〜株式会社Green prop代表取締役会長 川添克子さんインタビュー〜

2025年6月29日実施「DXOのすべてを語る夜」トークイベント
株式会社Green propは「廃棄物に関するあらゆるお困りごとを解決する」という観点から長年環境課題の解決に取り組んできた、創業40年の歴史ある会社です(2025年現在)。代表取締役会長 兼 CLOの 川添克子さんの決断で、2022年7月にDXOを導入してから、ちょうど3年が経過しました。
この3年間に、本社の福岡と物流拠点の広島に加え、2024年4月には東京にもオフィスも開設され、ますます進化が止まらない今。組織や働く人の実態はどうなのか、インタビューさせていただきました!

『株式会社 Green prop』代表取締役会長
川添 克子さん
1994年『株式会社筑紫環境保全センター』(現『株式会社Green prop』)に入社。2002年より副社長として実質的な経営を担い、2013年代表取締役に就任。美容業界という前職の経験を生かし、廃棄物処理のコンサルティングサービスやCSR・ブランドづくりを展開。2012年に3R推進全国大会にて「環境大臣表彰」受賞。2022年7月にDXOの導入を決断。2023年10月に代表取締役会長に就任。環境・CSR分野からステークホルダーのサスティナビリティ向上に邁進している。
目次
- 1.DXO導入から3年、予想もしなかった驚きの変化とは
- 2.変化を支える仕組み ①存在意義の言語化
- 3.変化を支える仕組み ②目的ごとのチーム編成
- 4.変化を支える仕組み ③情報の透明化
- 5.変化を支える仕組み ④お金の仕組み
- 6.DXO導入3年間における心境の変化
- 7.RINGOプロセスはどうやって機能するのか?
- 8.DXO導入に必要な条件はあるのか?
1.DXO導入から3年、予想もしなかった驚きの変化とは
乾:約3年前にDXOを導入して自律分散組織になり何が変わりましたか?
川添: 2022年の38期に移行してから、「なくなったこと」「できたこと」とがあります。

【できるようになったこと】
- 誰でも意志決定ができる
- フラットな関係性になった(役職や階層をなくした)
- 社員が資本参加できる
- 会社の財務会計(お財布)が誰でも、いつでも見られるようになった
【なくなったこと】
- 稟議規定や決済、承認がなくなった(誰でも意志決定ができるため)
- 会社が定めた経営計画がない
- 売上目標がない
- 上司による人事評価制度を撤廃
こんなことが実際にできて、運用できているんです。
坂東:本当に信じられないような変化ですね。数値的な結果はいかがでしたか?
川添: 今期の決算はまだですが、前期2年分の数値結果があります。
37期が管理型時代のデータ、38期が導入1年目、39期が2年目です。
※DXOを導入して、必ずしもプログラムの影響で売上が上がる・利益が出るというものではありません。

【売上高】
- 38期(1年目):微増(+2.5%)
- 39期(2年目):大幅増(+43%)
坂東:43%はすごいですね!びっくりしますね!
川添: 私もびっくりしました!そして、私が一番驚いたのは諸経費のところです。
【諸経費】
- 38期(1年目):-21%(37期比)
- 39期(2年目):-6.7%(37期比)
川添:38期は導入時にみんなで経費を見直したため下がりましたが、39期は東京支店をオープンし、その経費や什器購入費なども含んだ上でのマイナスなんです。これは本当に私自身も驚いた結果でした。
乾: ビルも購入して、売上目標も経営計画もないのに、この結果はすごいですよね。
川添: そうなんです。長年、経営をやってきた私としては、「私の管理は何だったの?」って思います(笑)。でも、嬉しい結果です。
一人あたりの給与・賞与額も上がりました。
【一人当たりの給料・賞与】
- 38期:+14.8%(37期比)
- 39期:+18.4%(37期比)
- 40期(今期):おそらく+20%以上(39期比)なので、37期比では35,6%近くアップする見込みです。
川添: 本当に「数字は嘘をつかない」と実感しています。給与・賞与が上がっているのは嬉しいですし、みんながしっかり経費を見て行動している証拠だなと感じています。

