後編:★サプライズあり★ チームとコミュニティの違いとは? チームとコミュニティの違いを分かりやすく解説します! 突如サプライズゲストも登場で大盛り上がりとなりました!
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後編①の続き・・・
仲山:こんにちは!今の流れからネタを持って来たんですけど。画面共有します。こんな絵を書いてみました。これについておしゃべりをしたいなと思います。
武井:まさにレイヤー化してる。
仲山:今の話ってまさにこういう事だと思うんですけど。
倉貫:僕らの会社をプラットフォームだと言ってるんですよね。最近ホラクラシー ともヒエラルキーとも言ってなくて、プラットフォームだと言ってます。僕らの会社は、社員が住みよい会社を作るプラットフォームの役割。一番下にあるプラットフォームがある会社ということですよね。
仲山:僕の場合は楽天市場がプラットフォームだったんですよね。その上に出店している会社が何万社とあって、その中で横の繋がりができて、出店者コミュニティと呼べる関係性の中に入っていく人と、まだ横の繋がりがなくて孤立というか、1人で頑張っている人と分かれているんですよね。
僕がやってきた事は、コミュニティの中に入る人を増やしつつ、コミュニティの繋がりを複雑化したり、繋がりの数を増やす事をやってきた。
そうするとその中から、こんな事をやろう!と思いついた時にグループが生まれて、そのグループが試行錯誤を経ていく。
チームビルディング的には、ストーミングを超えるとチームっぽくなっていって、何かを成し遂げて、解散をする。チームに慣れた人は解散をすると信頼関係、心の繋がりがある状態で解散するので、コニュニティと呼べる状態に戻って行き、グループの状態で解散すると、トランスフォーメーションする前に解散しているので、バラバラに戻るだけなので、図で言うと左側いくだけですね。そんな意味合いです。
坂東:グループというのは、チームに比べて明確なミッションが共有されていない集まりという感じなんですか?
仲山:例えば、誰かが決めた仕事を言われた所だけそれぞれがバラバラにやっているみたいな。お互いのガチャガチャした凸凹のすり合わせはない。
坂東:そういう意味では、会社でもチームではなくてグループの会社は多いですね。だから業務でしか繋がってない。孤立感がある。
仲山:そうすると、グループで働いている人たちはしばらくすると、SNSで孤独だと呟き始める。そんな感じですよね。寂しいって。
坂東:これめちゃくちゃ分かりやすいですね。
仲山:このプラットフォームを国や会社やfacebookなど、どこに当てはめるのかというのが今日の話だなと思って聞いていました。
倉貫:採用する時も、入社前に1回チームになるような仕事をしてみてうまくいったらチームになるので、チームになった後は入社しやすい。コミュニティに入りやすい。図で言うと、解散して右側に行って入社するという感じですね。
仲山:それがこの右側のプラットフォーム外でグループを一緒に組むという所です。
倉貫:そういう感じで外とはグループやチームで繋がっていく所が流動性が高いなと思います。
仲山:あとDXの話出ていたじゃないですか。僕この前知り合いから、地方の中小企業の経営者向けに大げさすぎないレベルでDXやIT戦略を話せる講師知らない?という連絡が来て、それ僕得意かもしれませんって。楽天出店している人って、最初はほぼみんなアナログ商売の所からネットショップ始めて、やってるうちに実店舗にお客さんが遊びにくるようになって、実店舗のお客さんがネットで買うようになったりとか混ざってきて、そのうちファンベースがでかくなってくるとロットの壁を超えられるようになってオリジナル商品が作れるようになってみたいな。あとはオンラインのコミュニティみたいなのでお客さんが集まりやすくなったりとか、そんな事が起こっていってまさにDX。
倉貫:商売をEC化。デジタル化したらECになったという事ですよね。
仲山:単純に通販で買えますって言うのって、ただのデジタル化じゃないですか。トランスフォーメーションとは言えないので。だからやっぱり楽天に出店している人たちのトランスフォーメーションを見て思うのは、アナログなDXというのが行き着く形のヴィジョンだなと。要はネットショプ始めた店長さんって、はまり始めると仲山くんこれめちゃくちゃ楽しいなって言い出して、俺、実店舗で店番20年やってるけど、お客様からありがとうと言われた事1回もないのに、ネットだと毎日のように言われるって。そういうリアルでは起こらない事が起こるのがトランスフォーメーションだと思うんですよね。ソニックガーデンもそうですけど、IT化によってオフィスがデジタル化すると、使っているうちにアナログコミュニケーションがうまくいく仕組みがどんどんできてくるわけじゃないですか。それでアナログなオフォスよりも便利な状態になっていく。
そういえば倉貫さん最近、いろんな場所で仕事されていますよね?
倉貫:最近ワーケーションという形でいろんな所にいるんですよ。
仲山:そういう事が起きるのがオフォスのDXで、アナログコミュニケーションが進化しているよなって思うんですよね。
坂東:それってこれからの会社にとってテーマだと思うんですよね。リモートワーク化するとチームづくりが難しくなるという悩みが出て来ているじゃないですか。どうやってトランスフォーメーションしていくかですよね。倉貫さんのおすすめの方法は?
