12/14に【手放すTALK LIVE#26】自分を「観る」と、生き方が変わる。経営が変わる。 〜由佐美加子の全てが詰まった集大成をひもとく!〜をテーマにトークライブを開催しました。 トークライブのダイジェストを2回に分けてお届けします。
ゲスト 由佐美加子さん
◆経歴
幼少期からヨーロッパ、アジア、米国で育ち、米国大学卒業後、国際基督教大学(ICU)修士課程を経て ㈱野村総合研究所入社。その後㈱リクルートに転職し、事業企画職を経て人事部に異動。次世代リーダーのあるべき姿を模索する中でMIT上級講師ピーター・センゲ氏が提唱する「学習する組織」と出会う。以降、ソーシャルテクノロジーと呼ばれる最先端の人と組織の覚醒と進化の手法を探求し続ける。2005年Appreciative Inquiry(AI)を生み出したデビッド・クーパライダー教授が教える米国ケースウェスタンリザーブ大学経営大学院で組織開発修士号を最高成績で修了。出産を経て2006年よりグローバル企業の人事部マネジャーとして人材・組織開発、新卒採用・育成を担う。2011年に独立、3年後に合同会社CCCを設立。いい・悪い、正しい・間違っているという二元的な世界観に立脚した生き方ではなく、すべてが”ただある”という内なる世界の受容と自己愛を源とした「全体性」から生きるための智慧や手法を生み出し、統合して個人や組織の覚醒と進化を様々な形で支援している。
◆著書
「ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー」
「無意識がわかれば人生が変わる – 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される -」
ザ・メンタルモデル ワークブック: 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト
※参考
ザ・メンタルモデルとは「外側で起きていること、体験していることのすべては、その人の内側にある内的世界から創り出されている」という仮説に基づく。
私たちは、各自のメンタルモデルに向き合うことで変容を果たし、不本意な現実に振り回される人生から決別し、本来創りたい世界の実現に向けて邁進することができる。
登壇者紹介
坂東:手放す経営ラボラトリー所長(ごきげんな組織が増える活動を葛藤しながら模索中)
大山:手放す経営ラボ研究員(女性の社会進出や自立に関心がある。3人の子供の子育て真っ只中)
乾:手放す経営ラボ研究員(YouTube番組「社長、今日も斬らせていただきます」の中で、みいちゃんから一度ひもときセッションを受けている、経営者代表として参加。セッションの様子はこちら)
これまでの集大成として全てを詰め込んだワークブックを世に送り出した理由とは?
坂東:由佐さん、今日はよろしくお願いします。まず、10月にザ・メンタルモデル ワークブックを出版されて、さっそく読んでみたんですが、驚いたことが二つありまして。
一つは、以前出版された書籍のザ・メンタルモデル のことが、今回の、「ザ・メンタルモデルワークブック」には、ほとんど出てこないことなんですよ。こんな分厚いのに。
あれ?ザ・メンタルモデルのワークブックじゃないんだって。
坂東:そして、もう一つが、講座の中でやるようなことをまるっと全部書籍の中で公開しちゃっていることです。みいちゃんの講座に参加したことのある乾さんも心配してました。
由佐:(笑)。私、人や組織は知識や情報では変わらないと思っていて。じゃあどうしたら変わるのかっていうと、”気づき”によって変わっていくんですよね。
その“気づき”はどこで起きるのか?っていうことと、どうしたらその“気づき”を日常で起こせるのかっていうのが、私のテーマとしてあります。
それを突き詰めて考えようと、以前はもうおかしいぐらい自己啓発オタクだったわけですよ。
自己啓発関連のことで、やってないものはないってぐらい学びまくってるし、いろんなものを試した中で、気づいたことがあります。
研修や講座や修行とか、いろんな体験をしに行って、もちろんそこでの気づきは大きいんだけれども、日常に帰ってくると、みんな元に戻っちゃうんですよね。
一過性の気づきの場合、それはそれで素晴らしいんだけれども、例えばこの人と上手くいかないとか、こういうこと言われたらムッとするな。どうしてだろう?って日々、生活の中で気づきをもたらすことの方が、本来あるべきだ姿だよねって、そこが本丸のはずだって思っていて。
ザ・メンタルモデルワークブックは、日々の気付きを起こすための、物事を認知するためのレンズと捉えていて、そのレンズを12種類伝えてるんですね。
レンズを通して日々、自分が体験することを見たときに、どういう気づきが起きますか?
ワークブックは、そんな体験にいざなうような仕立てになってるんです。
結局、その気付きを起こすことで、自分が自分について、理解していく。それが自己統合のプロセス。
それは個人の体験の中にあって、知識や情報を得たからと言って、それが起こるわけじゃないんですね。だから、その気付きを起こすためのレンズを提供し、自分でやってみて、見て感じて、それぞれが、気付きを起こすためにこの本を書いたんですよ。
「コイツとは仕事したくない」この感情をどう観るの?
