2019年9月12日(木)、
株式会社scouty(現・LAPRAS株式会社)の代表取締役 CEO、
島田 寛基さんをゲストに迎えて手放すトークライブを行いました。
LAPRAS株式会社では、ホラクラシー(Holacracy)という
進化型組織のフレームワーク使って経営をしています。
(※「ホラクラシー 」の解説はこちら)
日本では、ホラクラシーを導入・実践している企業はまだほとんどなく、非常に珍しい存在!
島田さんに実践の様子を根掘り葉掘りお聞きしました。
今回は、質疑応答形式で内容をご紹介しますね。
Q.ホラクラシーとティールって、どう違うんですか?
A.ホラクラシー(Holacracy)は、ティール組織(進化型組織)の形態のひとつで、組織に具体的に導入ができるフレームワークのようなものです。
(※「ティール組織」の解説はこちら)
ティールはパラダイム(概念/世界観)。
ホラクラシーはそのパラダイムを具現化するツール。
2つの違いは図がわかりやすいですよね。
Q.一般的な会社組織との違いはなんですか?
A.組織が「人」ではなく「ロール(役割)」から成り立っていること。
明文化された責務や権利のもと、構成員が組織のガバナンス自体を書き換えることで進化していくことです。
一般的な企業では、田中さんが商品開発。山本さんが経理。というように、人が中心となって組織図が構成されます。
ホラクラシーでは、商品開発という「ロール」に、田中さんと佐藤さんが入っている、という構成なのです。
また、ホラクラシー憲法という「法律」によって組織運営の進め方が決められている、
というところがもうひとつの大きな違いですね。
企業には社是や就業規則はあっても、憲法ってないですものね。
Q.ティール組織の共通項である「自主経営」「存在目的」「全体性」は、ホラクラシーではどのように考えられていますか?
A.【自主経営】権限は委譲されなくても、作り出すことができます。
決められた自分のドメイン(領域)においては、社長よりも強い権力を持てる。
他のロール(役割)のドメイン(領域)を侵すこと以外は何をしてもいいので、目的に対して貢献できるなら(例えば新規事業をつくるとか)勝手にはじめて良いのです。
【存在目的】個人にミッションはなく、
常にサークル(チーム)とロール(役割)の目的のために仕事をします。
目的にひずみ(課題)があれば変えられます。
【全体性】部署が無いので、適材適所でいろいろなロールに配置されます。
エンジニアとして採用されたけど法務をやっている、とか。
働き方に興味が強いから、福利厚生ロールや、就業ポリシーロール(リモートワークの有無を決められる)にアサイン(配属)されるとか。
部署がない、とサラッと言っていますが、とても特徴的な点です。
例:エンジニアでありながら法務の役割も担っている
例:社長の島田さんは写真撮影という役割も担当している
例:コーヒー豆を選ぶ役割は、総務ではなく、それを得意としているエンジニアが担う
など。
Q.日本の組織にも“業務分掌”がありますが、それとロール(役割)はどう違うんですか?
A.業務分掌は固定化させるイメージがあります。簡単に変更できない。
また決めるのは人事とか上司とか特定の人です。
ホラクラシーにおけるロール(役割)は変化や進化することを前提にしていて、
プロセスに則れば、誰でも、すぐに変えられるのです。
Q.ひずみ(課題)を察知したら、誰でもすぐに改善できる仕組みになっている、ということですが、実際には、社員がひずみ(課題)を挙げるって、難しくないですか?この“忖度ジャパン”では、とくに・・・。
A.社員がひずみ(課題)を感じているかを察知したり、吸い上げやすくするような役割(ファシリテーター)がいて、
そのパフォーマンスは重要ですね。
あと、コーチング的なアプローチや、ひずみを挙げることの重要性を教える教育が必要です。
また、関係性ができていないと忖度しやすくなってしまいますね。
ですからたとえばLAPRASでは、ランチは必ず同僚と一緒に行くようにしていたり(自動的に組み合わせを決めてくれるシステムもある)関係構築には力を入れています。
そんたくジャパンって、名言ですね(笑)
人間関係ができることで忖度が減るというのは、なるほどと思いました。
これは一般企業でも取り入れられるのではないでしょうか。
また、LAPRASでは採用時に相性を非常に重要視しているそうです。
社員全員(現在は25人)と面談をして、
1人でもNOをつけたら採用しない、と決めているそうです。
どれだけ優秀な人材であっても、人間的なマイナス面や相性の悪さがあった場合は、会社にとってプラスよりマイナスの方が大きくなる。そこはスペックというより感覚を大切にしているそうです。
まとめ
専門用語が多かったり、運営が簡単ではないと言われる
ホラクラシーを導入して1年半が経過したLAPRAS株式会社。
いまでは「導入して良かったかどうかと聞かれると、ひとことでは言えませんが…
ホラクラシーがなかったら、もはやどう組織を運営していいかわからない。」という島田さん。
ホラクラシーとは?新時代の組織のカタチを3分で理解(入門編)