2017年7月から進化型組織の実践をはじめた株式会社ブレスカンパニー。
ラボの裏側では、進化型組織を実践する過程で何を思い、何が起こったのか?社員目線で赤裸々に報告します。
社員に主体性がないと嘆く前にあなたの職場に心理的安全性はありますか?
指示されたことしかせず、主体的に仕事に取り組んでくれない。
もっと自分の頭で考えて意見を言って欲しい。モチベーション高く行動して欲しい。
そんな悩みを抱えている人は、経営者に限らずマネジメントをした事がある方は
一度は思った事があるんじゃないでしょうか?
私も何万回思ったかしれません。
モチベーションを高めるために、研修に行かせたり、
インセンティブを与えたり、考えられるいろんな施策を実践している方も
少なくないかもしれませんが、これから紹介する方法は、費用は一切かかりません。
だけど効果は絶大なんです。
そう。チームのモチベーションをあげる一番大切な要素は、
チームに心理的安全性を確保することです。
私は、新卒から10年間、保険会社でマネジメント職を経験しました。
退職後、ブレスカンパニーに入社し、ブレスカンパニーのチーム作り、
さらに手放す経営ラボのチーム作りを経験してきて心底大事だと思ったのが、
この「心理的安全性」です。
心理的安全性は、他者の反応に怯えたり羞恥心を感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のことを指します。
BIZ HINTより
この心理的安全性は、アメリカのGoogle社が行った
うまくいっているチームの共通要因を分析する研究「プロジェクト・アリストテレス」
の成果として知られるようになった言葉です。
Googleは数年がかりで研究に取り組んだ結果、
次の5つが良いチーム作りに欠かせない要因だと定義しました。
しかも、これはチームの効果に影響する因子が重要な順に示しています。
お分かりのように「心理的安全性」が最も重要ということです。
心理的安全性の具体例
心理的安全性は
「こんな発言しても大丈夫かな?と心配になるようなことを言ったとしても、このチームなら大丈夫だ」
と信じられるかどうかを意味します。
要するに、ありのままの自分をさらけ出しても
大丈夫かどうかということです。
遡ること10年前、保険会社で死に物狂いで働いていた頃の私。
会議時に発言権はほぼありませんでした。
会社に家庭の事情を持ち込むことはタブーな雰囲気がありました。
いろんな環境の人がいるから、自分のプライベートなことは持ち込まない方が良い、と。
デスクに家族の写真を飾るのはやめた方が良い、とアドバイスされたりもしました。
要するに、会社では会社の仮面を被った状態でいた方が望ましい。という事です。
そうする事が全てダメと言うつもりもなく、
仮面を被る事で身についたスキルもあったと思います。
ただ一つ言えることは、仮面を被るのはとてもストレスがかかる、ということです。
「子供の参観日なので、お休みします」は言いにくいし、
「子供が熱を出したので休みます」も言えませんでした。
本来、会社を休んで子供の看病をしたいと思っている私がいたとしても、
仮面の私はそれができませんでした。
子供を病児保育(※病気の子供を預かってくれる小児科併設の一時預かり施設)
に預けるという選択肢しかありません。
このような状況下で、ものすごくストレスを感じていました。
そんな心理状態で出勤しても良いパフォーマンスを発揮できるとも思えません。
だいたいいつも病児保育に子供を預けた後、出勤する道すがら「もう仕事辞めよう」と思っていました。
ある時、私の上司が支社長の反対を押し切って
自分のやりたいプロジェクトを行ったことがありました。
その結果、上司は支社の中でかなり浮いた存在になり、
業績とは関係なく左遷された記憶もあります。
こういった状況を目の当たりにする中で、
「空気を読む」「言われたことを大外れしない程度にやっていこう」
という術を身につけていったように思います。
冒頭の、「主体性を持って行動する」からは遠ざかっていったのです。
また、自分がマネジメントしていた時はどうだったのかな?と振り返った時に
「心理的安全性」に注目したことは皆無。かなりのパワーマネジメントをしていました。
今振り返れば、もっとチームメンバー一人一人に寄り添い、
心理的安全性を高めつつそれぞれが最高のパフォーマンスを上げられる環境をいかに作るか、
ということに注力すれば良かったと理解できます。
が、その当時、私もチームメンバーもいつも疲れていました。
手放す経営ラボのチーム作り
進化型組織の1つである「手放す経営」を実践している
手放す経営ラボラトリーではどうでしょう?
この「ラボの裏側」を今まで読んでいただいている方はもうご承知の通り、
「言いたい放題」ですよね。汗
本当に、こんなこと言っちゃって、書いちゃっていいの??状態だと思います。
そうです。私は、ほぼ、ありのままの自分をさらけ出しています。
それができるのは、組織に心理的安全性があることを感じられるからです。
こんな環境だからこそ、常に自分の頭で考えています。
今、何をしたら良いか、この状況を改善するためには何が必要か、
どの行動を起こせばゴールに近づくか。
自分で考えて行動することはとても楽しいです。
もし、ラボ所長の坂東が私の発言や行動を受け入れることなく、
ただやみくもに否定をしたり、ちゃぶ台をひっくり返すようなことをしたら、また以前の私のように、
言われたことをただやる死んだ魚の眼をした社員になることでしょう。
所長もこの境地に至るまでは紆余曲折があったんだと思います。
だって、以前にも何度か記事にしましたが、
進化型組織の実践をする前、数年前のブレスカンパニーは
「心理的安全性」が低い状態でしたから。
自分の管理下で社員を支配していた頃の所長。
そして、進化型組織への移行を決断し、今いろんなものを手放した所長。
管理を手放し、メンバーを信じきる。
それにより、今いるメンバーの心理的安全性は急激に高まりました。
所長自身のストレスも激減したとのことです。
心理的安全性の確保。
コストは0ですが、これを実現するには経営者、チームリーダーの「管理を手放し、信じきる」
という意思を強固なものにする必要はあります。
「心理的安全性」と「ホールネス (全体性)」
手放す経営ラボでは最近、書籍「ティール組織」の読書会を何度か実施していますが、
今回のテーマ「心理的安全性」は進化型組織でも大事なファクターとして登場します。
(ティール組織については「ティール組織を5分で理解」を参考ください)
ティール組織、3つのファクター
1組織の存在目的
2自主経営(セルフマネジメント)
3個人としての全体性の発揮(ホールネス )
3番目のホールネス が心理的安全性の部分です。
ホールネス(全体性)とは、組織内の心理的安全性を高め全てのメンバーが自分の個性や長所、
短所までをも全面に出して安心して活動できる環境を整えることで
集団的知性が生み出す力を最大化させることができるという考え方です。
まとめ
良いチームを作り、チームのモチベーションをあげるためには、
心理的安全性を確保する事が第一条件。
これを念頭においたチーム作りに取り組んでみてはいかがでしょうか?
と、簡単にまとめましたが、一朝一夕で変えられるマインドではないとも思います。
手放す経営ラボでは、定期的に進化型組織づくりや新しい働き方に関する勉強会を
坂東所長のファシリテーションで開催しています。
組織作り、チーム作りのヒントが欲しい!と思われた方、
今後のイベント情報にぜひ注目してくださいね♪