2019年がスタートしましたね!
正月休みはスポーツも盛んに行われていますが、観戦をしながら
「うちもこんなチームをつくりたいよ・・・」
と、呟いていた方、いたのではないでしょうか?
常勝チームのチームづくり、マネできるところはたくさんあります。
ぜひTTP(徹底的にパクる)していきましょう!
ラグビーと駅伝。常勝チームの共通点は?
今回取り上げたいのは、大学ラグビー選手権で9連覇の帝京大学と、箱根駅伝4連覇の青山学院です。
今年はどちらも優勝を逃しましたが…
それにしても、部員が入れ替わる組織で勝ち続ける組織をつくっていることは凄いことです。
(ちなみに青山学院大学は2位でしたが、昨年よりも記録を伸ばしています。
また大学ラグビー選手権で、帝京大学の9連覇に次ぐのは、3連覇です)
研究してみると、両大学のチームづくりには共通する特徴がありました。
その1.体育会の常識を手放している
体育会というと、一般的には「根性」「上下関係が厳しい」といったイメージがあるかと思います。
両チームとも、そうした「業界の常識」を手放しています。
たとえば帝京大学は、掃除や食事当番、アイロンがけなどの雑用は上級生が担当。
レギュラーの選手も役割は同じ。
選手は他校の4年生から「帝京は大変らしいな。いろいろと雑用をやらされて」と今でも言われるそうです(笑)
青山学院大学の原監督は「箱根を走ったこともなく指導者経験のない私にとって、従来の常識を疑うことが箱根挑戦のスタート」と、準備運動やウエイトトレーニング、ひとつひとつをゼロベースで捉え直したそうです。
両監督とも、単に「変わったことをやりたいから」ではなく、「これはチーム力の強化に役立つか?」「この練習で速くなるのか?上手くなるのか?」と、固定観念にとらわれずに本質的に考えた結果の“固定観念の打破”であり、“イノベーション”なのです。
その2.目的が「勝利」ではない
青学原監督の指導理念は「人として、男として、自立させる。」
また帝京大学ラグビー部の岩出監督は「最終目標は大学選手権の優勝ではない。」と言います。
「部員が卒業後、社会人となり、周囲の人たちからもしっかり愛されて、信頼されて、そして幸せに人生を生きていけるように、大学4年間、ラグビーを通して人間的に成長してもらうこと」がラグビー部の活動目標だと。
スポーツの「勝利」は企業で置きかえると「売上目標の達成」や「シェアNo. 1」でしょう。
多くの企業で見かけるのが、数値目標の達成が“目的化”しているケースです。
しかし
「なんのための目標達成なのか?」
「そもそもの組織の存在目的は何か?私たちはどこに向かっているのか?」
ということが明確な組織の方が、強く、結果的に高い成果を発揮することは、想像に難くありません。
その3.「自律型の組織」づくり
両チームとも、上意下達のいわゆる“ヒエラルキー型の組織”ではありません。
青山学院大学の原監督は、組織の成長段階を4つに分けています。
1指導者による上意下達
2リーダーによる上意下達
3コーチングスタイル
4支援型組織運営
現在は4の段階にあり、
選手たちが自分たちで考え、話し合って問題解決を行う。
監督は“支援する立場”をとり、通常はほとんど口を出さない、といったレベルになっています。
帝京大学では「組織文化こそが、最強のコアコンピタンス」と位置づけていて、組織文化づくりに、ことさら注力しています。
めざすは「自律型の学習組織」。
「X理論とY理論」「動機付け要因と衛生要因」「成長マインドセット」「モチベーション3.0」
などを駆使し、メンバーの人間的な成長とイノベーションを生み出す能力の開発に努めています。
「アメとムチを使った外発的指導法は、古いだけでなく成長に悪影響を及ぼす」
「縦の人間関係の行き着くところは、いす取りゲームのような競争、足の引っ張り合い、ギスギスした人間関係、少数の勝者と多数の落ちこぼれの発生、そして組織の活力の低下」
と言い切っています。刺激的ですね。
最後に、もっとも大切なこと
最後に、両監督から強く伝わってくること。
それは「トップが自ら変わること」です。
★固定観念を手放す。
★新しいチャレンジを自ら行う。
★組織が変わるまでは時間もかかるが、覚悟を決めて、耐える。
新年度から、何かを変えていきたい!と思っているリーダーも多いと思います。
ぜひ、自分自身を変えることからスタートしましょう!
まとめ
常勝チームの組織づくりの特徴は
1.体育会の常識を手放している
2.目的が「勝利」ではない
3.「自律型の組織」づくり
4.トップが自ら変わること
※「常勝集団のプリンシプル 自ら学び成長する人材が育つ「岩出式」心のマネジメント」(岩出 雅之著)日経BP社
※「勝ち続ける理由」(原晋著)祥伝社新書
※「力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方」(原晋、原田曜平著)講談社+α新書
※「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉」(原晋著)アスコム