2022年2月22日、進化型組織のつくり方セミナー、全2回のうち1回目が開催されました。
その時の内容をダイジェストでお送りします。
2回目の開催は2022年3月8日開催です。ぜひご参加ください! 参加申し込みはこちら
組織OS(オペレーションシステム)とは?意思決定の仕組みと定義する。
乾:まず組織OSについてお伝えしましょうか。
坂東:組織をスマホに例えます。私はiPhoneを持ってるんですが、スマホって大きく分けるとiPhoneとAndroidの2つに別れますけど、何が違うかっていうと、中に入っているOSが違うじゃないですか。
OSが違うと上にのっかってるアプリが変わってくる。そのアプリはOSにあったアプリをインストールする必要がありますよね。
これを組織に置き換えると、人事評価はアプリだと私たちは考えています。
では、組織のOSにあたるものは何かというと、「意思決定のシステム」だと定義してます。
今、世界中のほぼすべての組織に入ってるOSは「管理型OS」です。
管理型OSは、意思決定を会社か上司がするという仕組み。
私たちは、これに慣れすぎちゃってて、もはや当たり前じゃないですか。
学生時代の生徒会もそう。生徒会長がいて、副会長がいて書記がいてとか。
組織が大きくなると階層ができて、上下関係ができて、決める人が誰かというのがはっきりしてくる。
会社もそう。人が増えてきた組織は、上下関係をつくって意思決定者を明確にする。
これが管理型のOSです。
このOSが進化していくもののことを、私たちは進化型組織と言ってます。
進化し続ける組織はOSも進化し続ける。
組織のOSは大きく、管理型、同意型、進化型の3種類あると考えます。
まず、進化型OSは、会社、あるいは上司だけが意思決定するのではなく、チームや個人単位でも意思決定ができる。
そうすると、権限が分散されていく。私たちはそれを自律分散型組織と言っています。
この意思決定までのプロセスが決定的なOSの違いだということなんですね。
意思決定を誰でもできるようにして、権限が分散される自律分散型のOSにスイッチできますよっていうことがこのDXOで書いてあることなんです。
ちなみに追加でいうと、進化型OSの中に同意型OSと、管理型OSが含まれている、そういう意味です。全く別のものじゃない。
だから進化型組織では誰でも意思決定できるんだけど、じゃぁトップダウンで意思決定ができないのかというとそんなことはない。上司や会社が意思決定する場合もあるし、選択肢が増えるという考え方で私たちは整理してます。
武井:組織OSとは意思決定の仕方だっていう定義、僕はこれ本当に素晴らしいと思っていて、これ政治も同じだと思ってるんです。
物事をどうやって決めるかが組織の一番中心。
いくら耳障りのいいことをいっていても、意思決定のプロセスを見たら、どういう思想で組織が成り立ってるのかが分かる。
乾:トップだけが意思決定するんだったら、結局トップの意志のもとに自分たちは動かされてるってことだし、トップからすると自分が全て動かさなきゃいけないということ。
僕が色んな会社さんにDXOをインストールしている中ですごく想うのは、邪魔しているものを取り除くことなんだなと。
何か意思を発揮したくても、邪魔なものがたくさんあって、その意思が出しずらかったのを、邪魔しているものがなくなっていくだけのイメージがすごくあるんです。
武井:そうすると、やりたい人はどうぞっていう前提になるんで、会社の文句とか言えなくなるんですよね。社長としてすごく頑張っているのに社員が全然認めてくれなくていつも色んなクレームがきたり、不平不満ばっかりきて苦しい社長さんはDXOですね。
だって、「文句いうならやったらいいじゃん」ってそれだけでおしまいなんで。社員も意思決定できる、そういう環境に置かれるとその立場が分かるから。
自分がいうか言わないかどうしようかな、やるかやらないかどうしようかな、って自分ごとに必然的になります。
人のせいっていうのがどんどん減っていくんですよね。
だから、やりたいことができる。自分で意思決定できる、それでごきげんになるっていうのがDXOなんですよ。本当、人の悪口とかどんどんなくなりますよ。
坂東:そうなんですよ。DXOを導入している会社でディスカッションをやっていて、いわゆる悪口みたいなのが出てくる時がある。会社への不満や批判。じゃぁ、どうしたらいいと思いますか?と聞くとピタッと悪口がなくなるケースは多いですね。
乾:悪口、止まりますね。
坂東:そうなんですよ。自分たちには変えられないって思ってるし、実際に仕組みもそう。
上にいくら提言しても通らない。提案してもスルーされるっていうことが10年とか15年続いているってことになると、会社は自分たちでは変えられないっていうパラダイムになってる。
それに対する不満になってるから、「じゃぁどうしたいですか?」と聞くと意見は出てくるけど、意思は出てこないという状態になる。
意見とは「私はやる意思はないけど、誰かがやったらいいよね」意思は「私が〜したい」っていうことで使っています。
※ここで言う意見と意思の違いはDXOテキストのここに記載しています。
