2017年7月から進化型組織の実践をはじめた株式会社ブレスカンパニー。
ラボの裏側では、進化型組織を実践する過程で何を思い、何が起こったのか?社員目線で赤裸々に報告します。
あけましておめでとうございます。2021年が始まりました。
進化型組織を実践中の手放すラボチームの新年一発目のミーティングは月次の振り返りから始まりました。
今回は、月に一度の振り返りにおけるフィードバックの方法をアップデートした話。
アップデートしたら、かなり良い感じだったので「ラボの裏側」でシェアしたいと思います。
組織づくりのヒントとなれば幸いです。
2020年までの業務振り返り&フィードバック方法
1、タイムログ(時間の記録)をとる
私たちは仕事の内容と時間を全てタイムログしています。
toggleというタイムトラッキングサービスを使っています。
仕事を始めるときに、今から何をするかを明確にしてからスタートボタンを押すので、スイッチが入りやすくなる。というメリットもあります。
自分がなんの仕事にどれだけの時間をかけたのか、それが適正だったのか?少なかったのか?これらを、週次で振り返りつつ、月次でさらに深めています。
レポートはクリック一つでデータとしてきっちり出力されるので、振り返りもめちゃくちゃ楽なんです♪
上の円グラフが大項目(マーケティング、プロダクト、コーポレート、オペレーション、経営)の5項目の割合が出ています。
私はピンク=マーケティングがほとんどを占めていますね。
それと、社内コミュニケーションや振り返りの時間などの緑=コーポレートが4分の1を占めています。
下のグラフはもう少し細かいタスクベース。最も時間をかけた仕事から順にずらっと並んでいます。
※この辺の仕事の振り分けなどはDXOのワークショップでも実践します。
2、まずは自分で振り返る
1のレポートで分析しながら、「できたこと」「できなかったこと」「所感と来月の方針」について振り返りをします。
月初のことをすでに忘れていたりするので、このログは大変助かっていますよ。
3、メンバーにシェアし、フィードバックをもらう
振り返った結果をメンバーにシェアします。
私「こんな感じでした〜」
所長「じゃ、感謝のフィードバックをしましょう!」
みんな「??感謝の?フィードバック?」
いつの頃だったか、所長から「フィードバックは“感謝”を念頭にその人の仕事ぶりについてフィードバックをしましょう。」
という提案があり、「感謝のフィードバック」なるものを実施していました。
実は私、それが・・・なんか盛り上がらないまま続いている感じがしていました。
なんなんだろう。この気まずい感じ・・・。
その正体が分からぬまま私は年を越してしまいました。
そして、その原因がこの本を読んで分かりました!!
年末年始に読んだこちらの本が大いに参考になったのです。
NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX (日本経済新聞出版)
この本は、Netflixが具体的に行ってきた組織づくりの施策や考え方をこれまでの変遷とともに記しています。
この本の中でフィードバックに関する記載がありました。
その部分を読んで、私が感じていた「気まずさ」の正体が分かり、また「盛り上がらなさ」を打破できるかもしれないヒントをもらったのです。
だから私は、次の月次ミーティングではフィードバックをアップデートしたい!と思っていました。
ついに先日その時が訪れました。
所長が「じゃ、感謝のフィードバックをしましょう!」と声を発したタイミングで・・・
「これってなんでこんなに盛り上がらないんでしょうか?」と声をあげたわけです。
気まずさの正体
そもそも前提として手放すラボの組織文化の中に「ありがとう」を伝え合う文化があるんです。
リアルタイムで、「ありがとう」を言い合っているんです。それにもかかわらず、月次のタイミングでまた絞り出すように「ありがとう」ポイントを見つけるのがなんだかなぁ。ということ。
そして、「感謝のフィードバックをしましょう!」の掛け声の後、間髪入れずに誰かが「あの時のあれっ!」って発してくれたら良いのですが、2秒ぐらい間があっただけでもう傷つくんですよね。笑
「あ、ないんだ・・・」って。「あ、絞り出して考えてもらってしまってる。」「なんか・・・悪いな・・・」って。
さらに、「え?あの時のあれは感謝してもらえないんだ」とかって、こういったケースもあるようで。笑
みんな、繊細!!!