川添:私自身の変化としては、管理業務の時間が激減し、今は自分のやりたいこと・得意なことに集中できています。
以前は仕事時間の半分くらい嫌いな管理業務でした。特に人事評価が苦手で苦痛だったのですが、その時間もなくなりました。今では会社にいる時間も10%未満になり様々な場所で仕事ができ、管理しなくてよくなったことで、自由に時間を使えています。「ごきげん度」が年数を重ねるにつれて上がり続けています(笑)。
以前は全ての決定や方向性を示さなければならず、コロナや原油高など、私自身も予測できない中で事業計画を立て続けるのが本当に大変でした。
中長期計画・単年度・月・週計画までしっかり以前は立てていたので、自分自身もドキドキしながら計画を立てていましたし、当たるかどうかのプレッシャーや私自身もきついなぁと感じながらやっていました。
現在の役割はグループのCLO(Chief Love & Liberty Officer)として、会社全体の愛と自由の責任者です!また、この新しい自律分散型組織スタイルの組織運営の総監督でもあります。
また新規事業の開発が得意で大好きなので、そこに注力し、Green prop社に新しい世界を持ってくることも私の役割だと考えています。
それができるようになったことを踏まえても、DXOを導入して良かったと日々思っています。
2. 変化を支える仕組み ①存在意義の言語化
乾: DXOでの意志決定の仕組み、RINGOプロセス(DXOにおける意志決定の仕組み。意志を持った人が提案し周りから、意見をもらって、最終的に自分が決める)のお話を聞かせていただけますか。Green propでは「助言プロセス」と呼ばれていますね。
川添: はい、そうです。RINGOプロセスを進めるにあたって、まず最初に取り組んだのが「Why・What・How」の言葉の整理です。存在目的、提供価値、大切にするスタンスを明確にする作業です。
Green propでは、ここに相当時間をかけました。長年、管理型だったので、みんなの気持ちを言葉にするのが苦手で、心の解放が難しかったんです。
しかし、この言葉作りが会社の全ての軸となり、RINGOプロセスもこの言葉に基づいて行われるため、一番大切だなと思っている部分です。
RINGOプロセス(誰でも意志決定できる)
「RINGOプロセス」の具体的な実践例
【初年度のRINGOプロセス事例】
- ドライバーチーム スタッフ「水道の蛇口に鍵をつけたい」
2ヶ月間水道代が上がったため、駐車場にある蛇口に鍵をつけたい、費用は自分で買うので0円でできる、という提案でした。
ドライバーが水道料金を気にするなんて、自社では考えられなかったことで、非常に感動しました。
ドライバーはチャット上で文字を打つのが苦手なので、リアクション(丸やハート)で意志表示しているのも特徴です。
- 20代女性営業 スタッフ「北海道の安全衛生研修会に参加したい」
この研修会は通常、経営者層が参加するもので、一般職員が参加するものではありませんでした。
北海道までの経費も1人10~15万円かかる高額なものでしたが、「日本で唯一の水銀処理施設を見たい」「経営者層の人脈を広げるチャンス」という意志があがってきたんです。
これに対しては、「なぜ人脈を広げたいのか」「具体的にどの会社と繋がりたいのか」といった質問がありました。
私は今まで、研修会に行ってきてと言う立場だったのが、社員が行きたいと言ってくれたことに感動しました。
乾: この女性営業スタッフさんの提案、大人気だったみたいですね!
川添: もう大人気でした!
結局2名が参加したんですが、参加者は年配の経営者ばかりなので「Green propは何が起こってるんですか?」と私に電話がかかってくるほどでした(笑)。
しっかり全員と名刺交換をしたりと、本当に頼もしいなと思いました。ちなみにこの時は弊社のホームページの閲覧数も一気に上がるということも起こったんです(笑)。
川添:3年目になると、日常的に使うようになったので、会議の場で決まることも増えたのですが最近の事例もいくつかご紹介します。
【3年目のRINGOプロセス事例】
- 東京支店営業チーム スタッフ「駐車場の新規賃貸とハイエースを購入したい」
東京支店は営業チームのメンバーのみですが、小口運搬を始めるためにハイエースを購入し駐車場を借りたいという意志でした。
これには「14件の返信」があり、まさにカオスでした。
運搬費だけでなく、ETCや燃料代、維持費、そして最も大きな人件費がかかること、外注した場合と自社で行った場合の利益率の比較などが求められ、多くの懸念が上がってきました。
一方で賛成意見も出て、費用や売上、顧客への提供価値について、活発かつ真髄をついたやり取りが繰り広げられていました。
最終的には本人が意志決定でき「駐車場を借りる」という結論になりましたが、印象的だったのが本人が理由や具体策を再度説明し、自身の意志を貫いたことが特徴的でした。
本人はこの経験が非常にためになったと言っており、今、そのハイエースと駐車場を一番大事にしています(笑)。
- 代表取締役会長 「リモートプレゼンシステムを導入したい」
東京と福岡の支店を常時リモートで繋ぐためのシステム導入を、私自身も提案しました。
これには経費も月10万円ほどかかります。これに対しても7件の返信がありました。
坂東: 克子さんの提案に対しても、こんなに返信があるというのは、本当にフラットな関係性になっているということですね。
普通ならスタンプやリアクションで済むところを、メッセージも書くということは、それだけ思いが乗っかっているということですよね。
川添: そうです。みんな前のめりですね。全員がRINGOプロセスには目を通しています。
以前なら私のような役員の決定はみんなに見えないところで決まっていましたが、こうして出すことで、部署関係なく経営の意志を伝えられるという利点は大きいと感じています。
乾:克子さんが使うのであっても、「みんなのお金」なので、みんなも意見を言わないとということになるんですよね。
川添:言わないと、というよりも「言いますよ!」って感じですね(笑)
乾:会長であっても、RINGOプロセスを上げて意志決定しないといけないというルールを守っているわけですね。
川添: もちろんです。役員であっても全員これをやっています。経費を使うことに関しては、私であっても誰であっても、みんなの前で意志を伝え、意見をいただくことを徹底しています。
今では、RINGOプロセスは日常的に何件も上がってくるようになり、会議の中でも決まることも多く、定着が進んでいます。みんなの意見や視野が高まり、費用対効果も意識するようになり、経営者層の目線で物事を考えることが増えました。

