経営者にとって「権限委譲」は永遠のテーマ、ですよね。
その「権限委譲」を上手に行って組織づくりをしている企業の話を聞く機会がありました。
その企業とは、日本初のAIヘッドハンティングサービスを手がける「株式会社scouty(スカウティ)」です。
進化型組織の一つである「ホラクラシー」という組織手法を活用しているのですが、
その組織づくりにおいて特に二つの特徴がユニークだと感じました。
ひとつめは、
【「憲法」によって、権限の分散を可能にしている】
ことです。
たとえば…
・横浜市で決めることについて、すべて安倍首相への報告、承認が必要。
・福岡市長が決めたことを、安倍首相がひっくり返した。etc.
こういったことは、地方自治では起きません。
なぜなら、法律で役割や権限が決まっているからです。
しかし、企業ではよく聞きますよね。
例に挙げると…
・マーケティングチームで決めることについて、すべて社長への報告、承認が必要。
・リーダーが決めたことを、社長がひっくり返した。etc.
この状態が続くと、社員はテンションが下がるし、社長もストレスが溜まります。
これを解決するために、scoutyでは社内の憲法を定めて、役割と権限を決め、
社長であっても従わなくてはいけない仕組みにしている。
それによって、各チームは侵されない権限を得て、
安心して役割と責任を全うすることができる、というわけです。
もう一つの特徴、それは
【問題や不具合がすぐに改善される仕組みがある】
です。
取り決めをしてスタートしても、運用上で不具合がでてきます。
例)顧客向けのイベントの責任者が不明確で、案内が遅れた
そうした問題が生じた時に、ことの大小関係なく、誰でも書き込めるフォームが用意されています。
そして、改善のためのミーティングが、定期的に行われるのです。
(ミーティングの進め方も憲法で明文化されています)
この改善のプロセスがあることで、実行することのプレッシャーが軽くなり「とりあえずやってみよう」
とPDCAのスピードが上がるのです。
CEOの島田寛基さんは、下記のような問題は解決しやすいと話していました。
「権限委譲してみたが、結局任せきれず介入してしまった」
「誰がやるか決まっておらず担当者がふわついている仕事が多い」
「上の合意がないと何もできないのでスピードが落ちる」etc.
島田さんはコラムも書かれていますし、つくった憲法や組織図も公開されています。
トップダウン型の組織に限界を感じている方は、要チェックです!
《まとめ》
権限委譲のポイントは、経営トップの権力より強い「法律」をつくること
※純ホラクラシー組織の運用法のすべて(島田寛基さんのコラム)
https://hr-tech-lab.scouty.co.
※ホラクラシー憲法(scouty ver.)
https://github.com/scouty-inc/
※株式会社scouty