意思を出すことに慣れていない人たちに、意思を発揮できる状態にしてくのは簡単ではないです。
乾:会社の仕組みが自律分散的に生まれ変わると、「自分がやっていかないと!」っていうのが少しずつ育まれていく環境になるんだと思うんですよね。
実際、DXOをインストールする中で、この意思決定の仕組みを使うようになって半年ぐらい経った時に、私たちはこの意思決定のもとでこういう経験を積んできたから、他の誰にも負ける気がしないっていうことおっしゃってました。
誰よりも経験をさせてもらってる感覚があると。
そうやって人って強くなっていくんだなって思いました。自分の想ったことを場に出してみて、自然に責任感が湧いてきて、そもそも自分のやりたいことだったから、行動していくっていう形が徐々に育まれていく。
私がここにいる理由を語り合うことで関係性の質を上げる
武井:関係性づくりの始めは、なぜ自分がこの場、組織にいるのか?をナラティブ(文脈)で語る。主語は自分。自分はなぜこの会社にいて、なぜこの仕事をしてるのかを語る。ここにいる意味が一人一人全然違うんですよね。
だけど、「我々は」って主語を会社にすると、つい一般論になりがち。
この会社の目的はこうだ、それをみんなで目指さなきゃ。1枚岩になってって、意味を揃えようとし始めるんですけど、絶対無理。
一人一人バックグラウンドも年齢も違う。キャリアのため、生活のため、居心地がいいからという人もいれば、家から近い職場だからの人もいれば。その答え、どれも正解。
これがグリーン組織とその先のティールとか、進化型組織との大きな違いなんですよね。
グリーン組織以下の旧パラダイム的な組織って会社側に答えがあるんです。
だからみんな忖度するんです。
で、会社の求めるものに近しい行動した人が出世するし、給料上がるし、会社の価値観を体現してるとかいうんですけど、会社って何?って話。
会社って実物が存在しないんですよね。人間の集合体、そこの関係性でできてるから、会社のために人が死んじゃいけないんですよ。
会社のために犠牲になって、働きすぎてうつ病になっちゃうとか、過労で倒れちゃうとか本末転倒なんですよね。
個人の幸福のためにみんなで集まった方が助け合えるし、大きいことできるしいいよね。そのために人間は組織を使っている。組織を生かすために個が死んじゃったら意味がなくて、個を活かすために組織がある。
レッド、アンバー、オレンジは組織の方が強い。それが逆転し始めるのがティール以上。
じゃぁ、組織が何のためかっていうと一人一人の願いを叶えるため。
じゃぁ、あなたは何のためにいるんですか?っていうのに対して「僕は」っていうので語り合うのが一番。
それって、否定のしようがないじゃないですか。
僕はトマト嫌いですがそれを否定できる人なんていないじゃないですか。好き嫌いの話になってくるんですよね。正解不正解じゃなくて。
坂東:今まで、正解不正解で語ってたなぁ〜
乾:会社がどこに向かいたいのかというビジョンがあるから、個が存在できているってどうしても考えてしまってましたもんね。
坂東:私が新卒で働いていた会社で、拠点長をやっていたんですが、「未達は死」っていう言葉があったんです。未達成は死亡っていう意味ですね。だから目標達成できなかったら生きている意味がないっていう。
これ、目標や会社が優先じゃないですか。
会社優先、目標達成が優先っていうパラダイムにずっと浸かってきてたらそれが当たり前になる。
取引先でもよくあるんですけど、若い人より50代くらいになってくるとそういう発想になることが難しくて。自分自身が何が大事なのかごきげんなのかを考えてみましょうよっていうと出てこないんです。
もしかして、あるのかもしんないけど、会社でそんなことを言うもんじゃない。会社はプライベートなことを話す場じゃないって思い込んじゃっていて。
武井:プロ意識も危険。お前プロだろって言われると、できないことはダメって。
坂東:給料もらってるからプロだろって言ってました。私も言われてたし。
武井:もちろん時代っていうものがあるんで、そういう時代もあったっていうのでしかないと思いますし、150年くらいまで奴隷制度があったぐらいだし、社会の仕組みって実はけっこう頻繁に変わってるんですよね。
僕らの世代って生まれた時からこんな感じの時代だったのでずっと続くと想ってたけど、これからも僕らが生きてる間にめちゃくちゃ変わりますよ。
江戸時代から明治時代に変わたってくらい大きく変わります。
その1つが、この組織のカタチ。
坂東:私もこの5年の私の中のパラダイムシフト大きいですよ。
4年前は9時始業に1分でも遅れたらめちゃ怒ってましたよ。日経新聞読まないやつはダメなやつでしたもん。押し付けとか自分の正しさが半端なかったですね。
乾:組織をどんな風に運営たいのか、そこをDXOで整えていくのは大切ですよね。
武井:DXOって会社経営だけじゃなくて、組織・共同体の作り方なんで、友達関係とか家族とか、地域コミュニティとか、何にでも使えるんですよ。関係性のデザインなんで。
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