後編:★サプライズあり★ チームとコミュニティの違いとは? チームとコミュニティの違いを分かりやすく解説します! 突如サプライズゲストも登場で大盛り上がりとなりました!
■デジタルトランスフォーメンション時代の組織デザインプログラム「DXO」
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また自社でも実証実験を重ねており、その様子をYouTubeやコラムでお届けしています。 また、組織をアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
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上左 手放す経営ラボラトリー所長 坂東孝浩
上右 ソニックガーデン代表 倉貫義人さん
下 社会活動家/社会システムデザイナー 武井浩三さん
坂東:倉貫さんがコミュニティとチームについてブログに書かれていたのがめちゃくちゃ面白かったんですが、ちょっと画面共有します!もともと楽天大学の学長である仲山進也さんが倉貫さんのブログが面白いとFacebookで投稿されていたのを見かけて、見てみたんですよね。そしたらめちゃくちゃ面白くて。チームとコミュニティの違いでいうと、会社はコミュニティなんだという言い方をされていましたよね。
倉貫:学長と雑談していた時に出てきたアイディアなんですけど、彼と私の共通のテーマは「チームワーク」。チームビルディングをどうすればいいのかなというテーマでよく話をしています。
チームと考えると、私の会社、ソニックガーデンもチームを作っていきたいと考えています。
全社一丸でチーム化できるのだろうか?現実、50人超えてきた組織でそこそこの人数になってきて、ONEチームでいるのは難しいところがあって、どうすればいいんだろうね。って2人で雑談しながら悩んでいました。
その時、仲山さんから「倉貫さんの会社ってチームですか?」と質問されました。チームだったら当然ゴールがあって、段階があって成長ステージがあり目標もある。そのために集まっているわけなんですけど、別にソニックガーデンは強烈なゴールがあってやっているわけではないんですよね。
坂東:会社としての強烈なゴールがあるわけではない。
倉貫:僕らのビジョンの1つがプログラマーの仕事を一生の仕事にするということ。
これをいろんな人に話をする度に、非常に内向きなビジョンですねと言われます。自分達がどうありたいかばっかりですねと。
坂東:社会をこうしたいとかではなくね。
倉貫:非常に恥ずかしいなと思ってはいたんですが、でも僕ら自身がどうありたいか、そこにいる人達とどうありたいかは非常に大事だと思っているからそう言っているし、組織でいうと、遊ぶように働くという理念があったりするんですが、遊ぶように働いている組織でありたいなと思った時に、世の中に対してどうありたいかではなく自分達がどうありたいかみたいな。そういうイメージなので、仲山さんが「倉貫さんの会社はチームではないのでは?これはコミュニティなのではないですか?」と言われました。
坂東:仲山さんから言われたんですね。
倉貫:なるほど!と。ちょうどその時、コミュニティづくりの教科書の著者と対談する機会があって、その本を読んでいくとこれうちの会社だなと思うことが書いてありました。
ビジョンから始まるところや価値観理念の共有とか。終わりがあるわけではなく続く事に意味があると書かれていて、活動ではなくて「ある状態」ですよと。これ、うちの会社だなと。うちの会社は実はコミュニティだったんだなと。自分のブログを検索したら、5年前に「うちの会社はコミュニティです」って書いてたんですよね。
坂東:書いてたんですか?!
