自然経営の研究活動をされている山田さんに、「ティール」「ホラクラシー」それぞれの概念について解説いただきました。
新しい概念を通した、より人間らしい社会のあり方について考えていきます。
今日はゲストに山田裕嗣さんをお迎えしてインタビューという形でやっていきたいと思います。山田さん、よろしくお願いします。
ただ、方向性として「肩書きとかなくそう」とか「フラットにしよう」とか言ってるので、あんまり自分で代表理事って名乗るって、なんか違う感じがするので。
強いて言えば「発起人」とか、「立ち上げから携わってる」みたいな言い方のほうがしてますが、世の中的には代表理事のほうがわかりやすいので悩ましいなと思ってるんですけど(笑)
「これじゃない」っていうのがもともとあって、「じゃあ何だろう」っていうときに、「もはや自分たちで作ってしまったほうがいいんじゃないか」っていうことになり、いろいろ好き勝手なブレストをして「やりたいことって何だろう」みたいなことをやっていると、結果的に「自然に近い状態にする」とか「自然の模倣をして」とかっていうのがいちばん近いよねっていうので、それを言葉の響きとかも含めて「自然」と書いて「じねん」と読むっていうのにしてみて、っていうのがちょうど1年ぐらい前かな。
で、その言葉自体を作り、日本的にというか「『僕ららしく』っていうのをどう作るか」みたいなことを始めたのがちょうど1年前なので、なるべくそれを言うようにしてるんですけど、浸透はまだまだこれからかな。
とりあえずチャット上でアイデアを出しまくって、超ふざけたのがいっぱいあったんですけど、とりあえず思いついたのをダーッと出していって、その中でピンときたのが「自然経営」っていう言葉だったので、「これでいいんじゃないか」みたいなことで決まった、みたいな。
それと比べて「ティール組織」っていう言葉って、もともとあれを書いたフレデリック・ラルーという方も「あくまで組織のパラダイムの違い」みたいな言い方をしていて、「どういう世界観のもとに組織をつくっていますか」っていうのの組織の発展段階のことを言っているだけなので、「どういう世界観をもってますか?」っていうのがだんだん発展していくよね、っていうのの違いだけを言っているので。
だから、どんどん難しいことができるようになっていったし、抽象的なこともわかるようになっていったし」っていう、「人の発達があったよねっていうのと同じく、組織も発展するよね」っていうことを言っているだけなので、例えばで言うと、むかしの人類って「二足歩行できるようになりました」みたいな時代があり、「道具を使えるようになりました」ってあり、「文字・言葉を使えるようになりました」があり、「集団で何かをできるように社会化されました」とかがあり、「活版印刷ができて」とか「蒸気機関ができて機械といろいろできるようになりまして」っていうので、「人も変わってきたよね」って。
そうですね。人類の進化の歴史ありますね。
でも、それはべつにいい・悪いではなくて、彼らが目指したのは「いいルールを作って、そこに則ってほしい」っていうことなので、ティールへの上り方の1つを彼らは作ってるっていう感じですね、きっと。
ただ、僕の今時点での理解でいくと、さっきの進化論みたいな話がすごく近いと思っていて、今までの組織のつくり方とかって基本的に機械をつくるかのごとく、「青写真があって」とか、「行きたい先があって、そこから逆算して積み上げていくと結果的にいいものがつくれる」っていうふうにぜんぶできてると思うんですけど、ダイヤモンドメディアがやっていることとかも、「僕の中で見ていると」っていう前提がつくんですけど、結果を決めて逆算して何かをするんではなくて、未来から返ってきて次のアクションを決めるんじゃなくて、目の前で今そこにある状況から次に何をすればどうよくなるのかっていうことを、ゼロから次を考えるみたいなことを繰り返していくと、「水を高いところから流すと、結果的に流れ着くところがあるじゃないですか」っていう感じで、上から流していくみたいなもので。
ティールとかとの使い方の違いっていうか、考え方の違いみたいなのはあるんですか?
ちょうど今年の1月からなので、12月で12回続いてるとこですね。毎回3・40人ぐらい来ていただいて、やってきてます。
で、オズビジョンも鈴木さんって社長がおっしゃってたんですけど、なんであれに載ったかいまいちわかってなくて、「たまたまどっかでインタビューみたいなのを答えたのを引っ張ってくれたらしい」みたいな感じで。
そしたら、ヨーロッパ人ばっかりだったんですけど「何言ってるんだおまえは」みたいな感じで言われて、「アジャイルとかリーンとかってもともとトヨタじゃん」みたいなことをすごい言われて、「日本から学んだんだよ、僕らは」みたいなことをすごい言われて、そうなのかと。
外から見るものと中で体験するものってもちろん違うので、彼らがよく見えるものと内実は違ったりするとこあると思うんですけど、とはいえ何かリスペクトしてもらえるものがあるんであれば、それを今あるものとか歴史的にあったものをよりよくしようってチャレンジできるのは、それは日本に生まれ育ってる人たちがやらないと、外からはわからないので。
って思うと、自分たちの中から次の世代に向けてっていうのを、日本人的に合うものをつくりにいくっていうのは大事なことな気がしているので、この器がそういうのにつながっていけばいいなと個人的にはすごく思っていて。
振り返ってみると、昭和40年代とか、戦後2・30年ぐらいに日本人論みたいのがすごい盛り上がったらしくて、「日本はなぜ負けたのか」みたいなこととか、西洋が入ってきてすごく国として伸びていったときに「そもそも日本人は」とかっていうがすごい流行ったらしくて、みたいなことで書いてあることって結構今でも通じることがたくさんあって。
いいものはきっと残っているので、それをもう1回見直したうえで、とはいえインターネット全盛で、チャットですべてが済んでいく、かつ、もっとリモートというか働く環境も変わっていく中で、今らしくそれをアップデートするってのはぜんぜん違うことなので、どっちも見つつ次をつくりにいくってちゃんとやんなきゃいけないと思うので、そこは非常に大事なチャレンジだなと。「テクノロジーとかもちゃんと使わなきゃね」とか、大事だと思ってるので。
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