いつもニコニコなオノが、所長に牙をむいた! 経費のルールを決めるディスカッションのふりかえりをしているうちに、ヒートアップする二人の生々しい様子をお楽しみください。
■デジタルトランスフォーメンション時代の組織デザインプログラム「DXO」
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また、組織を新しくアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
■オンラインコミュニティー「手放す経営ラボ」
坂東:今日は、先日ブレスカンパニーのミーティングで経費について話し合ったことについてがテーマです。DXOという組織を進化させるプログラムを実際に自社でも行っていて、意思決定やセルフマネジメントをどうするのかということの一貫で経費についての使い方を決めたわけです。
以前もその話をしていて。※以前の様子はこちらからどうぞ。もう2年前のことになります。
【011ラボの裏側】大炎上!給与会議の裏側をリポート(前編)
経費の中でも会議費とか交際費とか誰かと食事をしたとか、そういったものについては上限を決めたよね。その経費は基本的には僕が全部使うので、予算を超えないようにしようという事を決めていたんだけど…そもそも経費というのを代表の僕だけじゃなくて、他のメンバーも使えるようにするのかとか、使うならどうやって使うのかを今回決めたじゃないですか。
目的は、メンバーもみんな使えるようにしよう!ということ。
小野:経費をみんなが使えるようするのが決まって、これからどうやって運用していくか、が大事ですよね。
坂東:枠組みは決めたので、運用しながら決めていこうと。
その中で改めて思ったのは、僕自身は経費は代表だけが使える特権だとか思ってなくて、経費を使ったらダメとも言ってないし、使っていいし相談してほしいなと思ってたんですが、ダメとは言ってないけど、YESとも言ってないので、ルールは決まってない。ということは、ダメって事だとみんな思ってたんだな〜、と。
小野:そこは、価値観の違いですね。たとえ使っていいと言われても、私たちが現実的に使えるのかどうかは疑問です。坂東さんから言ってほしいと思います。例えば仕事でカフェを利用した時は、経費で精算してもいいと今回決まった項目にあったじゃないですか?それは今回決まった項目かもしれないですけど、以前から編集長はカフェで仕事とかしてたじゃないですか。そいういった時に、もし坂東さんが今までも経費でカフェを利用していたのであれば、気づいて「経費精算していいよ」と一言ほしいなと。メンバーの行動を気付いてほしいなとすごく思いました。
坂東:気付いてほしいね〜
小野:「経費で精算できるのかな」とうすうす思ってても言えないんですよ。坂東さんは経費で精算すればいいのに、と心の中では思ってるかもしれないんですが、それをピンポイントで経費で精算していいよって言われてないと実行は難しいです。そこの温度差がめちゃくちゃあるなと思います。だからみんな使わないんですよ。
坂東:ははは。
小野:社長は使ってるな。こんな事も経費で精算してるんだー。ふーん…って傍観するしかない間にどんどん溝が深まっていって、不信感が生まれるんだろうな。
坂東:実際カフェ利用では、僕は経費は使ってなかったけど、編集長とカフェ利用の経費について話し合ったことあったと思うけどね。経費で枠を決めようかと。でも結局決まらずに流れてそのままになってたという感じ。
小野:そういう話自体、私は聞いた事がないですし、坂東さんが実際何にどれだけ使っているのか見た事もないので、知らないんですよ。経緯も見える化されていないし、どんな話し合いがされていたのか進捗が分からないから、何もルールが決まらず、ただ坂東さんだけが使っているという感じになりますよね。
坂東:僕からしたら「使っていいよ」と言っても、「いやいやいいですよ。」って言われるわけよ。最初からありがとうございます。じゃぁ、使います!ってならないから、それなら使わなくていいのかなって思うわけよ。
小野:坂東さんは使ってるのに?そうなります?
例えば、僕も使ってるから、みんなも使おうよって感じで伝えれば違うんじゃないかな?もっと見える化してみんなで話し合った中でルールを決めて、必要な人は使いましょうってなると使えると思うんですよ。でもさらっと口頭で、「使えばいいよ」って言われると使えないと思います。
坂東:そういうのは僕が決めるのではなくて…
小野:みんなで決めるんですよね。
坂東:それって会社としてのルールを会社が決めたってなるでしょ。会社がオッケーだから使っていいよってなるんじゃなくて、理想的なのはみんなで話し合って決めたいわけよ。そう思ってるから。それはいいとか悪いとか僕がいちいち判断するとなるとセルフマネジメントにはならないよね。あとはこういう勉強会に出たとか、仕事に必要なソフトを購入したとかについても、経費にしてもいいんじゃない?とか言ったことはあるけど、「いやいやいいです。」って言われて、そういうのが続くとさ…
小野:じゃー、経費使わなくていいんだってなります?
