2017年7月から進化型組織の実践をはじめた株式会社ブレスカンパニー。
代表の坂東孝浩が、試行錯誤の様子を日記として綴ります。
経費を透明化したら炎上した理由とは?!(後編)
「給与をいくら透明化したって、経費がグレーだったら意味ないじゃんって思ってました」
と経費の裁量権や使途が不明な状態が不信感につながっている
ということが判明したので(詳細は前編)どうすれば納得感を持てるように改善できるのか?
を考えました。
まず、現状を明らかにしようと、
過去の経費(特に会議費、交際費)の内訳をすべて透明化しました。
その上で、ひとつずつ「必要な経費なのか?」「会社の利益に繋がっているのか?」
といった基準で線引きをしました。
たとえば、
◎取引先との会食
▲知り合いの経営者との食事
といった具合で。
他にも、
×勉強会の受講費用
×経営者の茶道の会
など、現時点では仕事と直結しなさそうな勉強会や、
「ぶっちゃけこれは趣味ですよね?」的な会費は「アウト〜!」となりました。
「経営者は24時間いつも経営のことばっかり考えて行動してるんだって!」
「どこでどうビジネスにつながるかわからないからこそ、種まきや付き合いが必要なんだ!!」
「経営者こそ勉強しなきゃ!トップの伸びしろが、企業の成長余力なんだよ〜!!!」
などと、なんども叫びそうになりましたが……
心の中に封印しました。(メンバーいわく、顔には出ていたそうですが……汗)
いやあ、ぶっちゃけいうとですね。
「24時間全てが経営」というセリフ、私は“免罪符”として使っていました。
そして“経費=経営者の私が使っていいお金”と思ってました。
しかし、社員からすれば“経費=会社のお金=私たちのお金”です。(当たり前です。)
社内の“不信のタネ”をなくすという視点にたてば、
経費の使い方や裁量権は、丁寧に扱わなければいけないテーマでした。
最終的に決まったのは、下記のとおりです。
・私が使う経費の毎月の上限を決める(適正に使っていたと判断された金額を元に算出)
・今後、経費として認めない費用の一部は、私の役員報酬に上乗せする
・メンバーも経費が使えるルールを決める
そして新たに「経費相談チャット」をつくりました。
経費扱いしていいかどうか悩んだ時に、相談ができる仕組みです。
(ちなみに、これは多数決や合議制ではなく、意見をもらった上で相談者が決めることができます。
進化型組織でよく使われている助言プロセスのようなしくみです。)
というわけで……
私の予想を超えて紛糾した経費ミーティングは、このように一区切りがつきました。
このやり方が適切なのかどうか?
取り決めの内容が正解かどうか?
それは、わかりません……。
少なくとも現時点では納得度が高い、ということであり、
今後運用しながら、随時改善し実践していきます。
《まとめ》
“お金のグレーゾーン”は、社員からは切り出せない。
トップが気づかぬうちに社員の信用を失い、退職理由に繋がっているかもしれない。
「管理を手放す」「情報の透明化」「給料を話し合って決める」etc.
株式会社ブレスカンパニーでは、進化型組織の実践を“身体を張って“行っています。
さまざまな施策は“実証実験“として行なっており、上手くいったり、失敗したりすることが、手放す経営ラボラトリーとしての知見として蓄積されています。
この「社長の給料丸見え日記」はエンターテインメントとして楽しんでいただきつつ、不用意にマネをしないようご注意ください。
(自社で実践をしたい方はお気軽にご相談ください)