社員の主体性をいかに引き出すか。
リーダーにとって、永遠のテーマとも言えますが、先日、熊本の住宅会社のC社長から示唆に富むエピソードを聞きました。
「2年前に起きた震災の時のことです。
その時の社員の動きが、すごかったんですよ。
何の指示も出していないのに、すぐに手分けして全てのお客様に連絡を取って安否の確認をして。
その後、これまで建てた住宅に全件訪問して、状況の確認をしたんです。
誰がリーダーシップを取るということでもなく自然に。
こんなにも一致団結して、自主的に判断して動けるんだなあと、感動しまして。
また同時に、いかに普段は社長や幹部の影響力が強いのかということを自覚する機会になりました。」
有事の際に、自主的に適切な判断と行動ができる。
これは、この企業の社員が日頃きちんと教育されてきているから、成しえたことなのでしょうか?
そうではなく「社員は誰もが、環境次第で、主体性を発揮しうる。」
と信じるわけにはいかないでしょうか?
社員の主体性を引き出す“環境”づくりのポイントは、たった2つです。
ひとつには、“任せる”ことです。
幹部や上司の指示命令によって、人を動かすことはできます。
しかし、そこには“やらされ感”が伴います。
“やらされ感”を“自分ゴト”に変えるには、管理を手放すことが大きなテーマになります。
組織において上司の影響力は、思った以上に強力に作用しています。(C社長談のように。)
もうひとつのポイントは“ミッション”です。
この仕事は、誰のためにするのか?何のためにするのか?
事業にリーダーの個人的な思惑を超えた社会的な意義や本質的な価値があれば、正しい求心力が生まれ、任せていてもブレなくなるのです。
《まとめ》
主体性の発揮には、「任せる」&「ミッション」。
どちらかだけでは不十分。