TOKYOを手放しニセコ移住を決意した理由がスゴイ
先日、ニセコに行ってきました!北海道のニセコです。
なぜ行ったかというと、eumoの新井和宏さんに会いたかったから。
新井和宏さんは今年8月に手放す経営ラボ主催の、トークライブにゲストとして出ていただき、(めちゃくちゃ面白い話をしてくれました!)
【手放すTALK LIVE#22】金融業界のど真ん中から腐るお金へ(前編) ~元鎌倉投信 新井さんが手放してきたモノ~ ゲスト:株式会社eumo 代表取締役 新井和宏
その時「ニセコに移住する!」っておっしゃっていました。
私は北海道が好きだし「じゃあ冬になったら行きますね!」とお伝えしていたので、その約束を果たし(一方的な約束ですが、笑)に行ってきたんです。
さて、ニセコ町の町長さんが面白い。
町長は、新井さんの活動をご存知で、その活動に共感し昨年「ニセコ町は共感資本社会を目指していく!」と表明されたそうなんです。
新井さんが目指す「共感資本社会」をニセコ町も目指していく、と。
面白いことに、事前に新井さんに相談があったわけではなく、勝手に言い出したそうなんです。
そもそも「共感資本社会」って分かりにくいと思いませんか?
だから、現状町民はみんな「ポカーン」という状況らしいです(笑)
それでも町長はこの1年間「共感資本社会!」と言い続けている(それもすごい!)。
「これは何かお役に立ちたい!」と考えた新井さん。
これが新井さんがニセコ町に移住した理由なんです。
しかも、新井さんは町長に呼ばれたわけではなく、勝手に移住を決めたそう。それもスゴい話ですよね。
言い続けていたらそのうち必要なものは自然と集まる
一般的には「共感資本社会を目指す」と決めたなら、ニセコ町として新井さんに「移住して、町づくりを手伝ってくれませんか?」と依頼したり、顧問契約のような形でお金をお支払いしながらサポートしてもらったり、そうした流れをとることが考えられますよね。
ところが町長はそうしない。
お金を払って新井さんに来てもらうのは町にとっては投資となる。
投資して町の経済を成長させ、それによって投資の回収をする。
それって、これまでの資本主義の「あり方」と変わらないじゃないか?と。
そんな方法ではなく、もっと持続可能な「あり方」を目指したいんだ、ということで、新井さんに声も掛けず進めていきました。
発信し続けていたら、そのうち必要な人やモノは集まってくるだろうと考えていたそうです。
結果、実際に新井さんがやってきたという話は面白すぎる!と思いました。
ちなみに、意外だった話をご紹介。
ご存知のように、ニセコは国内有数のスキーリゾートです。
高級ホテルもバンバン立ってますし、冬になると多くの外国人がやってきます。
私はニセコ町に対して、外国人と外貨を呼び込んで経済を盛り上げていく戦略をとっている町だという印象を持っていました。
でも、実際にそうしたリゾート投資をしているのは、隣町の倶知安町で、ニセコ町にはそうした施設はないそうです。
そのことは初耳でしたし、町長の発言とも合点がいきました。
共感が集まるニセコ経済圏の作り方
新井さんは、「ニセコ町内の経済圏を作りたい」と言われてました。
「NISEKO eumo」というコミュニティー通貨をつくり、ニセコ町内で商売している店だけで使えるようにする。eumoは3ヶ月で有効期限が切れてしまう貯めることができない通貨です。
そうすると、なくなっちゃう位だったらどんどん使おうよと、グルグルお金が回るようになる。
さらにNISEKO eumoの加盟店は、ニセコ町外の会社やお店ではなく、ニセコ在住の素敵なお店に加盟してもらう。
ニセコリゾートでは、お金がたくさん使われていると思うんですが、大半は町外、道外の企業でしょう。
それでは、使われたお金が町内、北海道にとどまってはくれないんです。
NISEKO eumoは3ヶ月で有効期限が切れる設計ですが、期限切れのeumoは全額ニセコ町の子供たちのために使われるそうです。
その出口の設計、めちゃくちゃいいなぁと思いました。
私もNISEKO eumoにその場で換金して、買い物をしました。でも使い切れなくて、500eumoくらい残ったんです。私が3ヶ月以内にもう一回ニセコに行くかというと、可能性は低い。しかし期限切れのお金はニセコ町の子供たちのために使われるということなら、惜しくない・・・というか、逆に「どうぞどうぞ!」という気持ちになるんですよね。
そうした活動を通じて、ニセコ町での共感資本社会の創造に役立ちたい。という新井さん。本当に素敵だなぁと思いました。
住んでる自宅も共感の産物!?
ちなみに新井さんは新築の素敵な家に住んでました。
そこはコワーキングスペースとしても使うそうなんですが、「新井さんが建てたんですか?」と聞いたら「いや、これ不動産屋さんが建ててくれたんですよ」とビックリな答えが返ってきました。
ニセコ町って空き家がほとんどないらしく、「住居兼コワーキングスペースのような形で使えるような物件を探してるけどないですか?」と不動産屋さんに相談したら、「ないから建ててあげるよ」と言われて、新井さんの要望通りに建ててくれたそうです。
新井さんはその新築の家に、家賃を払いながら住んでるそうです。
なんというか・・・
新井さんって、「共感資本社会」を実地で生きてるんだなぁ、と実感しました。