倉貫:自分でも忘れていました。改めて僕らの会社がコミュニティだとしたら、チームとコミュニティを会社経営にあたはめてみたらどうだろうか?と考えて分類したのがこの図です。
坂東:なるほどね。
武井:これめちゃくちゃ分かりやすい。
坂東:国や町の統治に似ているって。さっきの話と繋がりますよね。
武井:だから俺は町とか国家に関心があるんですよね。スタートアップで資金調達してある特定の目標をみんなでやっつけようみたいなところはチームとして中途半端に「beの価値」を考えるより、いかに目標を達成するかで集まった方が利害関係が一致してる状態を作れる。
倉貫:どっちが良い悪いじゃない。それはその状況や目的に合わせてどうあるかだし、個人で言うとどうありたいのかに寄ってくるので、両方あるなと思います。
坂東:ソニックガーデンもコミュニティなんだけど、その中にチームがあるという考え方なんですよね。
倉貫:そうです。コミュニティがあって、その中に事業やプロジェクトをやってる人がいて、お客さんとチームを組んだりするので、お客さんのプロジェクトに一緒に入ってやっていくとなると一定のチーム感を持ってやってます。チームって終わりがあるものなので、達成したら終わり。冒険も終わりがある。ドラゴンクエストで言えば魔王を倒すみたいな目的を持ってるのはチームなんですよね。戦士がいて魔法使いがいて、いろんな特殊能力を組み合わせて魔王を倒しに行きましょうみたいな。魔王を倒したら終わり。僕たちは解散したらどうなるのかというと、役割が終わるのではなく、コミュニティに帰って行く。チームが終わればコミュニティに帰ってくる。コミュニティにいる人は共通の価値観があるのでチームになりやすいというのはありますよね。
武井:僕もゲームの例えでよく思うのが、昔は勧善懲悪みたいな世界観で敵を倒すロールプレイングや格闘系のゲームも多かったですけど、最近人気があるのって、「あつまれ動物の森」とか「マインクラフト」。これらってゴールがないんですよね。うちの4才の息子は朝起きた瞬間からマインクラフトやってますからね。文字も読めないし、書けないのに、youtuberの動画でマインクラフトを勉強して普通に家を建てるんですよ。お前すげえなって。
倉貫:正解がないのが面白いんですよね。
武井:時代が変わったなと感じちゃう時点で、俺も年取ったなって思っちゃいます。
坂東:なるほど。だからソニックガーデンという会社としてはコミュニティなんだけど、その中でいろんなチームがあって、ミッションやKPIもあってゴール設定もあるんですよね。
武井:だからガーデンなんですよね!今手を叩きましたね!
坂東:そうなんですか?!笑。そう考えると、今までの一般的な企業はチームが多いですよね。
倉貫:おそらく会社をこの切り口で考えることがなかったのかもですね。
今までの会社はどうかと言えば、チームっぽい会社もコミュニティっぽい会社もあるだろうし、特に考えてない場合もあるし。この整理の仕方をすることで、今の組織がどのフェーズでどういう状態で、どうしていけばいいのかという整理に使えるのかなと思うし、そこがはっきりする事で新しい人を採用する時や、人を育てる時にもここはどういう組織なのかが分かりやすくなる。
いろいろ考える観点の1つになればいいなと思います。
坂東:こういう考え方すると、社長や管理職の人の役割の認識が変わりますよね。いわゆる会社はコミュニティだと考えると、リーダーはコミュニティマネージャーを担い、どうやってサスティナブルな形を維持していくのか、そのために絶えずアップデートしていくのか…
倉貫:基本的に将来を決めて、形を決めきってやっていくのではありません。
僕ら自身リモートワークや管理しない経営などやってきてはいるけど、それも創業当時に決めた事ではないんですよね。在宅勤務したいという人がいたので在宅勤務やりましょうとか、旅しながら働きたいという人がいれば、それでも働けるような制度を作ったりする。
どちらかと言うと、コミュニティからはみ出す人がいた時に、はみ出したらいけないよと狭めたり、枠にはめようとするのではなく、そこから外れてしまう人たちも生きられるようなルールを作るにはどうすればいいのかを考えているんですよね。
人が増えると制度や領地も広がるので、結果としてサイボウズさんみたいに100人100通りというように、それぞれの人がやりたい事ができている場所。これから先もおそらく、私が想像もしていないような働き方とか仕事の仕方が生まれてきたら、それに合わせてアップデートしていこうと思います。そうすると、それまで小さな円だと思っていた場所が、別の所に飛び出した人がいて、この人のためにここまで広げようとしたら、あそこ行っていいんだって人が集まってくるしね。そうしたらまたそこに新しいチームやコミュニティができて広がったり。人を枠に入れるのではなく、人に合わせて枠を広げていってるだけですね。
武井:すごい!アジャイル経営ですね。これ本当!
あ!!仲山さん入って来たーーーー!!!!!
右下 仲山考材株式会社 代表取締役社長 /楽天株式会社 楽天大学学長 仲山進也さん
※仲山さんについてはこちらの記事でもご紹介してます!ぜひご覧ください!
仲山さんが飛び入り参加して、さらに盛り上がってきた続きは後編②で・・・
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