第11回は【北條久美子のポイっと♪質問投げてみた】
「経営者の孤独問題」について、所長の坂東孝浩がお答えします。
北條
Hello everyone! Welcome to 手放す経営ラボラトリー。今回は助手 北條久美子のポイッと質問投げてみた。はい、では所長、今日もよろしくお願いします。
坂東
よろしくお願いします！
北條
お願いします。今日は北條久美子のポイッと質問投げてみたということで、よくある経営者の孤独問題についてお話聞きたいんです。手放したらどうなるのかっていう。
坂東
どうなるのかと。
北條
はい。よく経営者の方が「結局、経営のこと考えるのって自分だけだ。寝ても覚めても会社のことを考えてる」みたいなことを聞くんですよ。
それって坂東さんも経営者なので感じられたと思うんですけど、手放す経営にして、坂東さんも含め世の中一般的に手放した会社さんがどんなふうに変わってるかというのを聞きたいなと思って。
坂東
結局、自分が全責任を負ってるし、他に経営者感覚を持ってる人が社内にいないから、だから同じレベルで相談ができないっていうのが。
北條
はい、それですそれです。
坂東
それですか？
北條
それです。
坂東
何か心当たりがあるの？
北條
あります。やっぱりね、身近に経営者の方がいるんですけど、「その荷物背負ってたら重いでしょ」っていうぐらい、社員のちょっとしたゴタゴタから、労働環境がどうのってっていうのに答えなきゃいけないとか、一方で予算を達成しないととか、会社の資金繰りが……みたいなのとか、お金まわり、人問題、ヒト・モノ・カネ・情報みたいな全てが経営者の肩に乗ってるな、っていう人をよく見るんですよね。それがちょっとつらいなと思って。
坂東
「手放す」というのは色々なカテゴリーがあるとは思うんですけども、そのうちのひとつに権限、決裁権を手放すというようなことができていけると、孤独っていうのは減らしていくことができるかなとは思うんですよ。
北條
決裁権をポイッと。
坂東
決裁権をポイッと。
北條
すると孤独は減る？
坂東
そう。決裁権というのは基本的にリーダーとかトップが持っていて、決める権利と責任って比例するじゃないですか。
北條
そうですね。
坂東
例えば人事権、「あの人を今度マネージャーにしよう」とか、あるいは降格させなきゃいけないとか、あるいは人事評価みたいなところも仮にトップが全部握っていて、給料とかボーナスとかを全部決めてるんじゃなくて、それは全部部署に任せる、あるいは部下に任せてしまうということをすれば、その部分の孤独感は減りますよね。
北條
「やってくれてんのかな？」っていう不安とかはないんですか？
坂東
そうなんですよ。それはもちろんあります。でも、それは別問題ですね、孤独感と。
北條
孤独とは？
坂東
うん。だから、ストレスとか不安感というのとは……。ストレスが別のものに変わるという感じですかね。孤独というストレスは決裁権をどんどん自分からなくしていって、権限をメチャクチャ委譲していくことによって、とにかく事業をどういうふうに進めていくか、商品をどうやって改善していくか、どうやってマーケティングをしていくか、そういったものを各部署とか担当の人に全部任せてしまうと。自分は決めない。承認もしない。
北條
ほぉ～。逆に孤独じゃないですか？それ（笑）違う孤独が待ってんじゃ……
坂東
ポツーンとね（笑）
北條
そうそう、ポツーンとしたりしません？それはない？
坂東
それはまた別問題ですね。
北條
別の孤独？
坂東
別の孤独。でも、それってですね、同じ会社を運営していく際に役割分担ができてるっていうことで、経営者からしたら、それがなくなってて自分が何も決めることがないかっていうと、そうじゃないと思うんですよ。
北條
そうか。
坂東
それが全部なくなって、「あれ？？俺、いなくなっても良くない？」みたいになったら、それはもしかしたら理想的なことかもしれなくて、「じゃあ新しいことしよう」みたいなね。
北條
そうですね。
坂東
それによって孤独感を感じるっていうことは、物理的に時間が空いたり、頭の隙間が空いたりするんで、それをどのように活用するかっていうのはまた別のフェーズなんですけど、「経営者は孤独だ」とか言いながら、実際に自分がやっぱりコントロールしたいとか、自分で決めないと不安だと思ってるから、手放さないから、だから他の人は決めれないし、「結局社長が決めるんでしょ？」と思ってるから手も出さないし、「いや、やっぱりこれはこうしたほうが良いんじゃないか」って社長が言うから「じゃあ社長の言う通りにしてこう」というふうなことで、社長のレベルまで上がれない、上がる気がなくなっちゃう。
北條
そうですね。自分で考えない人になっちゃいますもんね。
坂東
そうなんですよ。そういう関係をつくってるのは、社長が大事なところを手放さないからっていうようなことは言える。
だから、自分の孤独っていうのは自分自身がつくり出してるっていうことが多いかなとは思います。
