わたしの歯医者さんは、埼玉県北朝霞にある治療よりも予防に力を入れている歯科医院。ご家族や小さなお子様にも寄り添った治療・予防に取り組んでおり、業績は好調!患者様も増えてきている中、なぜかスタッフが定着しない…。そんなお悩みをきっかけに2022年4月からDXOをスタートさせ、2022年12月に医院としての新たなスタートを切りました。
今、どのように医院が変わったのか突撃インタビューしました!
「わたしの歯医者さん」院長
田幡 壮さん2014年埼玉県朝霞市に、関わる人が幸せになって欲しいと理念を掲げ、歯科医院「わたしの歯医者さん」を開業。2021年に法人化、周囲からは順調に見える反面、組織内では、新入社員が6名連続で適応障害で退職するなど、スタッフの入れ代わりが激化。
自分が目指していた真逆の状況に絶望する。
手は打つがどれも効果が出ず途方に暮れるが、「ティール組織」「進化型組織」を辿っていくさなか、「手放す経営ラボ」と出会う。これしかない!と飛び込んだ「今日斬り」にて由佐美加子さんに紐解かれ自分の中にある本当の願いを思い出す、そして組織は「DXO」を導入再起動をし、「一生ここで働きたい」と言われる組織に変容した。
めでたし、めでたし、、、とはならずに、日々、組織の進化と、自身の変容の旅路は続く。
目次
- 1.業績は好調!なのに…なぜかスタッフが次々に辞めていく
- 2自分の全てを曝け出すことから始まったDXO
- 3.衝撃!?入社4ヶ月のスタッフが会社の大きな決定をする
- 4.経営者としての葛藤「「これ『意志』じゃなくて『意見』だから。」
- 5.誰もが居心地の良い組織良い組織「もう前には戻りたくない!」
業績は好調!なのに…なぜかスタッフが次々に辞めていく
岡田:DXOのワークショップを一通り終え、一カ月ほど経ちましたね。来週には再起動式も控えていますが、そもそもDXOに興味を持ったきっかけはなんだったのでしょうか?
田幡:もともとティール組織などについて興味を持って書籍などを読んではいました。1年前、経営について悩んでいて、ティール組織などについてネットで調べているうちに、由佐美加子さんの「今日斬り。」(Youtubeチャンネル『「社長!今日も斬らせていただきます。」-由佐美加子のひもときセッション-』)でひもときセッションを受ける人を募集しているのを知り、その後手放す経営ラボラトリーやDXOのことを知りました。
岡田:経営のことについて悩まれていた、ということでしたが、どのような悩みをお持ちだったんですか?
田幡:DXOを導入する2年ほど前から、新入社員が入社から3か月~半年で適応障害となり、入っては辞めていくことが6人ほど続いたんですよ。社内での関係性や働きやすさなどに気を使ったり、安心感をもって仕事をしやすいよう、自分なりのやり方でがむしゃらに手を尽くしていたんですが、その状態が止まらなかったんですよね。まさに『八方ふさがり』のような感じでした。
業績は上がって、忙しくなっていくけれど、新入社員が続かないので、人手が足りず、前からいた社員も大変になっていっているように見えたんです。
仕事・プライベートの両面で自分のやりたいことがある程度できて、クリニックとして患者さんが集まり、業績がついてきて、その結果スタッフも患者さんもハッピーになれることを目指していたんですけど…。全くうまくいきませんでした。
また「うまくいかないこと」自体に対して自分自身も辛さを感じていましたね。
このまま同じ方向性で進んでいったときに、業績がさらに伸びても、今の自分を含めて中で働く人が幸せでない状況が続いていくように感じて、「どうしたらいいんだろう。」と悩んでいました。
自分の全てを曝け出すことから始まったDXO
岡田:そんな中、「今日斬り。」をきっかけにDXOも知っていただいたということでしたが、一番最初にDXOに惹かれたポイントは何でしたか?
田幡:何なんでしょうね(笑)自律分散組織やティール組織は個人が幸せであることが基本になっていて、その幸せが重なっている部分でコミュニティを作っていくというところに共感したのかもしれないです。
「今日斬り。」を受けて自分の中にあった本当の願いのようなものを見つけることができました。それが「そのままの自分でいられる組織を作りたい」だったんですよね。それがDXOの世界観とも通じていて、DXOに惹かれたポイントだと思います。
岡田:具体的にどう変わるかはわからないけれど、やってみることで少しでもDXOの世界観に近づけそうだな、という感覚を持っていただいたんですかね?
