「ティール組織」著者フレデリック・ラルー氏来日講演!
先週、ティール・ジャーニー・キャンパスという講演が行われました。
「ティール組織」著者のフレデリック・ラルーさんが来日され講演をしてくれたのですが、
とても興味深くて、そして心に響く内容でした。
(※「ティール組織」の解説はこちら)
講演で印象に残ったこと〜フレデリック・ラルーさんの個人的ストーリー〜
講演の中で、まずフレデリック・ラルーさんが
自分の個人的なストーリーを語ってくれたのが印象的でした。
幼い頃は特に何をしたいということはなかった。
でも成績はとても良かったので、ベルギーの中でも一番いい大学に入学した。
そこでも特に何か夢などがあったわけではなかったが、首席で卒業することができた。
(スゴイですよね)
当時ベルギーでは、成績によって、卒業後の進路がだいたい決まっていたそうです
いちばん優秀なグループはコンサルティング会社へ。
その次は会計事務所。
そして、大手企業という風に。
フレデリック・ラルーさんは首席だったので、
コンサルティング会社の中でもトップのマッキンゼーに就職することに。
『マッキンゼーでの仕事は刺激的だったけど、
ただやっぱり自分の目的みたいなところはあまり見出せずにいた』
というフレデリック・ラルーさん。
『だんだんと、身体が大手企業を受付けなくなってきた。
オレンジ型(達成型)企業と向き合うのが辛くなってきて』退職することに。
当時マッキンゼーでは出世コースだったそうで、
その道を捨てる人はほとんどいなかったので、止められたし、
変わり者扱いをされたと言っていました。
辞めた後は、大企業で働いてる人達が抱えているストレスや閉塞感について、
何かサポートしたいと思い、コーチングの仕事をしたそうです。
その仕事はやりたいことだったし、順調に推移していたが、数年たったある日
『急に身体に力が入らなくなってしまった』。
大手企業で働く人たちが感じている苦しさは、ガラスや大理石に覆われていて、
冷たく人を大切にしない(ように感じる)組織そのものに原因があるのではないか?
そう感じたフレデリック・ラルーさんは、
コーチングの仕事を辞めて、組織の研究を始めることにしたのだそうです。
このストーリーについては、私もすごく共感しました。
私も、人事関連の採用や教育に関する仕事をしていたんですけど、
そうした“各論”では、なかなか組織課題を本質的に解決することが難しいと感じるようになりました。
そこで数年前から、
新しいかたちの組織(ティール組織)や経営スタイルの研究を始めたという経緯があったからです。
講演で印象に残ったこと〜存在目的について〜
もう一つ、フレデリック・ラルーさんの話で面白かったのは「目的」についてです。
『「ティール組織」を書いた後、色々な人から「セルフマネジメントは大事だよね」とか
「これからは、階層がなくなるよね」という話をよく言われる。
けれども、自分自身は“存在目的”特に、“進化する目的”ということが大事なのだと考えている』
という話をしていました。
目的については、自分が考えて決めるというよりは
“向こうからやってくるものだ”
“降りてくるんだ“
と言う表現をしていて、それがとてもユニークだと感じました。
「ティール組織」という本についても、
自分が書きたいと思ったのではなく、本が私を選んでくれた。私に降りてきたのだと。
組織も同じ。組織には生きたがっている目的がある。
それは生命体のように常に変化するもの。
だからわたしたちは、その組織なりの目的を感じていく。耳を澄ませていくことが大事なのだと。
『こんな話をしたら、おかしい奴だと思われるかもしれないが・・・』
と前置きしていましたが、確かに(笑)
会場にいる人も半分くらいは「?」となっていた気がします(笑)
目的というのは、個人においても、組織においても、自分で決めるというよりは、やってくるもの。
(私の場合はどこか外からくるというよりは、内から湧いてくるイメージです)
だから、そこに耳を傾けよう。頭で考えるより、身体で感じよう。
最近、心や身体感覚がマイブームの(笑)私にとっては、ここが講演の中で一番のトピックでした!
フレデリック・ラルー氏より2つの問い
講演の最後に、フレデリック・ラルーさんから参加者へ2つの問いを投げかけられました。
皆さんも考えてみてください。
1.「“パーパス”(目的)が、自分が考えるものではなく、むしろ、向こうから自分にやってきて、自分を通して生きたがっているものだ」という考えがあるとしたら…
a.自分の「それは何か」という感覚がつかめていて、それに対して動き出すエネルギーがある
b.「それは何か」という感覚はあるんだけれども、少しまだ迷っていて、行動を起こすのは怖い
c.「それは何か」という感覚はまだ持てていないけれども、それに耳を傾けてみよう、とオープンに思っている
d.このコンセプトそのものについて、まだよく分からない
2.次はあなた自身が所属する組織について、今日一日を過ごしてみて、感じることは…?
a.今、自分の組織を“Reinvent”していく(何か新しいステージの組織に変えていく)可能性が見えていて、アクションするエネルギーがある。
b.今、自分の組織を“Reinvent”していくエネルギーはあるんだけれども、まだ可能性は見えていない
c.今の段階では、まだ自分の組織で“Reinvent”できる気はしない
d.現時点では、自分の組織にとって組織を“Reinvent”することが一番重要なプライオリティではない。