野は川原さんと学生時代からの友人で、今回川原さんのことを「たっくん」と呼んでいます)にこれまでを振り返ってもらって、痛みや苦しみの共有をしてもらったんだけど、どこのボタンを掛け違ってそんな苦しい状況になったのか?とか、今だから分かることはある?
川原:むちゃくちゃあるんだけど、1つだけ過去の自分に言ってあげるなら、「何かやるときには、そこに適切な人を見つけられてからじゃないと、アクセル踏んじゃダメ」ってこと。
武井:あ〜・・・分かる。
川原:当時、ビジネスプランやアイディアに、「いいね!」と言ってくれる投資家の人や、他にもいろんな要素が集まってたんだけど、一番大事な、それを具体的にできる人が不在のままアクセル踏んだんだよね。
進めていくうちに見つかるだろう、という甘い読みだったのよ。
やっぱり人だよな〜と、今も深く肝に銘じてる。
今は人の成長や出会った縁のサイズに合わせてアクセルを踏んでいるからそういうことは起きない。
武井:全く同じだわ。資本主義って金を集めて人すらも金で集めるっていう考え方だけど、そうじゃないんだよね。人って縁とタイミング。それと、思いに共感するってのも大事。それは必ずしも自分のガントチャートで引いたスケジュール通りに進むとは限らない。ガントチャートよりも人とのご縁のタイミングを待つほうが自然だよね。
川原:だから経営って不自然を手放すことなんでしょうね。
武井:自然経営じゃないですか。(笑)
川原:本当そうなんですよ。
注意深く見ないと、何が自然で不自然なのかは分からない。
日本って先進国の中で生産性が低いとか、幸福度が低いって言われてるけど、これって絶対的に不自然じゃん。
自分に命が与えられていて、本来誰かの役に立てる存在であるにも関わらず、それが全く活かされない人がたくさんいる。
役に立てているという心の報酬が得られてなくて、金銭的な報酬だけ。
生きる為に我慢を強いられていて…。
おかしいでしょ?なぜ誰も声をあげないんだろう。
我慢が美徳と言われることもあって、それを「逃げ」だと…。
どうしてだろう?僕は逃げてでも幸せになってほしいと思う。
僕の本って結構な分量「逃げろ」って言ってるんだよね。
石野:「逃げる」というのは、場所や環境を変えろってことだよね。
川原:そうそう。逃げるのは絶対に悪いことじゃない。
なぜなら「その場に居たくない」という信号を自分自身が感じているならば、それは正しい。
自分に対する甘えがあるかもしれない。だけど、それ以上に自分が活かされていないことを受け入れない方が人生で損だと思っていて。
逃げるなら逃げ切れと。
逃げて逃げてこれ以上逃げたくないという所まできたら人は逃げないんですよ。
武井:おもしろい。
川原:感じているなら動けよって。自分を殺すなって。
武井:学校教育もサラリーマンもひたすら戦ってるよね。
お客様を敵と見立てて、受注を敵を倒すみたいなメタファーで語られることもあるし、そのうち仲間もライバルになっちゃうし、世知辛いよね。
石野:たっくんが、自分を感じるってが言ったじゃない?
自分を感じるセンスは大事だと思うんだけど、その辺の感覚はどう育てていったのかを聞きたいなと思って。
川原:幼少期に育ててもらう感覚を育てる経験をたくさんできたと思っていて。
うちのじいちゃんが漁師で、もう片方のおじいちゃんがみかん農家で、まさに自然の中で育っていたんだよね。
いろんなものを感じたり嗅いだり、それこそ岩場の牡蠣でかかとを切って出血多量で死にそうになったり。なのに、ひいじいちゃんがよもぎ塗っとけば治るってよもぎを塗ってくれたり。笑
そのぐらい田舎で育ったから、感性自体はその辺りで育まれていたと思うの。
そこから学校教育や社会人経験を経る中で、本来あるものを使わなくなっていったというのが現実なんだよね。
なので僕の感覚としては、それぞれみなさん感覚は持ってるはず。
感覚は育まれているけれど、それを信じる経験とかそこで考える経験をする機会が少ない。
なんとなく違和感があるんだけど、頭で考えたらこっちの方がいいよなとか。
例えば言葉で言うと、「潰しが効く」とか。そんな風に感覚を使っていないだけ。
なので自分が自分らしくいられないものや不快感を覚えるものを手放していくことを本の中でも伝えたつもり。 それを続けていくと、結果的に残ったものが自分らしさってこと。
ある基準を超えてくると「この感じか〜」って分かってくるんだよね。
一番手っ取り早く取り組められるのが、片付けだなって奥さんへの忖度含め本当に思ってる。(笑)
多分、武井さんとすごく似ていて、かつ共感する部分で言うと、足りないものはないはずなんですよ。
それぞれ自分で生きて行く為に必要なものは持っている。持っているのに、それを遮ってるものがあるから、それらをひとつひとつ手放して、本来の自分が生きやすい状態を作ってあげる。
これを組織経営の中で、仕組み化する。そしたら勝手によくなるがね。
なぜならそれが自然だから。これが自然経営って思ってるんですよね。
石野:本の中でも最初に勇気を出して手放したのは会社員生活だったってあったじゃない?
新入社員の頃から自分の軸と外れてたり、違和感を感じてたってことなのかな?
川原:その時は結果が出ない自分を、こんなはずじゃないって認めたくなかったのもある。
でも、これは実力が足りないからだって。それは事実だったけど、違和感も感じていた。
波風立っちゃうんだけど、思ってるから言っちゃうと…
前職は人材教育会社でコンサルタントをしていて、営業教育を得意にしていたんだけど…
今たどり着いている答えは、営業が必要なものを販売したらダメということ。
究極、営業がなくなる状態に近づくように商品設計や会社の仕組み、マーケティング・ブランディング等々含め、お客さんが良かったよって広めていただける状態にする方がいいと思うんだけど…。
営業教育をしていると、そこの違和感が強くあった。だから今、僕の会社は営業がゼロの仕組みになってる。そうしたかったから。
それはできたなと思っていて、やっぱり正しかった。
時代もあると思うんだけどね。
武井:そうだね。インターネットが広がってからね。
手放す経営ラボの仕組みもそうだもんね。今、俺がやってる会社ってほぼコニュニティ化してるんだよね。
なぜそれをしてるかって営業が好きじゃない。営業については勉強もしたし、やってやれないことはないけど…辛いというか。
営業マン雇って、ロープレして、トークスクリプト作ってって…。なんなんだろこれ、面白くない。
川原:不自然じゃん。似たような人作って、その人らしさがなくなって…その人が会話してる時間がその人らしさがない状態になるって変なんだよね。
・・・
2人でこれしゃべるって結構とがってるけど、まーいいか。(笑)
ダイジェスト後編に続く!