坂東:なりやすいね。
小野:会社の仕事に関わるものは経費で精算してもいいというルールがないから、そうやって坂東さんに個人的に言われても、これは経費を使って買ったから、その効果をパフォーマンスとして上げていかないと…とか考えてしまって、自分で払った方が気が楽だってなるじゃないですか。
坂東:それだったらそれでもいいと思うんだけどね。パフォーマンスの評価の対象になるのがめんどくさいってなるならさ。そういう判断だと思うんだよね。
小野:うーん。だとしたら、坂東さんが経費で使ってるものも全部パフォーマンスが出せてるって言えないじゃないですか。そしたらそこにまた不平等感出るじゃないですか。全然パフォーマンス出してないのに経費使っていろんな事してるなって。そうなりませんか?
坂東:それで評価を下すのはみんなだし。それでみんながそんな不信感を持つなら会社を辞めていくんじゃない?それが俺に対する評価だから。
小野:辞めていく事にはならないと思います。
坂東:だったらさ、そういう評価なわけじゃん。それで士気が下がったり、空気が悪くなったり、言う事を聞かなくなったり、それも僕に対する評価だから。給料に反映されるとかじゃなくても、そういう事はすごく辛い事だから。みんなから「なんだこいつ」って目で見られてるんだなって。
小野:でも私たちは、もしそう思ってたとしてもそれを悟られないようにできると思います。そこが溝なんですよね。
坂東:だったらそれを小野さんたちは受け入れているわけだよね。会社に居る理由があってその会社にいるんだからそれはお互い様じゃない?
小野:うーん。だから明確なルールがいると思うんです!この間の話し合いでそう思いました。
坂東:みんな、会社のルールに則りたいという気持ちがすごく強いんだな。会社のルールで決まった事はできるけど、ルールを自分たちで作ろうって発想にはならないんだなと。会社のお金を使う事に対して、経費を使える人と使えない人というのを分けていて、自分たちは簡単に使える人じゃないという気持ちがものすごい強いんだなと。
小野:めっちゃ強いですよ。取締役や役員でない限り、多分ほとんどの人がそうだと思います。みんなに経費が簡単に使えるかどうかアンケートをとって、他の人の意見を聞いてみたいです。
坂東:だからそれは、世の中の常識がそんな風になってるということだよね。
僕自身もずっと会社員で経費が使える立場じゃなかったら、そんな風に刷り込まれていると思うしさ。前勤めていた会社は30才ぐらいから会社の経費を自由に使えたから、常識とずれちゃってるのかもしれないね。
そういうところはあると思ったので、相談してほしいと思うし、その要望を受け入れたいと多くの経営者は思ってると思うんだよね。
僕が思っている以上に、社員の立場からはお金の話はものすごく言いづらいんだね。
小野:そうですし、会社のお金はみんなのお金だから、みんなが納得した上で使いたいというか、不信に思われるぐらいなら自腹で払おうと思いますよね。
自信を持って、これを経費で買いますって言えないのなら。
坂東:それはすごい真面目な性格だからそう思うんじゃない?「経費使えるんだったらラッキー」って思う人もいると思うよ。ブレスカンパニーのみんなは真面目なタイプだから嬉しいんだけど、お金を使う事に対して、その分パフォーマンスを上げないとって思っちゃうっていうのは、経費を使う訓練が必要なんだなと。
小野:めっちゃ暑くなってきました笑。
坂東:いい!!まさにブレスカンパニーも今日から新しい形にして、経費の項目を一覧にして、1万円以内のものは事前申請なしでよくて、それ以上のものは助言プロセスを使って申請するという風に決まりました。
1万円以内のものは自分で意思決定していいけど、事後報告して適正だったかどうかは運用しながらチェックしていこうという風になりましたね。これからどうなるかは、また報告したいですね。楽しみですね。経費にまつわる経営者と社員の深い溝の話でした。
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