3. 変化を支える仕組み ②目的ごとのチーム編成
川添:このRINGOプロセスがここまで機能するようになったのは、 特に新しい組織の運営と新しいお金の管理の仕組みを導入したからだと思っています。
まず、「目的の起点」で「作る、売る、回す、支える、経営」という役割で業務を整理しました。
これにより、全員がビジネスモデルや事業内容を共通認識できるようになり、全ての業務が繋がり、意味を持って提供されていることが見えるようになりました。
これだけでも意味があることで、業務の目的を考えながら仕事ができるようになりました。
実は導入当初は会社全体で1つのチームで回していましたが、これが全然動かなかったんです。例えばRINGOプロセスの意志があがっても、営業の人は意見を出すけれど、他の人はノーリアクションということがありました。
これは、「目的ごとのチーム」に分けていなかったからだと気づき、導入から3ヶ月後にチームを3つに分けました。
【目的ごとの3チーム】
- 営業チーム
- 福岡運搬チーム
- 広島運搬チーム(運搬の目的事に、2つに細分化)
これにより、一気に動き始めました。
自分のチームのことは、自分たちが一番よく分かるので、活発に動けるようになったんです。
また、「役割分担の可視化」も行いました。
それぞれの業務に対して、「元気が出るか」「興味があるか」「できるか」「できないか」を-3から+3の6段階で自己評価します。これを3ヶ月に1回、チームごとに役割の見直しを実施しています。
例えば「この仕事は-3だ」とか「これから産休に入る」という人がいれば、その仕事内容を確認し、自分たちで分担するのか、外注するのか、採用するのかなどを話し合います。話し合いや採用の指針としても活用できる資料になっていて、みんなが何の仕事をしていて、それに元気がでるのかどうかも全員が把握できるので、本当にやって良かった、非常に良い仕組みだと感じています。
Green prop HP:「組織運営について」より

4. 変化を支える仕組み ③情報の透明化
川添: そして、「情報の透明性」です。
社内の運営情報は全てSlackを通じて全チームのやり取りが見える化されています。RINGOプロセスもここで行っています。
会社のルール、運営Q&A、スケジュール関係、そしてみんなの給料も役員も含め全て全員が見られるようになっています。
会計情報も「freee」を活用し、今まで経営層や経理しか見れなかった財務資料も社員全員が閲覧できるようにしました。
あらゆる情報へ誰でもアクセス可能

