進化型組織に関する公開Q&A
先日、神奈川県にある不動産会社の経営者から
進化型組織に関するご相談を頂きました。
新しいカタチの組織づくりにチャレンジしてみたい、という方の参考になればと思います!
Q&A形式で進めていきますが、読んだ方は、
質問に対してご自分でも考えてみると、より頭の整理になると思います。
概況
■社員数:50名
■現在の課題:社員が増えてきて、イキイキとしていない人が増えてきた。
進化型組織に関する公開Q&A
Q.進化型組織の体制(役員をなくしてフラット)にすると、
新規事業を考える人がいなくなるのではないかと不安です。
まず現状の確認ですが、いまは、新規事業を考えてくれる社員を役員にしているのでしょうか?
あるいは、役員になった人に、
新規事業を考えるミッションを与えているのでしょうか?
前者の場合、新規事業を考えることが好きだったり、
得意な人なのだと思います。
役員でなくなったところで、
主体的に新規事業を考えてくれるのではないでしょうか。
必要であれば、評価や手当などでその分の対応をしても良いと思います。
後者の場合は、役員=適性が合っているかどうか、
という検証が必要です。
ひょっとすると適性がないのに
無理に新規事業立案を任せていた可能性もあります。
社内には、役職や年次に関係なく、
新規事業を考えることが好きな人、得意な人がいるはずです。
1人ではないかもしれません。
そうした人たちをプロジェクトチーム化して、
任せてみてもいいのではないでしょうか?
Q.上司がいなくなると、評価制度はどう考えればいいですか?
これは、大きなテーマですよね・・・!
まわりくどいようですが、
「そもそも評価制度は、何のためにあるのか?」ということを考えてみると・・・。
大半の企業では、評価制度は「給料を決めるため」にあります。
つまりこのテーマは、
1.給料を、どう決めるか?誰が決めるのか?
ということと、
2.人事評価を、するのか?
という二つに分かれるのです。
ひとつめの「給料をどう決めるか?」については、
どう考えればいいでしょうか?
たとえば、進化型組織の特徴を持つ株式会社ソニックガーデンでは、給料は一律です。
そして、賞与は利益を山分けする、と決めています。
また、給与を自己申告制にしている企業もあります。
これは極端な例ですが(笑)そうなると、給料を決めるための評価制度は必要なくなるわけです。
ふたつめについてですが、新しいカタチの組織づくりを考える際に、
人事評価の問題点は「評価者」と「査定期間」です。
社員は、評価されることにとても敏感です。
評価が最大の関心事といってもいいでしょう。
ですから社員はつい、評価者を向いて仕事をするようになります。
「お客様を向いて仕事をしよう」とミッションを掲げていても、
評価者がいる限り、優先順位はお客様<評価者になってしまうのです。
そして、評価者は「評価をする」という権限を得ます。
これは、社員の主体的な意思決定(セルフマネジメント)を阻害するきっかけとなりえます。
こうした課題をふまえて、特定の評価者に依存しない「360度評価」といった制度を導入している企業はあります。
もう一つの「査定期間」について。
半年とか一年の目標を設定したところで、環境変化のスピードが速い昨今では、目標が形骸化しやすい。
意味がなくなった、過去の目標の達成度に応じて評価されたところで納得感は高まりません。
目標設定をし、面談をし、査定をし、評価会議をして、
フィードバック面談をする・・・
この大量の業務がムダではないか?と考えて、評価制度を廃止する企業が増える傾向にあるのが世界的潮流です。
私のおすすめは、評価制度そのものを手放してしまうことです。
手放す=なくす、ということではありません。
「評価制度はあるのが当然だ」という常識を、リセットしてみるのです。
評価制度は本当に自社の事業の成長に必要なのか?
何のための評価なのか?
ということを、考えてみましょう。
Q.進化型組織では経費は、オープンにしないといけないのでしょうか?
絶対しなくちゃダメ!ということはありません。
ただし「情報の見える化」が会社に対する信頼の醸成につながると考えた時に、経費は極めて重要な要素となることは間違いありません。
社員にとっては、社長の給与より経費の取り扱いの方が関心が高いです。
給料は個人のお金ですが、経費は会社のお金(=みんなのお金)だからです。
【経費を、誰が、いくらまで使えるのか?】
のデザインが、ポイントとなります。
特定の人に偏っていること。
何に使っているのかが不明瞭なこと。
この点が不信感につながりやすいです。
というわけで、私は経費をオープンにすることをおすすめしますが、コツがあります!
経費ルールを新たに設計した上で、新ルール施行後に、内容をオープンにするのです。
過去の内訳まで公開する必要はないです。
導入の際にそこまでやってしまうと、炎上します(私が検証済みです…苦笑)。
Q.人事部とか採用の役割をどうするか?
上記の新規事業のように、
部署横断でプロジェクトチームをつくってもいいと思います。
また、人事の役割を細分化して(採用、育成、労務、評価、勤怠etc.)、分担をしたりアウトソーシングしたりする、という方法もあります。
採用については、特定の担当者を決めるというより、社員全員が採用担当者という考え方を取り入れるとよいでしょう。
いい組織文化をつくることができれば、社員の満足度は高くなります。
そうすればリファラル採用(社員の口コミや紹介を通じての採用)が機能しやすくなるからです。
求人媒体に依存するのではなく、社員一人ひとりが採用メディアになれば、これほど強力かつコストパフォーマンスが良い採用手法はありませんよね!
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