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NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方 (日本経済新聞出版)
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また自社でも実証実験を重ねており、その様子をYouTubeやコラムでお届けしています。 また、組織をアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
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坂東:今日は本の紹介で次世代ガバメントという本なんですけど、めちゃめちゃ面白かったんですよ。
小野:かなりのヒット?
坂東:そう!今年入ってから10本の指に入りますね。
小野:有名なんですか、その本は?
坂東:全然有名じゃないと思う。
小野:坂東さんが読もうと思ったきっかけは?
坂東:武井先生です。
小野:武井先生がオススメされてたんですね。
坂東:そうそう。我が経営チームの武井浩三さんがこれめっちゃ面白いっすよって言われて、全然面白くなさそうな題名だなって思ったのよ。笑。ガバメントは分かりますか?
小野:何ですか?
坂東:政府です。
小野:あ〜。
坂東:直訳すると次世代の政府っていう名前だけど、いかにも面白くなさそうじゃん。笑。僕ら進化型組織とか勉強してる割りに、政府ってなったらちょっと遠いよね。
小野:え、内容って理解できるんですか?私にでも。
坂東:いや、全然理解できるっしょ!あ、これ僕らがやってることと一緒じゃんって思うよ。けっこう表紙もポップでピンクとかだったりしてカワイイのよ。頑張ってそういう風に分かりやすくしようと思ってるんだけど、良かったですね〜。これはオススメです。
小野:安倍さんとかに読んで欲しい感じですか?
坂東:そうね。安倍さんも考えてると思うなぁ〜。これからの組織はこうなってった方がいいんじゃないかってことがそんなに難しくない面白い切り口で書かれてるんだけど、3つポイントがあってですね。それでこの本の正式な名称は次世代ガバメント、小さくて大きい政府の作り方っていう題名なんですよ。これからは小さくて大きい政府っていうのがすごい大事だよと。ちょっとよく分からないじゃん。
小野:小さいって、人数が少ないとかですか?
坂東:そう。人数が少ないってこと。できるだけ少ない人数で多くのニーズに対応できるようなそういう組織が政府としてもいいだろうと。それはやっぱり国民のニーズがすごい多様化してるし、僕らの価値観も多様化してるじゃん。会社で働く人からしたら今まではフルタイム週5日で8時間っていうのが当たり前だったけど、週3日がいいなとか副業がいいなとか。朝はゆっくり10時くらいに出勤したいな、テレワークがいいなとか色んな考え方の人が出てきてるじゃん。そういう人たちに会社としてはできるだけ対応できた方が社員に優しい会社だねってできるじゃん。国民のニーズもすごく多様化してるんで、日本で言ったら1億2千万人の国民がいるなかで1人1人のニーズに対応しようと思ったらめちゃくちゃ大変じゃない?給付金ってもらったの?
小野:まだです。もらいました?
坂東:もらったよ〜。
小野:もらってんのかなぁ〜。申請は出しましたよ。
坂東:申請出したらきてるでしょ。
小野:でも分からないですね。確認ができない、私には。
坂東:口座が?
小野:口座が違うし、その口座も見れないし。笑。
坂東:で、全員に10万円ってことでやったけど、本当は1人1人の状況に合わせてもうちょっと金額も変えれたり、お金じゃないものとかマスクもそうだよね。一世帯に2枚ずつっていうのは1人1人に聞いてたら、うちいっぱいあるからいらないよとか本当は変えられたらいいじゃない。その方がコストも最小化できる。だけど、ニーズを聞いて対応するのに莫大なコストがかかるじゃん。だからできないじゃん。だから一律でみんな平等にマスクを2枚ずつとか一律で10万円ずつとかするけど、でも、けっこう不満が出てさ、平等なはずなのにハマる人が少ないじゃん。
小野:確かに。アベノマスク良かったっていう人いなくないですか?