田幡:たぶんそうだと思います。自分は今まで「本当はこうありたい」ということの逆をやっていたので、正反対に近い、『逆立ち』をするようなことをしないと何も変わらないと思いました。だから「やるしかない!」という感じでしたね。
岡田:考えられることをすべてやって手を尽くして、その上で「やってみようか!」という決断だったんですね。DXOの導入について、スタッフの皆さんの反応はどうでしたか?
田幡:当時、院長の下に主任という役職があり、私から主任、主任からスタッフへとトップダウン方式をしていたのですが、DXOをやっていくと、主任という「役割」は残るけれど「役職」はなくなるじゃないですか。
「主任」という仕事をしていた彼女は自分の居場所がなくなると感じるかもしれないと思い、まずは主任にDXOの必要性と、やっていきたいということを話しました。
岡田:どんな反応でしたか?
田幡:「いいんじゃないですか」みたいな反応でしたね。
あと、DXOのインストーラーである乾真人さんにアドバイスをもらって、みんなに自分が出演した「今日斬り。」の動画を見てもらいました。
最初は見せるのが怖かったんですが、「DXOを通して自分のやっていきたい世界観がみんなに伝わるから」ということだったので。
岡田:私も拝見しましたが、すごく感動的な「今日斬り。」でしたよね。
田幡:ありがとうございます。スタッフからもいろいろな反応があったんですけど、「見て泣いた」といってくれたスタッフや、「このような世界観を作りたいんですね」とフィードバックしてくれたスタッフもいました。
岡田:勇気を振り絞った甲斐がありましたね!予想外の反応などはありましたか?
田幡:DXOをやっていく中で新入社員が入ってくるタイミングがあったんですけど、スタッフが「今日斬り。」の動画を新入社員の子に勧めてくれたことは、すごくうれしかったです。スタッフも見て何か感じるものがあったから勧めてくれたのかな、と思いました。
田幡さんが出演された今日斬りはこちら
衝撃!?入社4カ月のスタッフが会社の大きな決定をする
岡田:その後DXOのワークショップが始まるわけですが、実際に始まって驚いたことなどはありましたか?
田幡:初めの顔合わせから結構スタッフにとっては衝撃的だったらしいです。笑
今となっては当たり前のような感じになってますけど、インストーラーの方が来られた時の格好とかも普段着みたいなすごいラフな感じで、みなさんの空気感が我々と全く違ってゆるやかなんですよね。おだやかだし、ゆっくりだし。こっちは常に気を張って『仕事モード』に入っている感じだったんですよね。でもラボの人たちって周りにとらわれていない、周りを安心させる雰囲気があります。この雰囲気の人たちがやっている仕組みを始めるっていうことはすごい説得力がありましたよね。
「我々もああいう肩の力を抜いた空気感で入れたらいいよね」ってその後で話していましたから。
岡田:なるほど。皆さんは仕事だから頑張らなきゃっていう空気感があったってことですか?
田幡:そうですね、そうは思ってなかったけど、実際はあったんだと思います。
スタッフとDXOをやって何が変わったのかなと話したときに、だいたいみんなわかんないって言うんですけど。
岡田:わからないんですね(笑)
田幡:わかんないけど、でも前には戻りたくないって言うんですよね。
岡田:へー!
田幡:なんというか、焦って必死にやっている感じがなくなったって言うスタッフはいますね。
岡田:実際その衝撃的な(笑)顔合わせ以降、ワークショップは田幡さんの目から見てどんなふうに映っていたんですか?
田幡:うちの場合はワークショップの最初の方にやる言葉を決めていく部分が一番やりやすかったです。その後の仕事や数字を見える化してチームを決めていくところは、今まであまり考えたことがなかったことなので、スタッフは難しいなと感じているようでした。
それでも、一番最後のチームで言葉を決めていくときにはそれまでにやったことがうまく融合されたと思っています。
また、毎回のワークショップの後はすごく自分たちが変わっていくのを感じていました。DXOのワークだけでなく、実際に来てそのような『場』を作ってもらったということにおいて、手放す経営ラボラトリーのインストーラーさんたちの存在は大きかったですね。
岡田:細かいファシリテーションとかだけじゃなく、そのような空気感の人たちがいるという『場』の存在が大きかったんですかね?
田幡:大きかったですね。ファシリテーションでも、最初は言葉を引き出してもらったり、後半のチームを作っていく部分は組織を外から一歩引いてみて、実際のうちの組織に合うようにDXOの内容をうまくアジャストしてくれたりしましたね。
岡田:DXOをインストールする中で一番印象に残っていることはありますか?