5. 変化を支える仕組み ④お金の仕組み
川添:またプロフィットファースト(DXOのお金の仕組み「MIKANシステム」)という新しいお金の管理の仕組みも導入しています。
売上の中から先に利益を決め、それから各口座に分配する形です。
【5つの口座】
- 利益口座
- オーナー口座
- 法人税口座
- 事業経費口座
- 借入金返済口座
このうち、事業経費口座の運営は社員に任せています。ここには仕入れ、経費、消費税、社会保険、そして給料も含まれます。
坂東: 給料まで全て見える化されているのは、一般的な会社からすると驚きですよね。
川添: そうですよね。私も抵抗はありました(笑)
給料は、この運用を始めた時に設定した額から変更はしていません。ただ、その後の自己評価で上がったり下がったりはできるようになっています。
坂東: その給料額も、みんな知っているわけですよね?
川添:全員が見える化しています。もちろん私たち役員の分もです。これもなかなか一般的な会社からすると「ええ!?」って思うでしょうけど(笑)
個人の利益と会社の利益と社会の利益を一致させる経営だと思っていて、個々人の報酬としては次のような仕組みになっています。
新しいお金の管理
プロフィットファースト(DXOのお金の仕組み「MIKANシステム」)で社員が事業経費を運用

【報酬と評価】
働くスタッフの報酬としては3つの種類があります: 給料、経費分配金、利益分配金
- 評価:3ヶ月に1度自己評価を行います。自分の役割、経験、知識量などをA、B、Cの3 段階で評価し、翌月の給料が増減します。ほとんどの人がA評価をつけますね(笑)
- 経費分配金: 事業経費口座に残った残高の1/4が3ヶ月に1度、みんなに分配されます。 これが賞与の代わりとなるもので、みんなが費用対効果を考え、数字を見て事業経費を
使うようになります。
- 利益分配金: 社員が会社に預金(出資)できる仕組みです
預金者は、預けた資金と滞在日数に応じて3ヶ月に1度、利益分配金を受け取れます。
利益口座の50%が出資者への分配に充てられます。
2025年6月現在の社内預金額は1億590万円です
坂東: 1億円超えはすごいですね!
川添: 本当にびっくりしました。
社内預金制度

川添:このような全体の仕組みによって、個人の利益、会社の利益、社会の利益が一致する経営になっていると感じています。
やりたいことを表現できて、やろうと思えば実現できる。それは経営者であろうといちスタッフであろうと、全員ができる!というのが嬉しいことだと思っています。
一人ひとりが自分らしい価値を生み出していくことが会社の利益や社会の可能性へと繋がっていく仕組みになっているというのが、すごくいい経営しているなと自画自賛しています(笑)
6. DXO導入3年間における心境の変化
川添: 経営者として、DXOの導入は最高の決断だったと実感しています。
自分の強みを活かすことに集中でき、意志決定のスピードも格段に上がりました。そして何より、「みんなで経営している」と感じる場面が増えたことが頼もしいです。
スタッフからも、「事業運営において自分の役割が何で貢献したのか分かりやすくなった」「やりたいことを実現するには、チームのみんなと自分の考えを共有し、調和しながら進めないと何も進まないということに3年たって腑に落ちた」「チームワークが大切だと感じている」「お金の見方や使い方、より意味を考えるようになった」といった声があがっています。
正直に言って、私自身も、メンバーも、もう昔の管理型だった時代には絶対に戻れないと実感しています。ドライバーも皆そう言っています。これからも、みんなでこの壮大な実験を楽しんで続けていきたいと思っています。
乾: 3年やってみて、克子さんご自身が「大変だった」「苦しかった」と感じるところはありましたか?
川添: 今となってはもう「苦しいところがないな」と感じています。ただ、1年目は苦しかったですね。
みんなまだお金のことなどを勉強していないので、経費削減ばかりに走ってしまって、「そこを削減したら、次の事業に対してマイナスなのでは?」と感じていても、言いすぎないように遠慮したり、モヤモヤしていた時期がありました。
どこまで言っていいのか、距離感が掴めなかったんです。
2年目になると、みんなが投資効果を考えるようになり、どんどん経費を使うようになってきました。逆に「そこまでやるの?」とか「もう少し検証した方がいいんじゃない?」と思うこともあり、モヤモヤしましたね(笑)
でもそこから投資効果について話しやすくなり、質問が出るようになったことで、私も自分の意見を言いやすくなりました。自然にそうなっていったという感じです。
今は遠慮がないですね、お互いに。みんな物事を多角的に見れるようになり、一緒に新しい事業を考える場面も増えました。フラットな関係性で、みんなで良くしていこうということが自然にできる環境ができてきたと感じています。

