2020年、お送りしていたオンラインセミナー「日本版ティール的組織のつくりかた」セミナーリターンズを開催中です。
去年大好評を博したこちらのセミナー。開催は去年に続き2回目ですが、参加人数は去年を上回る人気セミナーとなっております。
お申し込み総数は全4回のべ1200名を超えています!!
今回は、見逃した方も大丈夫!「日本版ティール的組織の作り方セミナー」前半のまとめをお送りします。
チェックして3回目にご参加ください♪
前半のトピックス
- 進化型組織で実現できる世界観
- 組織は実態がない共同幻想
- 組織の進化が求められる社会的背景
- 組織づくりが成功するステップとは?
- 進化した組織の「OS(基本的な考え方)」について
- コントロール願望が、組織の変容を阻害する。
- 組織の3つの資本
1) 進化型組織で実現できる世界観
■組織は生命体
経営をよくするための要素は無数にありますし、
不具合が表面化した一部分だけ改善しても根本的にはよくならない。
組織は生命体です。
例えば、人間の体も親指を怪我したことがきっかけでその影響で腰が痛くなる。こんなことはよくある話。その時、腰の痛みを軽減するために腰のマッサージに行く。一時的には効果があっても根本的な解決にはならない。人の体は全てがつながっていて、きっかけは親指だった。
組織も同じことが言えそうです。
組織に痛みが出ているところ一つ一つをどうにかしようとしてもキリがない。
複雑に絡み合っているものを一個ずつやっていくのは無理。
でも、それら全てが整っていくような状態は作れる。その大きなテーマが
「透明性」
「開放性」
「流動性」の3つ。
それらを、組織にどう落とし込んでいくのか?これを具体的にまとめたプログラム。それがDXOなのです。
【ばんどうコメント】
「組織は生命体」とか「透明性、開放性、流動性」って、ちょっとよくわからないですよね・・・汗。
実際にテキストに書かれているワークショップはわかりやすくなっています。
プログラムの背景には、かなりの世界観と理論体系がありそうだ、と、捉えておいていただけるといいかと!
2) 組織は実態がない共同幻想
私たちは●●会社の一員だよね!
という共同幻想で組織は成り立っている。
この共通認識をどう揃えていくのかがポイントで、その共通認識は、「言葉」「形(役割、部署など)」「数字(KPI)」で構成される。
「言葉」「形」「数字」を整え、「場」と「運用」の5つのフェーズで進化型組織は構成されていく。
【ばんどうコメント】
「組織って、実態がない」個人的にもっともグッときたキーワードです。
組織って、何?と聞かれた時に、それはオフィスでもないし、部署でもないし「人の集まり」としかいえない。曖昧としたものだから、難しく感じるのだと思います。
このテキストでは「組織とはこれですよ」と明確に整理しています。
それがわかると、社員同士で「うちの組織はさあ」と語れるようになります。これは面白いですよ!
3) 組織の進化が求められる社会的背景
生物の進化は、外的環境が変わったからこそ起こったもので、内側から勝手に進化するものではない。
組織も同じ。
人口が増えている場所であればこれまでの組織形態でも問題がない。
進化型組織である必要はない。
ただ、以下3つの要素があるエリアでは、変化が迫られている。
・人口が頭打ちになっているエリア
・国土が限られていて経済成長を開拓する余地がないエリア
・インターネットが社会インフラとして根付いているエリア
【ばんどうコメント】
組織の進化は、これから先進国に共通して必要とされるテーマです。
人口はどんどん減っていく。若者も足りなくなる。マーケットも縮んでいく。
なのに、会社は人を増やして、規模を拡大し続けていかなければならない。
これって矛盾してない?
ということなんです。
人口がどんどん増えて経済発展が見込める国では、さしあたって課題がないので、いままでのピラミッド型の組織で問題ないんですよね。
4)組織づくりが成功するステップとは?
