働き方改革コンサルタントであり「仕事の「ムダ」が必ずなくなる 超・時短術」の著者、越川 慎司さんにインタビューしました。
Q.生産性の改善をする際に、何を手放したらいいのでしょうか?
週休3日、週30時間しか働かないというワークスタイルを実践している越川さんの話はとても面白かったです。テレワーク/リモートワークの工夫についても、実践例を教えてもらいました。
動画では、インタビューに至った経緯や、印象に残った話の感想などを、ラボ編集長のオオヤマと坂東が語っています。
※取材の記事はラボメディアで公開します。
http://cross-river.co.jp/profile/
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。
また、組織を新しくアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
■デジタルトランスフォーメンション時代の組織デザインプログラム「DXO」
坂東:皆さん、こんにちは。坂東です。
大山:大山です。今日は運命的な出会いでインタビューをさせてもらった方ですね。
坂東:すっごい面白かったよね。
大山:越川慎司さんですね。キャリアは国内大手の外資系の通信会社に勤務され、ITベンベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。マイクロソフトの業務執行役員としてMicrosoftOfficeのビジネス責任者を勤めた後に、現在の会社を設立された、越川慎司さんという株式会社クロスリバーの代表取締役CEO・アグリゲーターという肩書きの方で。
たまたま私が音声メディアのVOICYを聞いていたら、越川さんがゲストで出られてて…
坂東:「超時短術」とか本を何冊か出されてるよね。
大山:その、超時短術の本の内容についてのVOICYを聞いていたら、私のアップルウォッチが鳴って、「越川さんからフォローされました」ってツイッターの通知が来たんですよ!即レスしました。笑
「今VOICY聞いてました!本買います!」って、「つきましてはインタビューさせてください」って…。それからすぐこの展開になったという感じですね。
坂東:すごいね。
大山:ということで、越川慎司さんですね。キャリアは国内大手の外資系の通信会社に勤務され、ITベンベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフトに入社。マイクロソフトの業務執行役員としてMicrosoftOfficeのビジネス責任者を勤めた後に、現在の会社を設立された、ということです。
坂東:パワポとかエクセルとかのプロダクト責任者ってことだよね?!どんどん広めていった張本人だよね。
大山:が、エクセルの事を否定してましたね。そういう所も面白かったですね。
坂東:僕ら進化型組織を作っていくお手伝いをしているんで、その際に生産性の改善が大事じゃないですか。この方は、生産性の改善で働き方改革という点では第一人者だよね。その方にせっかくだからお話が聞きたいということで聞いたら、なんか問い合わせが殺到しているって言ってたよね。
大山:何百件と殺到していると。
坂東:コロナウィルスの影響でテレワークやリモートワークがしたいみたいな問い合わせがこの2週間ぐらいで400件ぐらいきてると。そういう方に運命的な出会いで取材をさせてもらえて、どんな話を聞いたかというと。
僕が印象的だったのは、生産性の改善というけれど、アンケートを取ってみたら社員の63%は残業をしたがっている。ということ。
ちなみに、この63%という数字もそうだけど、越川さんは、膨大な数のアンケートを取っていて、ファクトベースのエビデンスを元に話しているし、仕事もされてて説得力もあるよね。
働き方改革と言って残業を減らそうとか言ってても、社員の63%は残業をしたがっているということなんで、生産性改善というのは、残業を減らしてもっと会社の収益性を上げていこうということなんだけど、これも社員にアンケートをとってみたら、社員の8割は会社の業績が上がる事に興味が持てないということで。これじゃ進まないよねって。
大山:分かる!坂東さん、分かりません?
坂東:いや〜。俺は業績は伸ばしたいと思ってたけどな〜。ベンチャーだったからかな。
大山:競合他社より今年は勝ったとかは興味はあるけど、私が死に物狂で頑張って他社を出し抜いてやったぞ!という感覚がまるでないので…
坂東:会社の規模感はあるだろうね。
大山:売上に興味はなかったですよね。会社全体の売上がいくらなのかもよく知らなかったですね。資料見たらだいたい分かるけど、何兆円の世界で・・・身近には感じにくかったですね。
坂東:でも会社がまわっていればいいっちゃいいんだろうけどね。だから生産性改善だけを掲げていても、残業も減らないし、減らしたいと思ってないし、業績を上げようということにもモチベーションも湧かないんだなと。
大山:そうですね。
坂東:こういうのが会社の改善を阻んでるんだろうね。
大山:言い方ですよね。生産性を上げてどうなるのっていう。生産性を上げて会社の利益が増えるわけじゃないですか、その事だけを言ってるんだったらものすごく他人事になるなと。
坂東:会社が儲かるだけじゃんと。
大山:だから越川さんは働き方改革は会社の生産性が上がるという事と、なんでしたっけ?