7. RINGOプロセスはどうやって機能するのか?
乾: 社員の皆さんには、費用対効果を考えられるように研修したり、お金の見方を教えたりしたのでしょうか?
川添: いえ、私は何もやってないんです。
ただ、営業チームの中では経理メンバーに原価の見方などの勉強会をお願いしてやったようです。ドライバーメンバーでさえ、原価を自分たちで出して、営業と交渉しているんです。本当にいつの間にか、みんなどこかで勉強しているみたいですね(笑)。
会社としてそういった教育をしたからそうなった、ということはありません。自分たちで考えて、自分たちで研修に行ったりもしていて、まさに自主運営をしてるなと最近特に感じますね。
乾: RINGOプロセスは意志決定のやり方だけを体験してもらう、ということをワークショップでも体験してもらっているのですが、企業さんによってはこれでできるようになるのか気にされることもあります。
社員の方に何か特別な教育をして意識を変えたり、知識をつけたりするということは必要ないですか?
川添: 何もないです。Green propに関しては事前に研修などを入れるなどの必要性は、全くないですね。「ペンを持つのが嫌だから運転手になった」というようなドライバーさんまでも、自分たちの売上と費用、原価、利益率を考えるようになっているんです。私にとってはありえないと思っていたことが、いつの間にかそうなってしまうんです。
乾: RINGOプロセスが機能するのは、Why・What・Howで会社の判断基準がしっかり整っていて、業務の繋がりが見えていて、情報が透明化され、自分たちのお金という感覚を持ってもらえているから、ということが揃っているからと思っていますがこの辺りの関係性はどう見られていますか?
川添:本当にその通りで、 RINGOプロセスを上げられるのも、このWhy・What・Howの『言葉』が軸となり、存在目的に合致しているかを考えてからあげているからです。
そして「作る、売る、回す、支える」という目的がしっかり捉えられ、業務が回っているので、その考え方がしっかり確認できている。
何より、これらの情報が全て見えるようになっているからこそ、RINGOプロセスがあげられるんです。情報が透明化されていないとあげられません。
特にGreen prop社ではお金の仕組みを入れているので、自分の会社やチームにいくらお金が入っているのか、どういうお金が使われているのかが把握できる。
だからこそ考えやすくなり、「こうしたい」「ああしたい」という意志が生まれてくるのだと思います。
自分の財布にいくらあるか分からないと、何をしたいかなんて考えられないですよね。経営も同じだと思います。
8. DXO導入に必要な条件はあるのか?
乾: 最後に、「うちの会社の社員のレベルでは難しい」とよく言われるのですが、それについてどう思われますか?
川添: そうなんですね。そこは関係ないと思います。
うちのみんなも、ドライバーさんたちも、いつの間にかコストや交渉の話まで対等にできるようになっていますからね。
確かに動き方は、チームによって1年くらいのずれがありましたが、他のチームの動きを見て、自分たちもこうやっていきたいと自然に変わっていくんですね。
私も想像がつかなかったのですが、仕組みがあることで、結果としてそうなりました。
「仕組み」を整えることで、中で働く人の働き方も自然に変わっていく。
DXO導入から3年間、Green porpさんのお話から、リアルな姿を感じていただけたかと思います。
Green propさんのお話でも出てきたように、「変化を支える仕組み」として、DXOのプログラムを通して 「①存在意義の言語化・②目的ごとのチーム編成 ・③情報の透明化・④お金の仕組み」を整えた上で「RINGOプロセス」が置かれることが大切です。
ご自身でDXOテキストを進めることも可能ですし、私たちインストーラーにご依頼いただくことも可能です。お問い合わせはこちらから。
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この記事を書いた人
田中 真由 (たなか まゆ)

大企業メーカーの人事、児童福祉企業での社内統括として、16年ほど一貫して人と組織に関する仕事に携わる。多くの人に出会う中で、「その人が持つ可能性を存分に発揮できるかどうか」は本人のスキルや能力だけではなく、環境やちょっとしたきっかけが大きいと感じる。その中で、武井浩三の著書「自然経営」をきっかけに、人を変えようとしないDXOに出会う。
実際にDXOの導入現場で組織の仕組みを変えることで、人の本来の可能性が引き出される様を目の当たりにして感動し、手放す経営ラボラトリーにジョイン。
現在は、企業でのDXO導入の伴走と共に、世の中にDXOを伝える活動を行っている。
好きなことは、美術館巡り・旅・子どもの興味関心に触れること。