坂東:講座を受けたら自分の観方は教わったりはできるんだけど、ワークブックは、それを日常的に使えるようにするっていう感じなんですか?
由佐:そう。
気づきってどういうタイミングで起こるかが人によって違うし、それは知識と情報ではなくて、やっぱり認知なんですよね。
結局、その気付きを起こしている根幹は、自分自身がその体験をどう観るかなんですよね。ワークブックの中に「嫌いな人ワーク」ってやつがあるんだけど、嫌いな人が出てくるわけ。
例えば、この人と仕事したくないっていう人が出てきた時に、今の人間の認知の仕方は、あくまでも嫌いな人として、なんでコイツはこうなんだ!っていうふうにしか見えない。
その認知だと気づきは起こんないんですね。分離しちゃってるから。
そこを、ワークブックではどうしてるかっていうと、嫌いな人が出現したときに、どういう風にそれを認知すればいいのかっていう、モノの観方が書いてあるんですよ。
それを通して観ると、「この人のこういうところが気に入らないと思ってるってことは、自分は何を分離させているんだろう?」っていう内省につなげるモノの観方のレンズと、そこからの振り返り方をセットで提供してるんですね。
これがテクノロジーとしてずっと伝えたかったんです。ここが本丸。
私は、世界が研修なんてことをやらなくてよくなって、みんなが日常の中で気づいていける人間の器になっていくのが一番人間の進化が遂げられると思ってるんです。
だから、特別なことをやらないと人間が成長できないとか、進化できないっていうのは違うんじゃないの?と思ってるんですよね。
素晴らしい学びの場もいっぱいあるし、もちろんその恩恵もあるんだけれども、それだけじゃなくて、日々自分がなんに気づけるのか?というところからものすごいブーストがかけられるんです。意識の進化は。
この可能性にかけてるんですよ。
だから、もともと講座として作ったJTSを、
いつか内容を本にして、テキストブックにしたかったんですね。
で、本にしてみたらかなり分厚くなっちゃって3000円弱ぐらいするんですけど、そのぐらいのお金で、みんながテクノロジーに触れられる、そのレンズに触れて自己探求ができるのを、とにかく社会に投げ込みたかったっていう感じがあります。
坂東:じゃあ講座とか研修とかなくなっちゃってもいいっていう感じですか?
由佐:特別な場であるっておかしいと思ってるんですよね。学びの場って日常じゃないですか。
人間が葛藤を起こすのって、日々の人間関係、仕事、家族、会社など、関係性の中ですよね。これは永遠と変わらないんだと思うんですよ。
逃避や克服、抵抗の中で人は変化できない
大山:レンズを通した観方を知ることで、日常的に自分ってこういう人なんだって気づく回数がめちゃくちゃ増えるってわけですね。
由佐:そう。何かの事象に、快か不快かで反応するのではなくて、なぜこの体験を私はしているのかっていうこと
が理解できれば、全然違う対応ができるんですよね。
例えば、嫌いな人がいて、この人って不快だと思っていると、一般的には、うまくやろうとするか距離をとるかのどっちかしかできないけど、自分はこの人のココを受け入れて無いから、この人がこう見えて、こういうところが気になるんだよなぁっていうことがわかると、その人嫌いだって切り離す、もしくはうまくやろうとして我慢するんじゃなくて、自分の理解からその体験を変えていけるんですよ。
そこが理解できるとその人が全然気にならなくなったりする。それって現実を1番早く変えられるコツ。
ただ反応して逃げてるか、もしくはうまくやろうとしてるかっていうパターンから違うものを創り出せるから、そこから抜け出せるんですよね。
自分の内側にある何が外側の体験として作り出されているのかを理解できたら、人はどんな風にでも現実を変えられる。
ここに確信を持ってるところがあるから、それを伝えたくて書きました。
坂東:亜矢子さんどうしたの?