田幡:いくつかありますが、一番良かったのは、言葉を決めるときに意志決定してくれたのが、入社して4カ月くらいのスタッフだったことですね。歴が長い人や私ではなく、その言葉に対して一番「意志」を持っている人がその方で、「みんなの意見をもらってその上で私の意志としてこうします!」って決めてくれましたね。
経営者としての葛藤「これ『意志』じゃなくて『意見』だから。」
岡田:ご自身の変化だけでなくチームの変化も感じられていたということですが、その変化に対して経営者としての葛藤などはありませんでしたか?
田幡:ありましたし、今でもあります!チームがやっていることに対して「こうした方がいいんじゃないか、うまくいくんじゃないか」って思ったり、言っちゃったりすることもあります。その後「よくなかった」と思って、「これ『意志』じゃなくて、『意見』だから。あなたたちの決めたことを変えるつもりはないから」って謝りにいきます。チームが自分で決断することを求めていたはずなのに、いざそうなると葛藤がありますね。笑
岡田:そうなったとき、ご自身の意見は伝えますか?
田幡:うまく伝えられそうなときは伝えますし、自分の不安感から伝えそうになったときは落ち着いてまだ伝えたい気持ちが残っていたときに伝えるようにしています。けど、それでも焦ってついつい強く言ってしまうことはありますね。
岡田:で、後から「意見だから」と(笑)
田幡:そう(笑)でも振り返ってみると、やっぱり「意見」でしかないんですよね。よく考えると彼女たちの決定を変えてほしいという「意志」まではないです。そうやって自分を振り返ると自分自身も不安感から言ってしまっただけで、意見を言いたかっただけなのかと思えてスッキリすることもありますね。スタッフの中でも話し合いの中で意見なのか意志なのかという話題は出てきて少しずつ浸透してきているなと感じます。意志が出なければ意志が出るまで待つとか、出るように話し合うようになりました。
岡田:意志が出るまで待つんですね!スピード感にイライラしてしまうことはありませんか?
田幡:そういうときもありますが、逆に今までがスピード感がありすぎたんじゃないかと思っています。実際にそうかはわからないですが、働いている一人一人の思考や行動に合わせて組織が変わっていっているのかなと思うようにしています。無理に焦って決めることがなくなって遅くなったように感じる部分もあると思うんですよね。それは、アドバイスプロセスを通して、一人ひとりが考えて動ける組織になった結果だと思うので。また、実際には待つだけでなく、スピードが早くなった部分もあります。
誰もが居心地の良い組織「もう前には戻りたくない!」
岡田:DXOのワークショップが一通り終わって一カ月ほど経ち、スタッフの皆さんやご自身に感じる変化はありますか?
田幡:確実に自分の中で感じるのは、今のやり方が前より好きだと感じることですね!前には戻りたくないと本当に思いますね。変わった今だからわかるんでしょうけど、前の職場で感じていた、スタッフとの関係性についての不安っていうのが今は全くないですね。
組織の変化としては、チームで決めた言葉に沿って、チームで考えて活動するようになりました。以前は私が決めた理念はありましたが、お題目としてあっただけで全く使っていませんでしたから。DXOはチームとして決めた言葉とKPIに沿って活動するということを意識してやるので、チームの中で方向性がまとまるだけじゃなく、チームが組織と同じ方向性を向いているので組織全体としての一体感がありますね。
あと、これまではチャットワークで社内のコミュニケーションを取っていたのですが、DXOを機にSlackを使ってチームごとにやり取りをするようになってからは、時間に関係なく平等に発言できるようになったと思います。フルタイムで働く方とパートで働く方の垣根がなくなって幅が広がったように感じますね。
他にも、私自身も含めて、クリニックに来て働く勤務時間とプライベートをすごく分けていたんですが、Slack上のコミュニケーションが楽しくなってくると勤務時間外のコミュニケーションが増えてきて、仕事もプライベートもありのままの自分でいられるようになりました。
岡田:社内で使用されているツールなども変えることで、スタッフさん同士の関係性にも変化があったんですね!!いやー、今日はいろいろとお話しいただきありがとうございました。改めて、話をしてみて感じたことなどありましたか?
田幡:インタビューしてもらって、DXO導入する前のことって忘れちゃうものだなと笑
そして、今やっていることが、何が前から変化したかわからないほど自分にとても馴染んでいるということを改めて感じましたね。
岡田:具体的には変化を語れないけど体感では変化を感じているということや、前に戻りたくないということがすごく伝わってきました!!
もう少しでプロフィットファーストも始まりますけど、その始まる前のドキドキなどはありますか?
田幡:不安はありますけどもともとお金の仕組みも変えたいと思っていて、プロフィットファーストのやり方も納得はしていますので、私が承認するのではなく、従業員が自分で考えて決定していく、というところが楽しみですね。
岡田:また、プロフィットファーストも導入されたら、お話し聞かせてください!本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
田幡:ありがとうございました!