7月4日(金)、株式会社ソニックガーデンの代表取締役社長、倉貫 義人さんをゲストにお迎えして手放すトークライブを行いました。
進化型組織づくりを実践され続けている
倉貫さんは話が上手!非常に盛り上がりました!
このリポートでは、私が特に印象に残ったところを皆さんにご紹介します。
お金より時間が大事。
一つ目は「時間」についてです、倉貫さんはこれまで何冊も本を出されていて、
今年の1月に「管理ゼロ〜」出したばかりなんですけれども、今年8月に出版を予定しているということで、
「何でそんなに本を出すんですか?」
ということを質問しました(笑)
すると「理由はいくつかあるんですが、会社のプロモーションとか、採用のためではない。
事業のためというより、自分のスキルアップのためなんです」という言い方をされました。
倉貫さんは、今の会社(ソニックガーデン )での代表の仕事は
55歳ぐらいで引退をする予定にしているそうです。
ソニックガーデンでは、IPOも目指していないし、すごい大金持ちにはならないだろうと(笑)
というか、お金を稼ぐために今の人生の時間全てを費やすということはしたくない。
そういう言い方をしていて、それがユニークだなあと。
倉貫さんは、普段から自分のスキルアップのための時間を取るということを大事にしている。
そして55歳で引退した後も、何らか仕事はしていくだろうから、
その時のための準備を、今からしようと。そのひとつとして、文章力を磨きたいと。
文章力はいきなり上達しないので、
今から少しずつ本を書くということを通じて練習しているのだと言っていました。
時間の全てを仕事あるいは経営・組織づくりに費やすのではなく、
スキルアップのためや、次のステップへの準備などに使っていく。
そうした考えは社内でも共通されていて、
社員の方達にも、そうしたことを常々話しているそうです。
具体的には、1日のすべての時間を仕事に費やすのではなくて、インプットやスキルアップする時間、
あるいは新しいサービスを考えたり、試してみたりする時間にあててほしいのだと。
自分の価値を磨くための時間を、業務時間内でやりくりして欲しいんだよ、
という考えは、とても面白いと思いました
1on1よりザッソウ?!
二つ目は、非常にソニックガーデンらしい制度「ザッソウ」についてです。
「ザッソウ」というのは「雑談+相談」そして「雑な相談」という意味で、
ザッソウという言葉をオリジナルでつくって社内で推奨しています。
新しい価値を生み出したり、未来に向かう仕事をしようと思った時に、人に相談したり、
アイデア出しのブレインストーミングをすることはとても大事。
その時に、改まった相談をするということになると、
相談する側もされる側もプレッシャーが強くなってしまう。
だから、普段から雑談できる関係を作っておいて、
雑談の延長でなにげなく相談ができた方がよいのだと。
ソニックガーデンでは「ちょっとザッソウいいですか」
という言い方で相談をする文化ができているそうです。
たとえば上司に「雑談いいですか」とは言えないですよね(笑)
かといって「ちょっと相談があるんですが」と言われると、ものすごい重い感じがしちゃう。
なので、その間をとって「“ザッソウ”いいですか」
という言い回しが社内でうまく使われているようです。
話は変わりますが、
ちょうどトークライブの翌日にチームについて学ぶカンファレンスに参加しました。
様々なテーマでワークショップや講演が行われていたんですが、様々なワークショップで「心理的安全性」
ということばがよく使われていたのが印象的で、トレンドワードなのだなあと思いました。
「心理的安全性」とは、上司と部下の間で、
あるいは社内で言いたいことを言いやすい関係性や場づくりのことををさします。
この場では(この人には)何を言っても大丈夫だと安心感の醸成。
それがチームや組織づくりにおいて重要であると。
その為の工夫とか、コツといったことが、
ワークショップの中で語られていたんですけども、ちょっと疑問を感じたんですね。
みなさん、上下関係や組織の階層構造があることが前提で、どうやって心理的安全性をつくるか、
ということを言ってる訳なんですけれども、そもそも上下関係がある時点で、
本当の意味での安全性はつくれないのではないか?と。
もし本気で作りたいんなら、進化型組織の実践を行い、
上下関係をとっぱらったり、階層をなくしてしまう方が、やりやすいでしょう。
ソニックガーデンは(ブレスカンパニーもそうですが)
管理職や上司がいない、進化型組織です。
そして、普段から雑談を推奨している文化があり、
雑に相談が出来るザッソウという仕組みがある。
たとえば1on1などの手法をきちんと計画して実行していくより、
「雑に相談できる」文化、組織づくりをする方が、よっぽど実効性が高い。
そういう意味でも、ザッソウは非常にいい仕組みだと思った訳です。
8月に発売予定の新刊は、まさにこの「ザッソウ」がテーマです。
是非チェックされたらいいと思います。
参加者の声
「めちゃくちゃ良かったです。本で読むのと、実際に話を聞くのは違うなあと思いました。」
「今までの人事関係のイベントの中で一番勉強になりました。実践できそうな例や思想をたくさんインプットできました」
「本屋やwebで倉貫さんの話を知っていたが、生で聞くと印象が違った。裏でいろいろとつながっていて、
哲学的思慮の深さを感じました。言葉がとてもキレイな方だと感じました。」
「『生産性を高めて、未来のための時間を作る』
『稼ぐことより時間を大切にする』というコンセプトが素晴らしいと思いました」
今回は、トークライブ終了後にその場でプチ交流会をしました。
インプットしたことって、誰かに話したり共有したいものですよね!
参加者同士も仲良くなったり、交流が盛り上がるのがこのトークライブの特徴だと思います。