2017年7月から進化型組織の実践をはじめた株式会社ブレスカンパニー。
代表の坂東孝浩が、試行錯誤の様子を日記として綴ります。
ブレスカンパニーは7月から新年度を迎えました。
ちょうど2年前に組織改革をして、社内のなにがしを思い切って“リセット”したんですけれども、その当時のことについて、ラボメディア編集長の大山との雑談の中で、尋ねられました。
「坂東さん、2年前にいっさいがっさいを手放しましたけど、そもそもなんでそれをやろうと思ったんですか?」
あぁ、意外とそういうことって、伝わってないんだなぁ。
と思いつつ、改めて振り返ってみました。
うまくいかない原因が、わからない。
その当時は、悩んでいました。
事業は思ったように伸びていかないし、社内の雰囲気もあんまり良くないし・・・。
でも、その原因が何なのかが、良く分からないんです。
もちろん、できるかぎりの改善を試していたし、研修を取り入れてみたりとかしたんですが、なんだかうまくいかない。
閉塞感の原因が、制度にあるのか、仕事の進め方にあるのか、それとも人間関係にあるのか。
コレ!と原因を特定できなかったので、じゃあ、思い切って全部をリセットしてみよう!と思い至ったわけです。
具体的には、まず企業理念を手放しました。
それまでは毎日のように唱和していたんですが、スッパリ止めました(苦笑)
そして、事業計画や売上目標もリセットします。
計画を立てない、ということを決めました。
それから、勤怠管理も手放し、出退勤も自由。
給与や賞与も社長の私が決めないで、話し合って決める。
細かいところだと掃除の分担とか、日報を書くとか、定例ミーティングをするとか、そういったものも、ともかく全てのルールをリセットしまして、必要なものを改めてつくっていこう、ということを実行していきました。
まぁその結果、色々な変化が起きた訳なんですけれども、私にとっては毎日が気づきの連続!
とても刺激的でスリリングなものになりました。
※興味がある方は社長の給与まる見え日記のバックナンバーをお読みください
変な組織が、こんなにあるなんて!
その後、手放す経営ラボラトリーをつくり、「組織の進化」について研究をはじめました。
たくさんの人に会いました。
ユニークな経営者が、日本にもたくさんいます!
こんなにも多様な組織の形があるもんだなぁということを、改めて実感しました。
そうしたリサーチと共に、自社を“実験体”として、さまざまなテストを繰り返しながら、今に至っています。
テストというのは、極端なところでいえば給料、そして人事評価ですね。
これは社員にとっても経営者にとってもすごく大事な問題です。
Q.評価って、なんのためにあるのか?
Q.給与は、誰が決めた方がいいのか?
そんな問いを追求していくと、とても面白い世界が見えてきます。
もしもタイムマシンがあったなら?
いま、2年前に戻ったら、どうするだろうか?
同じように全てをリセットするかというと…きっとやりませんね。
いまなら、順序立てて改善を進められますし、スピード感も全く違うでしょう。
ただし「どこに問題があるのか?」という組織課題の特定。
これを自分自身ですることは、いまでも難しいかもしれません。
自分と会社は一体化してしまっていますから、客観視ってなかなかできませんよね。
組織課題の分析や整理については、絶対に第三者の協力を得て行なった方がいいです。
ですから、組織のことについて悩んでいる方がいたら、是非相談していただきたいと思います。
こだわりたいのは、やっぱり“人”。
私がやりたいこと。
それは組織をぶっ壊すとか、給料をオープンにするとか、そういうことではありません。
私がこだわりたいのは「人が集まる組織づくり」です。
これからの事業の継続には、ますます人材が重要です。
飲食店がいい例ですが、お店はスタッフがいなければ開店することができません。
でも最近よく見かけませんか?「人員不足なのでランチを中止しています」と張り紙をしてるお店。
知り合いの飲食事業を展開してる会社でも、新店舗をオープンするのに一時的に既存店のランチをやめてスタッフをまわしたり、あるいは店舗ごと休眠にして、立上げを進める、などということをやったりしています。
人材がいなければ店を増やすことができない。
つまり事業を伸ばすことができない。飲食事業はもっともわかりやすい事例だと思います。
しかしこのことは全ての業界にとっても同じことです。
やりたいことがあったり「これは儲かるぞ!」と言うビジネスモデルがあったとしても、人材がいなければ成り立たない。
「人さえ採用できればうまくいくんだけどなあ」という経営者は多いですが、その「人」が一番難しい。
人材採用が、これからは最も重要な経営課題といっても過言ではありません。
経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われますが、これからは「ヒト・ヒト・ヒト」なのです。
★欲しい人材が来る。
★力を発揮してくれる。
★辞めない。
そうしたことを可能にするために、採用を工夫するとか、教育を強化するとか、そういう次元の問題じゃないと、私は思います。
手法ではなく、組織そのものを進化させる必要があるのです。
具体的には「ピラミッド型組織」のアップデートです。
人が集まりにくい、育たない原因の大半はピラミッド型の組織構造にあります。
これを自社に合ったカタチにアップデートしていくということが、求められます。
私はいま、さまざまな企業と「組織のアップデート」に取り組んでいます。
私自身もブレスカンパニーという自分の会社で実験を続けていますが、この2年間で社員数は減りました。しかし生産性はものすごく向上しています。
素晴らしく優秀なメンバーも加わってくれ、事業を進めるスピードも速くなっています。
何より、人にまつわるストレスが激減しました。
経営課題は尽きることはありませんが(これは経営を続けている限りなくならないでしょう)、昔と比較すると圧倒的に身も心も軽いです。
ピラミッド型組織を手放して「人が集まる組織」に進化させていく。
その取り組みを通じて、これからも経営者と組織に所属するすべての人に役立つ価値提供をしていきたいと思っています。
「管理を手放す」「情報の透明化」「給料を話し合って決める」etc.
株式会社ブレスカンパニーでは、進化型組織の実践を“身体を張って“行っています。
さまざまな施策は“実証実験“として行なっており、上手くいったり、失敗したりすることが、手放す経営ラボラトリーとしての知見として蓄積されています。
この「社長の給料丸見え日記」はエンターテインメントとして楽しんでいただきつつ、不用意にマネをしないようご注意ください。
(自社で実践をしたい方はお気軽にご相談ください)