これが気まずさの正体でした。
盛り上がらなさの正体
こちらは本からヒントをいただきました。
人は率直さを嫌う(でも本心では求めている)
コンサルティング会社のゼンガー・フォークマンが2014年に実施した研究では、1000人近い回答者からフィードバックに関するデータを集めた。その結果、褒め言葉には気分を良くする効果はあるものの、修正的フィードバックのほうが自らのパフォーマンス向上に効果があると考える人のほうが、肯定的フィードバックのほうが効果的だと答えた人より3倍多かった。大多数の人が肯定的フィードバックは成果を高めるのにたいした効果はないと考えていた。 この研究からは興味深いデータが他にも得られている。
・ 回答者の57%が、肯定的フィードバックより修正的フィードバックを受け取りたい、と答えた。
・ 72%がもっと修正的フィードバックをもらえれば、自分の能力が高まると感じていた。
・ 92%が「否定的フィードバックは適切な方法で伝えられれば、パフォーマンス向上につながる」という意見に同意した。
盛り上がらない理由は、肯定的なフィードバックに「効果がない」と直感的に分かっていたからなんです。
確かに褒められるのは嬉しいけど、それが自分の成長につながるかというと「?」ネガティブフィードバックは耳は痛いけど、自分の成長にはつながる。
メンバーの一人がこんなことを言っていました。
「私は、人にダメ出しするのが苦手。だからこそ、ダメ出ししてくれる人の大変さも分かる。嫌われるかもしれないリスクを冒してでも私にちゃんと伝えてくれる。だからありがたいし、褒めるだけの人よりも信頼できる。」
と。
確かに・・・
でも、耳が痛いことを聞きたくない人がほとんどだと思うので、彼女は常にこのスタンスでいられることがすごいな〜って思います。
2021年アップデートしたフィードバックをご紹介!
これらを全て話し、手放すラボのフィードバックはNetflix式を取り入れることになりました。
フィードバックにはする側と、される側のガイドラインがあります。
このガイドラインがあるのが、取り入れやすいポイントでした!
フィードバックのガイドライン4A
【フィードバックを与える側】
1相手を助けようという気持ちで
自分のイライラを吐き出すため、意図的に相手を傷つけるため、自分の立場を強くするためにフィードバックをすることは許されない
2行動変化を流す
フィードバックはそれを受けた相手が行動をどう変えるべきかにフォーカスすべきだ。
【フィードバックを受ける側】
3感謝する
批判されると、誰だって自己弁護や言い訳をしたくなる。この自然な反応に抗い、自問しよう。
「このフィードバックに感謝を示し、真摯に耳を傾け、囚われない心で相手のメッセージを検討し、自己弁護をしたり腹を立てたりしないためにはどうふるまったらいいのか」と。
4取捨選択
フィードバック全てに耳を傾け、検討しなければならない。しかし常にそれに従う必要はない。心から「ありがとう」と言ったら、受け入れるかどうかは本人次第だ。
(一部抜粋)
最後の「取捨選択」が、私は気に入りました。
全てを受け入れる必要もない。受け入れるか否かは自分次第。
これがティール組織の助言プロセスの仕組みと似ているな〜と感じました。
実践してみた感想
ちなみにフィードバックの「テーマ」もNetflix式を取り入れました。
全体的なフィードバックではなく、「スタート(始めること)」「ストップ(やめること)」「コンテニュー(継続すること)」
この3つをテーマにフィードバックをしていきます。
このテーマがあると、めちゃくちゃ考えやすくなります。
「今、こんな目的があるからこれを始めたら良いんじゃないか?」
「これは、みんな苦労しているからやめてほしい」
「これはすごく良いところだと思うし、効果も出ているから継続してほしい」
こんな感じでざっくばらんと言い合うことができました。
他のメンバーが言ってる内容に乗っかったり、そこから派生したりとわいわい盛り上がり、軌道修正すべき点と、他のメンバーがこんなふうに思っているんだね。ということが率直に知ることができてとてもよかったです。
ちなみにこんなフィードバックがありました。
・スタート
「デザインの質をあげていくためにデザイナーさんからのアドバイスをもらうことを始めてみては?」
・ストップ
「Slackを読み飛ばすのをやめて」
「お伺いを立てる件数を減らしていこう」
「事務処理が滞るのをやめて」
・コンテニュー
「すぐ取り掛かる、スピード感は止めないで突き進んでほしい」
などなど。活発に意見が出てきてびっくり!
1回目から出来過ぎなんじゃないか?
というくらい盛り上がりました!!
皆さんの会社で組織づくりのヒントになりましたでしょうか!?