坂東:まぁねぇ、何か言いたくなっちゃうよね。マスク小さいじゃんとか。
小野:子どもたちの中でもしてたらダサいみたいになってますよ。
坂東:そうなんだ。
小野:しかもはじめ学校でもらって、最近2回目もらったんですよ。でもいらないって言って、こんなダサいマスクつけてる人誰もいないって言ったら本当にいないらしくて、みんな手作りだったり買ったやつをしていて、忘れた人がたまたましてるみたいなぐらい。
坂東:何かでもさ、政府もちゃんと考えて一生懸命ものづくりする人に頼んで莫大なお金かけてやってくれてるはずだから本当は感謝しなきゃいけないはずなのに、何でそうなってるかっていうと、例えば自分のところに国からLINEがきて、マスクをお配りしようと思うんですけどいりますか?あ、ありがとうございます。じゃぁ、うち3枚欲しいんですけどって言ったら1週間後に届いたということになったら同じ大きさのあのマスクでも、いやぁありがとうってなると思うんだよね。欲しいかどうかとか聞いてないじゃんみたいな。そのへんのギャップがあるんだけど、事実上聞くことはできなさそうじゃない。
小野:そうですね。
坂東:けど、Amazonとか、僕らもう自分たちの買い物の世界ではめちゃくちゃ自分が買いたいものを即座に買えて、しかもAmazonとか開いたら自分にオススメそうなのがピックアップされて、見れたりとか、その中から選びやすかったりとか、早く買えたりとかそういうのに慣れていて、Amazonは僕らに個別対応してくれてるわけじゃん。そういう意味では。だけど、何でAmazonはできて、日本政府はできないんだろう。そこにギャップがあるよね。
小野:いや、本当ですよね。マスクも、もらった給付金の中で欲しい人は専用のサイトで買ったら絶対に手に入るみたいにしたら良かったのにとか。
坂東:そういう風にしちゃえばね。
小野:でもそのサイトを作ったりとかその流れを作るのがまた大変ってことですよね。
坂東:そうだよね。何で大変なのか。楽天もできてるのに。何でそういうところに乗っけられないんだろうとかね。色々考えたらキリがない。
小野:確かに。
坂東:で、この日本政府に勤めている人、1億2千万人の日本を司ってくれてる人、つまり公務員だよね。何人くらいでこの日本を支えてるかっていうと、何人くらいいるか分かる?
小野:えっと、1000人。
坂東:1000人!?いやいやいや。笑。
小野:1000万人!
坂東:はいはい。日本っていう国が会社だとすると、国民が社員だとしたら1億2000万人の社員数の会社で本部スタッフは何人いるかっていう話。200万人いるそうなんだよね。一方でfacebookってあるじゃん。facebookで世界中で何人が使ってるか知ってる?
小野:分からないです。日本でどのくらい使ってるんでしょうね。半分?
坂東:半分くらいかな。もうちょっと少ないかな。世界で15億人が使ってる。
小野:え、意外に少ない。
坂東:だけどさ、日本の人口の15倍だよ。facebookをもし1つの国って捉えたら世界で最大の国なのよ。中国よりインドより多いのよ使っている人が。で、facebookを15億人が使ってるんだけど、15億人が使ってるfacebookを何人で運営してるかっていうことなんだけど2万人らしいんだよね。日本の国民の10倍の人が使ってるプラットフォームを日本だと公務員が200万人いるんだけど、facebookは100分の1。すごい少ない人数で15億人のプラットフォームを扱ってるっていうことでさ。何となくそっちの方が効率がいいじゃん、絶対にさ。全然やる仕事とか違うから簡単には比較はできないんだけど、それがこの次世代ガバメントで言いたいことで、できるだけ多くの人数の多様なニーズにできるだけ小さい組織で応えると。小さいコストで、小さい労力で、少ない人数で応えられるようにした方がいいという発想なんだよね。で、その先にあるのは2つ目のポイントなんだけど、これからはもっと人間中心の発想で国も会社も考えていった方がいいよねと。人間中心っていうのはさっきも話したんだけど、1人1人の個別のニーズっていうのがあるじゃない?自分たちの生きたい生き方とかライフスタイルとかワークスタイルとかどんどん多様化しているので、それが実現できた方がいいじゃん。だけど、会社ではこれだけの時間拘束されて絶対会社に出勤しなきゃいけないということじゃなくて、自分の住みたい場所で働きたい働き方ができたり、とかできた方がいいじゃない。そういうことを国として叶えてくれたらすごい嬉しいし。だけど、さっき言ったようにこのマスク1つ取っても国民のニーズに応えるのってなかなか難しくて。でも、細かく応えてくれたら、嬉しい。じゃぁ、それをどうやって実現するのかっていう時にDXだと。デジタル化だと。だからってデジタル化によって少ない人数でも、デジタルツールを使うことによってたくさんの人のきめ細かいニーズに対応できるようになるよというようなことなんで、これからはDXっていうのを活用して小さい本部組織でできるだけたくさんの人の大きなニーズに応えるようにしていこうよっていうことが政府について書かれてたんだけど、僕はそれを会社に置き換えたんだよね。会社も全く一緒だなと思って。これからの会社っていうのはそういう風にあった方がいいよなっていう風に思ったんですよ。例えば、政府の例でいうとインドとかエストニアとかデジタル化がすごい進んでる国があるんだけど、その例が紹介されてて、インドとかデジタル化めちゃくちゃ進んでてさ、知らないよね?そんなことあってはならない気がするじゃんね。笑。