大山:私、過剰反応してますね。実は、このザ・メンタルモデルワークブックをちょっとやってみたんです。
やってみて、たしかに気付きを得た気がするんですよね。
「気づいて、理解できれば、現実を変えていける」って今みいちゃんが力強く言ってくれたから「本当?!」ってなったっていう、そんな反応でした。
私はワークブックの一番初め、ダメな自分っていうところをやってみたんですが、そこってもうダメなものとして諦めてた。別にいいやんって。これをどうにかしようと努力もしないし、もうただ、「はい」って感じで諦めてたけど、変えていけるんだなぁと今ちょっと希望が湧いた感じがしました。
由佐:アヤコさんが今言ったのは、もう仕方がないやという諦めじゃないですか。諦めて見ないようにする逃避ってやつですよね。諦められない人はこれを克服しようとするわけですよ。
人間がやってるのってどっちかなんですね。
いずれにせよ、もともとあるものに対して抵抗を起こしていることは逃避も克服もどっちとも変わりないんですよ。
そのザ・メンタルモデルワークブックの中で共通している普遍的な原理は、「あるものはある。そう思い込んだ。そういうふうに信じた。それが正しいと思ったし、そうに違いないというふうに自分で思い込みました」っていうのが真実であって、実際は、怪しいんですよ。
事実が本当にそうなのかって言ったら必ずしもそうではないんだけど、それが人が持ってる信念ですよね。
で、この信念に抵抗するのをやめて、「私、それを握りしめて生きてきたんだよね」って感じられると、人間ってあるがままを受け入れられるわけですよ。
こっからが始まり。
ほとんどの変化は抵抗することだと思ってるんだけど、もう散々組織開発的なことをやってきて、痛感して思い知らされたのは人間は抵抗の中に変化は起こせないってことなんですよ。
ネガティブな感情を受け入れて、本当の自分を観るのが怖い。どうすれば?
坂東:いや〜でも、受け入れるって大変です。
由佐:頭ではね。でもね、感じる世界を使うと全然大変じゃないんですよ。受け入れたくないものがあるのは認めざるを得ないって思ってるんだけど、それを感じると、頭が発動してそれは感じないように、なんとかしようよっていう思考が回っていくんですけど、思考が回り始めるその手前に、感じている私がいるんですよ。必ず。
それが不快だから難しいって、それから逃げようとしたり、解決しようとしたり抵抗の行動を取ろうとするんだけれども、留まって感じろっていう話なんですよ。
本当に嫌だって痛いなあって、それは悲しいなぁとか。そこにとどまるんです。
でもね、頭が言うほど実は辛くなくて。思考に入る前の内側に何があるのか、何を感じているのかっていうところに踏みとどまることで、人間っていろんな知恵を得ることができるんですよ。
乾:僕は講座の中で、怖くて痛いことを感じに行ってみたことがあるんですけど、実際は1分しか持たなかったんですよ。痛いなって感じてたら、もう次の瞬間、別のことを考えだすから、味わえてるのって本当短いなっていうのは体感しました。
坂東:ワークブックをやろうと思う人は自分を観ることをまだしてない人がよし、やってみようと手に取るんだと思うんですけど、私も自分を観るのが本当に嫌だったんですよ。2年前まで。
自分を見て何が出てくるのかが怖かった。そういう人はどうしたらいいんですか?
由佐:多くの人って人間の内側ってパンドラの箱だっていう感覚を持ってると思ってるんですね。
開けたら邪悪なもの、恥ずかしいもの、汚いものがいっぱいあるんだって思っています。もしくは、弱い自分、ダメな自分がたくさんいるはずだっていう感覚があるんですよね。
その自分じゃダメだから今の自分じゃ十分じゃないから、みんなすごく頑張ってる。
でもね、本当にその本で伝えたいのは、どんなにその箱を開けても何も汚いものはないってこと。
でも、それは開けて感じてもらうしか道がないんですよ。
本当に命に必要だからそう思っているっていうことを感じて理解してもらう以外に道がないんですよ。
人間がそこにたどり着けなかったら人間は自分自身を愛せないわけ、いつまでたっても。
自分を愛せなかったらもちろん人も受け入れられないわけですよ。自分が分離してたら人のことは受け入られないんですよね。
だから内側を見て欲しい。
自分のことを受け入れれば受け入れるほど自分のことが絶対に愛おしくなるし、自分のことを受け入れられるってことは慈しめるようになっていくし、それは、甘やかしとは違うんですよ。
自分の凄さを証明して、所有物で何かを証明して、何かを手に入れてっていうところをやり尽くす。外側を向いてやりつくしたからこそ、でもなんかこれじゃないよねってなって、本当は自分はどうしたら満たされるのか?と思った人しかベクトルが内側に向かないんだけれども。
だから外側のことをやり切ってからで全然いいです。外側と内側の世界の繋がり、内側の世界が外側に現れてるんだよっていうことが分かるとめっちゃ生きやすくなります。
坂東:生きやすくなるんですね。
由佐:生きやすくなります。最高の理解は私は愛だと思ってるんで。
坂東:理解が愛か。
由佐:なんでその人がそうせざるを得ないんだろうかとか、どうして自分はそう考えるのかとか。どうしてかっていうことがわかると許せるじゃないですか。だからこういうことが起こるんだねって分かったら、人生は生きやすいって思ってるんだよね。
ほとんどの人の不満は、なんで私にこんなことが起こるのか、なんであの人はこんなんなんだろう、なんで私はこういうことしかできないのか、っていう世界だから。それがよく理解できるって平和につながっていくなあっていう感じ。そういう人を増やしたいんですよね。
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