北條
これ名言ですね、「孤独は自分自身がつくってる」。
坂東
自分がそうしたくてしている。「経営者は孤独の罰が要る」とかいう言い方をしますけども、やっぱ新しいことをやるときの決断するということは経営者にしかできなかったりもするんですけどね。
ですけど、本当に自分でしかできないことと、自分がやらなくても任せられることをどんどん任せていくことによって、自分以外の人がどんどん事業を進めてくれている、どんどん決めてくれているということは頼もしさとかいうことに繋がってきて、ちょっと寂しい部分はあったりすると思うんですよ、「ああ、自分の手離れちゃった」なんて。
北條
ああ、子離れ的なね。
坂東
子離れ的な感覚はあるかもしれないですけど、それと引き換えに孤独感は少なくなると思うんですよ。なぜならチームで動いてるっていう実感を得られるんで。
北條
そうですね。コミュニケーションも増えそうですよね。ひとりで経営者が抱えてるものを手放していくっていうことは、つまりは権限委譲をするには「こうしてね」「ああしてね」「こうしてほしいと思ってる」とか思いは伝えるじゃないですか。「こうしてね」は伝えなくても思いは伝えますよね。
そうすると、自分だけで抱えてたものをどんどん渡していけるので、孤独イコール重荷というか、負担というか、責任なんですかね。
坂東
抱え込むと自分だけのものになって、イコールそれは他の人にとっては他人事になってしまうので、そういう意味では孤独感のもとにはなりやすいでしょうね。
北條
そうですね。それ、なんとなくキャリアカウンセラー的に言っても、自己開示をしないからフィードバックがもらえないし、「ジョハリの窓」っていう、人には4つの窓があるっていう話があって、結局自分しか知らない自分でいたら新しい道って開けないんですよね。自分を誰かに伝えると誰かがフィードバックをくれる。で、人からの意見聞く、自分のこと話す、っていうことによって未知の窓が開いていく……みたいなことがあるんですけど、経営者もそれは一緒ですよね。社員を信じて委ねていく。「“委ねる”を手放す」っていう言い方にちょっとしているところもあると思いますけど。
坂東
もちろんそうです。ですから、信じて委ねていくというところがポイントで、「信じる」っていうことがベースになってくるんですよ。
北條
これ、絶対のベースですよね。
坂東
そうなんですよ。でも、それがなかなか難しいんですよ、経営者は。
北條
これはね、信じようと思っても信じられるかっていうと、イコールじゃないじゃないですか。
坂東
そうっすね。
北條
信じると決めても、「とはいえ、あいつ……」みたいなネガティブなところって見え隠れするじゃないですか。
坂東
もちろん。やっぱり経営者はずっと経営を積み重ねてくると、色んな人との出会いとか、社員の人でも「あいつに騙された！」とか「裏切られた！」とか、みたいなこともあるし、「思うように動いてくんない！」とかいうことの中で不信が積み重なったりするんですよ。
だから、それで任せるっていうのはとっても難しいと。「もっと管理しなきゃ」「もっとコントロールしなきゃ」っていうふうに思う人も多いと思うんですよね。
北條
その「不信」まで手放すっていう、不信をポイッとするのってどうやったらできるんですか？
坂東
不信を手放したら信用に繋がるのかな。どうなんだろうなあ。
北條
そうですよね。これ、すごい大きなテーマだと思うんですよね。
坂東
私は、コントロールをすることによって相手がそれに合わせてきて、イエスマンをつくってしまう。イエスマンになるから必要以上のことはやらない。そうすると、社長からしたら不安が出る。だから、もっと何かしなきゃいけないんじゃないかっていって干渉していく、もっとイエスマンになっていく……みたいなスパイラルじゃないかなというふうに思うわけですね。
北條
その、じゃあ、スパイラルを断ち切る必要があるということですよね。
坂東
断ち切るには、「『もっと管理しなきゃ』『何かアプローチしないとできるようにならないだろう』じゃなくて、全くコントロールを手放したほうが、信じて任せたほうが上手くいくんじゃないか、自主的になってくれるんじゃないか」っていうような発想の転換をするっていうことですかね。
北條
これ、すごくねぇ、発想の転換したいんだけどできないっていう経営者の方もきっと多いと思うんですよ。
坂東
まあ、ほとんどですね。私だって苦労してます。
北條
ですよね。その辺ってもっともっと丁寧に私は研究していきたいなと思っているので。
坂東
そうですねぇ、うん。
北條
ぜひ、また詳しく教えてほしいと思います。
坂東
はい。
北條
というわけで、今週はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。
坂東
ありがとうございました。
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