小野:でも、頭が良い人がいっぱいいそうなイメージありますね。数学とか得意ですよね。
坂東:そんなイメージはあるよね。インドって13億人人口がいて、しかも言語がすごいたくさんあるんだって。100万人以上が使っている言語が13個以上あるんだって。で、日本だと日本語だけでいいじゃん。だけど、13言語でまずホームページ1つとっても扱わなきゃいけない。で、13億人いる。日本の12倍。だけど、今ペーパーレスだし、キャッシュレスなんだって。
小野:想像できないですね。サリーとか着てキャッシュレスとか。
坂東:だから色んな申請とかすっごいしやすいんだって。
小野:マイナンバーカードみたいな感じですか。
坂東:完全に13億人にデジタルIDとかマイナンバーカード的なものを国主導でやったんだけど、その組織をインディアスタックっていう制度なんだけど、その制度を運用してるのはNPOなんだって。NPOに参加してシステムをどんどん作ったり改善していったりする人たちはほとんどボランティアなんだって。すごくない?
小野:でも、だから早いんでしょうね。色々。
坂東:そうなんだよね。
小野:フラットな組織だから、意見も言いやすくって決済もしやすそうですね。
坂東:そんな13億人のプラットフォームを作れるなんてやってみたいっていう人世界中探したら結構いそうだよね。別にただでもいいからいい経験なるみたいな。自分の技術力試してみたいとかいるじゃん。わざわざ採用して雇ったりしなくても良さそうだよね。日本だと考えられないよね。日本のシステムをさ、ボランティア組織でやってるとか言ったらセキュリティ大丈夫かとか。
小野:セキュリティとかで厳しそうですもんね。日本って。
坂東:そうだよね。だから今まだそういうことはできてないけど、インドではそういう風になってて13億人が完全にデジタルID持っててペーパーレスっていうすごい優しい国っぽい感じはするよね。僕らの言葉でいうと。
小野:確かに。坂東さんマイナンバーカード持ってます?
坂東:持ってる。
小野:持ってるんだ!私通知カードしか持ってなくて。でも、昨日マイナンバーカードの特典がすごいこれから出るようになったじゃないですか。
坂東:マイナポイント。
小野:それが欲しいからやっぱ申請しようって気になりました。ああいう自分にとってメリットがないと人って動かないんだなって思って。1000ポイントもらえるってだけで、やろうって思います。
坂東:そうだよね。そういうところにプロモーション使ったって全員が使った方が同じプラットフォームに乗れて色んなリスクとか考えたらキリがないんだけど、メリットの方が大きいと思うので、どんどん進めた方がいいと思う。なので、そういう風に世界はまだまだデジタル化がうんと進んでる国はまだまだ少ないんだけど、日本でもやろうと思ったらできるわけなので、そういうのをどんどんデジタル化を通じてやっていこうよっていうのが書かれてあって、で、それは会社組織も一緒なんで、会社組織もデジタル化を通じてもっと軽い組織で業務の90%は無くせるっていうんだよね。デジタル化が進めば。でも分かるような気がするよね。そしたら今までよりもうんと短い時間でお客さんにもっとよりよいサービスができたり、社員に対してもきめ細かく対応ができて、お客さんのニーズにも応えながらいいサービスできて、でも働いてる時間は今までの5分の1とかになったらみんなハッピーじゃん。そういう感じになるような僕もそういう仕事もしていきたいと思ったし、国もそういう風になったらもっと居心地がいいのになっていう風に思ったので、面白そうじゃない?
小野:本当ですね。デジタル化で、ちょっと面倒くさそうだな、大変そうだなって踏みとどまっている人はぜひ相談して欲しいですね。
坂東:そうだよね。
小野:私たちはもうほとんどデジタル化ですもんね。
坂東:そうだね。なので、この次世代ガバメントを読んで思いを馳せて欲しいし、ちょっとうちの会社の組織もデジタル化したいなみたいなことだったらオンラインコミュニティとかで話し合ったり実践を共有し合うようなこともできるので、そういう感じで進めていけたらいいですね。
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