坂東:すごいパスだね、笑。社員が幸せになる事。会社が成長する事と社員が幸せになる事、この2つの軸が会社がより良くなっていくことの目的なんだと。特に働きがいが大事だと言っていたね。
大山:そうですね。
坂東:それをちゃんと伝えるという。これもファクトベースで取っていると言ってたね。
大山:働きがいってそれぞれ違うじゃないですか。それを徹底的にまずは洗い出すと。あなたの働きがいは何ですかと。人それぞれ違うからその人のそれと会社の生産性のアップを紐付けられたら自分ごとになりますよね。私だったら、生産性を上げて時短になるんだったらものすごく賛成なんですよね。早く家に帰って家事をして子供との時間を大切にしてと思うから、私にとって時間短縮するということはものすごく大事。早くあのおじさん帰らないかな〜帰りたいのに帰りにくいな〜みたいなのよりは全然いいです。
坂東:働きがいにも直結するよね。でもおじさんは帰ってもやる事なかったりするよね。
大山:子供も成長してお父さん帰ってきても、話したくない!うざい!みたいな反抗期真っ盛りの娘とかいたら特にね・・・
坂東:今夜ご飯ないよみたいな。
大山:え、もう帰って来たの?とか。そんなだったら居場所がないですよね。そういう人にとっての働きがいってじゃあ何だろっていうことですよね。
坂東:これも話に出ていたけど、時間を短縮して残業が減ったところで空いた時間でやることがないとか、やりたいことが分からないとかそういう人も多いよね。
大山:だからポイントはそこを先に決めることっておっしゃってましたね。
坂東:空いた時間に何をするのかということを先に設計することが大事だと言っていて、なるほどなと思いました。
大山:だから働きがいとかその時間を生み出す、勝ち取るという風に。マインドセットが変わる。時間を短縮して削るのではなく、自ら生み出して自分がやりたいことや働きがいに繋げる。だからどうしたら生産性が高まるかなと。そこは納得しかないですよね。
坂東:生産性を改善していくためにうちは手放す経営ラボなので、何を手放さないといけないかという事を聞いたんですよ。そしたら2つの事を言っていて、1つ目は当然、仕事上の贅肉、仕事をする上で何が労働時間を増やしているかということを削らないといけないんだけど、贅肉がついている場所を見つけないといけないと。
大山:体重計にのるという言い方をされてましたね。
坂東:言ってたね。普通一般的な働き方改革は20時になったら強制退社とか、19時になったら電気を消すとかをしている会社で何百社か見てきて働き方改革がうまくいっている会社は一つもないって言ってたね。それは贅肉を減らす努力をしてないから。とにかく強制的に退社するという事しかしてなくて、そうなると丸の内や六本木界隈のカフェで調査したら20時以降の稼働率が高くなっていて、仕事が終わらないサラリーマンがパソコン片手にカフェに殺到している状況になっていると。結局、無駄な仕事を手放してないと。無駄な仕事が何かを見つけると。そのために1週間に1度でも業務の振り返りをした方がいいと言ってましたね。
大山:手放すラボでは、制度は常に進化中ですけど、ほとんどやってる事でしたよね。同じ考え方で業務を遂行しているなと思いました。
坂東:だから納得感があったよね。普通の会社だとどうやっていいかが分からないかもね。僕らも昔はそうだったもんね。チームで仕事をしている時に、どんな仕事があるのかを一覧にして洗い出して、どこに無駄があるのか、誰がどのぐらいの時間を使ってやるのかを整理するのが重要だよね。そしてもう一つ手放さないといけないのは、管理職が土日のメールを手放さないといけないと。管理職の人はどうしても仕事をやりたくなったりするけど、土日に仕事をする事で、幸福度が落ちるし、結局パフォーマンスも落ちるし、それを送られた部下も嫌な気分になると。いい事がないと。確かに…ちょっと耳が痛かったですね。
大山:耳が痛いし、土日にメールを送る事によって、私は仕事をしてますからっていう。アピールもあるんじゃ?
坂東:昔あった?
大山:メールはなかったですが、アピールポイントって考えてる人も多いだろうなと。受け取った方からすればうざいだけなんですよね。
坂東:うざいよね。
大山:もう今楽しい時に!みたいな。
坂東:俺も昔、前の会社でマネジメントしてた時に坂東さんいつ寝てるんですかって部下に言われるのが、ちょっと嬉しかったもんね。
大山:ひぇーやだーキモい。
坂東:俺も寝てるからさ、とか言いながらまんざらでもないみたいな。そのために23時とかに送ったり。
大山:わざわざそのために?!さっさと送ればいいのに。まぁ分かりやすいですよね。残業も最後まで居てくれてるんだというのが分かりやすい。上司が長時間労働してくれる人の方が貢献している、ってマインドだったら、生産性に関係なく良い評価になるし、上司が時間短縮で生産性上げていこう!という人からの評価は悪くなるし。やっぱり会社としての風土は大事なんでしょうね。
坂東:そんな事を話していて、僕らも実践している事がやっぱりそうだなと納得できる所があったし、越川さんの会社自身ではすごく進化している所もあって。
大山:超進化型のティール組織でしたね。
坂東:だからティール組織のことや僕らが考えてる進化型の組織の事を聞いても全然納得されていたし、自然にやってる感じで。
大山:ティールを目指しているわけでもないけど進化してたら結果的にそうなってるみたいな。
坂東:それは面白かったですね。ということで、越川さんのインタビューはラボメディアで記事コンテンツで後日詳しくお知らせしますのでお待ちください。今、テレワーク・リモートワークが流行っていて助成金※が出ていて、東京都なら250万円、厚労省の助成金だと100万円。テレワークに関する機器を買ったり、テレワークに関するコンサルティングを受けるということに対して助成金が出るので是非活用されてください。うちでもコンサルティングは対応しています。
DXOという進化型の組織にアップデートしていくという事は当然テレワーク・リモートワークにも働き方の進化という事になり助成金も使える運びになるので、是非興味があればご相談いただきたいなと思います。
大山:越川さんの記事コンテンツも楽しみにしていてください。
坂東:今日もありがとうございました。
※政府もテレワークに関する助成金の募集を始めました(2020年3月4日付)