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した組織に成功をもたらす基本的な考え方
「成功循環モデル」に関する洞察。
4つの質とは
①関係の質
②思考の質
③行動の質
④結果の質
④の結果にばかりこだわると、①関係性が悪くなり、結果も出なくなってしまう。
逆に、①関係性にこだわることで、結果的に④の結果につながる。
なぜか?組織は“実態がない共同幻想”だから。
組織は、人間関係や、その人が会社のメンバーの一員だと思っているかどうかでしかない。
つまり「組織は人間関係でできている」と言ってもよい。
DXO(ディクソー)は、ハード面(組織の外側や仕組み)を整えていくプログラム。
人間関係は情報でつながっているので、どんな情報を、どう流通させるかが極めて大事になる。
情報の流れをデザインし、人間関係がよりよくなる環境づくりをするのが、DXO(ディクソー)プログラムの特徴なのです。
【ばんどうコメント】
この図はシンプルだし、当然のこと言っているように感じられますが、とても重要です。
私たちのチームでも実感した例を挙げますね。
マーケティングがテーマのミーティングでの話。いままでは結果の共有から会議をスタートしていました。
すると、数値目標の達成度が低い場合、なんだか他責になったり、舌鋒鋭くなったり、ギスギスしていました。
上記のモデルでいうと、④からスタートしていた訳です。
この状態を改善したくて、ミーティングを①からスタートするように変えました。
具体的には、冒頭で「私たちの事業のありたい姿の確認」や「マーケティングで実現したいことの確認」をしたり、仕事には直接関係ない話も含めて各々の近況や心境を共有してから本題に入るようにしました。
そうすると、同じ内容でも建設的な議論ができるようになったんです!
組織は、人間関係が全て。
だからDXOは「結果を出すためのプログラム」ではなく、「関係性がよりよく築けるようになるための」プログラムであり、関係性がよくなることを通じて結果も出やすくなる、と考えているのです。
5)進化した組織の「OS(基本的な考え方)」について
下記の項目についていくつかとりあげて、解説していきました。
6)コントロール願望が、組織の変容を阻害する。
指示命令された状態では、人は決してフロー状態(完全にのめり込んでいる状態)に入らない。だからもし、社員の主体性を高めたいなら、社員に命令したり、コントロールしたりすることを手放す必要がある。
【ばんどうコメント】
これは・・・難易度が高いですよね!
経営者やリーダーは、コントロールする権限を持っていることが大前提です。
でも自分に置き換えてみるとたしかに、誰かに命令されて仕事はしたくない・・・。
コントロールを手放して、どう組織を成り立たせていくのか?
これは単なる手法にとどまらず、根本的な考え方(経営哲学といってもよい)の問題なのです。
7) 組織の3つの資本
■経済的関係資本(エコノミックキャピタル)
■人間関係資本(ヒューマンファンダメンタルキャピタル)
■社会関係資本(ソーシャルキャピタル)
どれかを優先させると、シーソーゲームのように他の資本が毀損される。
どうしたら短期的にお金を増やせるか?を追求すると、環境破壊と人権毀損につながる。
たとえばブラック企業は、エコノミックキャピタルをどう最大化させるか?に特化している。
だから人がボロ雑巾のように使われていく。
会社が、というよりオーナー経営者のエコノミックキャピタルを最大化させることが目的である場合が多い。
【ばんどうコメント】
企業の目的は利潤の追求。という名の下に、経済的関係資本(エコノミックキャピタル)の追求に偏っている企業は多くみられます。
その場合、家庭を犠牲にしてハードワークした方が、売り上げが伸びるので「仕事第一!」という社風になるわけです。
それがダメだ、と言いたい訳ではありません。
そうした企業で仕事を続けられる人はどんどん減っていきます。
エコノミックキャピタル以外の2つの資本も大切にしていくことで、バランスがとれていく。
そうした人生を送りたいという人が若者を中心に増えています。
3つの資本が循環していく組織づくり。
それが、DXOをインストールすると、自然とできるようになるのです。