私の友人Dさん、昨年設立間もないITベンチャーに転職しました。
その会社は社員数6名。
社長とDさんは昔からの友人であることもあり、しょっちゅう直接連絡を取り合う関係。
ある日のこと。
自分の知り合いを社長に紹介しようとセッティングしたところ、
役職者である取締役から釘を刺されたそうです。
「そういう話は、私を通してくれないと困る。」
どんだけの大組織か!
と、Dさんは驚きを隠せなかったそうです。
「その取締役は、大企業の管理本部にいた人です。
女の私に、頭を越されるのがイヤだったんでしょうね。」と言ってましたが・・・
さすがに6名のベンチャーでこの話はナイよね、というのはわかります。
お互いのやりとりは全部見えるだろうし、スピード最優先!権限もクソもなく全員でチャンスにくらいついていこう!
という共通認識になるはずです。
では、どれくらいの規模になれば、この取締役の発言はアリになるんでしょうか?
100名?
1000名?
10000名?
どこまでいってもナシだと、私は思います。
この人は取締役になるくらいですから、実力はあったのでしょう。
しかし「取締役」という役職・地位に、何か特別な権力を得たとカン違いしてしまったのではないでしょうか?
カン違いとは、
「主体性を持って行動しようとする人をさらに引き上げること」より「秩序やプロセスを遵守すること」を重視する。
「自分より実力が高いかもしれないメンバーを見出すこと」より「自分が上の立場であることを思い知らせよう」とする。
といったことです。
役職を手に入れると、人の上に立てる気がしたり、権力を行使できる気がする。
その心地よさに浸っているうちに、いつしか果たすべきミッションや本来の仕事の優先順位を忘れ、権力の維持が目的となる。
つまり役職をつくり、上下関係をつくることが、仕事ができない人を増やし、ひいては組織を硬直化させる要因となる。
だとすれば、役職や上下関係なんて、なくしちゃった方がよくないですか?
《まとめ》
役職を得ることで権力も得られたという思い込みを手放せば、組織は活性化する。