倉貫:「デジタルだけどアナログ」がキーワードだと思っていて、本質は人間対人間。人間とのコミュニケーションをどう上手くやっていけばいいですかと聞かれた時に、デジタルもオフォスでも変わらないんじゃないかと思っています。信頼関係を築くためには、一緒に仕事するしかないねとか、約束ちょっとずつ守るしかないねとか、一気に話すよりちょっとずつ毎朝挨拶した方がいいねとか。すごいアナログな事なんですけど、手段はテクノロジーを使っている。中身はアナログで大事だった事をやるしかないのかなっていう感じはします。
坂東:確かに信頼関係どう築くか、コミュニケーションをどう取るかって事ですよね。
武井:そこですよ。僕は人間関係を研究しているので、人間社会は全て人間関係でできているので、関係性のマネジメントに尽きるなと思います。人間関係の間に流通する情報の量と質と頻度が多ければ多いほど関係性が深く太くなりやすい。シナプスみたいなものかなと思います。
坂東:どうやっていいチーム作って、一体感を作るのかというのはそういう問いになると抽象的になるんですね。
武井:僕は名前が浩三なだけに、いろんな物事を構造的に捉える癖があるので。
仲山:武井だけに多形にね。
武井:信頼関係とか当事者意識とか共感性とかがどうしたら生まれやすいかはプロセスデザインできちゃう部分がある。街づくりやNPOをやってみて思うのですが、お祭りやってるNPOだと、お祭りというイベントの連帯感を強める効果や効能が半端じゃない。やっぱり一緒に何かを作るってものすごい共同体験なんですよね。共同体験を通じて一体感とか、昔の言葉で言うと戦友みたいな感覚になることができる。
仲山:僕がチームビルディングの話をする時に4つのステージでチームになりますと説明するんだけど、チームビルディング講座に来た佐賀県の唐津にあるお店の方がいて、その人が4つのステージを見た時に、「唐津くんち」という祭りがあってそれでやっていることと同じですって。
1年かけてトランスフォーミングする所までいく、と。それで祭りが終わったらまた新しく集まって、酒飲みながら今年はどうするのかって延々として、途中で胸ぐら掴み合うぐらいの喧嘩とかもしながら、本音のすり合わせができるようになっていく。これを毎年繰り返していると。それが結局コミュニティを耕すことになるんですよね。
武井:そうそう。いきなり場を作って、これはコミュニティなので仲良くなってね、と言われても、仲良くならないよという話。
やっぱり究極は飲みにケーション。時間軸が伴う共同体験を一緒にすることによって生まれるので、時間軸がキーワード。その中で意味を見出していく。
倉貫さんや学長と時々でご一緒することがあって、勝手に仲間感芽生えちゃってますもんね。意味は時間軸の中にしか存在しないので、時間軸を言い換えると文脈。どうやってこの文脈を紡いでいくのか。長く紡がれた文脈が文化と呼ぶわけだし。つまり文化は時間軸の中にしか存在しない。今の経営は時間軸を無視してできるだけ短く何でも達成しようとするので、文化が育まれるわけがないんですよね。
坂東:唐津くんちと同じように博多でも毎年7月に開催される祇園山笠があるんですが、8月の1年前から毎週飲んでるんですよ。最初、本当に意味が分からなくて。だけどその中でコンテクストが出来上がり、意味が生まれ、胸ぐら掴み合ったり大げんかしながら育まれていくんですよね。それが780年ぐらい続いてるんですよね。文化という形で。
倉貫:その唐津くんちや博多祇園山笠が僕らのやってる納品のない受託開発なんですよね。毎週毎週お客様と打ち合わせをして作っていくので。それってまさしく納品のない受託開発だなと。
坂東:唐津くんちスタイルだったんですね!
倉貫:一気に要件を聞くのではなくて、少しずつ少しずつ打ち合わせをして作っていくのが大事だなと。
仲山:今の話をさっきの図に当てはめて考えてみると、同じ地域に住んでいるって同じコミュニティと呼ばれがちですけど、あれは多分プラットフォームで、横の人の繋がりがある状態がコミュニティだと思うんです。お祭りはチームにならなければ実現できないアクティビティで、これを毎年1回やることで解散した後にコミュニティが生まれて耕されるイベントなんですよね。そうしないと孤立状態がずっと続くだけ。
武井:東京って23区だけで一千万人いるのに、あんまり繋がってないですけどね。もちろん繋がりの強い街は局所的にありますけど、基本的に今の街づくりや不動産開発はそういうのを無視して箱だけポコポコつくって作ったらおしまい。開発した業者はいなくなってしまうので、まさに納品して終わりなんですよね。もしかしたら建設業界も変わるべきなのかもしれませんね。それでも倉貫さんの今までの話をメタファに建設業界やハウスメーカーを考え直したらめっちゃ面白くないですか?
倉貫:あらゆるものがサブスクリプションとかソフトウエア化していって改善していくことが大事になっていく。IT業界もこんな風になっていけばいいなと思いますね。僕らが目指している本当のパートナーシップは、ビジネスをやる時にお客様だと思っているんですが、関係性としてはパートナーになりたいと思ってやっています。パートナーだとお客様と私たちと対自しがちなんですが、問題と私たちという風に、向き合うべきは問題や課題で、お客様VS私ではなく、問題VS私たちにしよう。
それこそがパートナーシップだし、チームだし、これって商売だと今までありえなかったかもしれないけど、お金のやりとりはあるけど、価値交換と考えたら一緒に目標を目指していく関係性の方がよっぽど健全なビジネスだなと。その方が、よりよいビジネスになっていくんだろうなと。他の業界や行政もそんな風になっていくとみんなが仲良くなれるかな、と思っています。
武井:これ戦争している国に言ってやってくださいよ!
坂東:言ってやってくださいよってー。あという間に時間になりましたね。本当にありがとうございました。
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