2021年9月14日【手放すTALK LIVE#23】いま話題の“ウェルビーイング“経営ってなに? ~人と組織がごきげんになる手放し方~ ゲスト:株式会社 ヒューマンポテンシャルラボ 代表取締役:山下 悠一さん
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ゲスト紹介:山下 悠一さん (株)ヒューマンポテンシャルラボ 代表取締役
1978年札幌生まれ。早稲田大学理工学部建築学科出身。
外資系コンサルティングファームに12年勤務し、企業戦略から 人事戦略・組織開発、システム導入まで幅広く等を手がける。
近代西洋パラダイムに基づく経営手法の限界を痛感し2015年に ドロップアウト。
ブログ「僕がアクセンチュアを辞めた理由」が大きな反響を呼ぶ。
その後、農業やパーマカルチャー、禅、ヨーガ、ネイティブアメリカンなどの古代叡智と米国カウンターカルチャーを体験し、2018年6月、古代叡智から最先端テクノロジーを融合し、人の内的成長と潜在能力を開発するヒューマンポテンシャルラボを立ち上げる。
2019年4月に株式会社アカツキから資金調達、2021年5月 クラウドファンディング型資金調達にチャレンジし、134名の株主に。
ポスト資本主義型の経営に関しても試行錯誤している真っ最中。
僕らは生存戦略的に身につけた鎧を纏って生きている
山下:自分の強みを見つけるサーベイで「ストレングスファインダー」ってあるでしょ?」それをやっている方と、新プログラムを企画しようと言うことになっていて。「ストレングスファインダー」ではなく「ポテンシャルファインダー」。いいでしょう?
坂東:何が違うんですか?
山下:人の才能(強み)は変わらないっていうのがストレングスファインダーの前提になっていると思うんですけど、ポテンシャルファインダーは、才能と強みは違うという前提です。
才能は、人が生まれた時から持っている種のようなイメージ。例えばどんぐりは種が将来大きな木になる遺伝子を持ってるわけですから、それが自然じゃないですか。
それをある人は「使命」というかもしれないし、「パーパス」と言うかもしれないですけど、そういうものが才能。だから人は全員才能がある。
でも今、巷で言われている才能って、一般の人ができない何か特別なもの、分かりやすく出現しているものを指している。それって単純に「強み」のことしか言ってなかったりする。
で、多くの場合、強みは鎧なんですよね。
自分を守る生存戦略として後天的に頑張って身に付けてきた鎧なんですよね。それらの強みのことを才能とされちゃってるんですよね。
坂東:だって武器がなかったら自分には何も無いと思ってましたもん。
山下:僕もアクセンチュアにいる時は、モテたい、かっこよくありたい、多くの知識を持っていたい、おもしろいこと言いたい・・・これって全部自分の表面にコーティングしていく武器や鎧なんですよ。それはそれで素晴らしいですよ。
だけど、本当は自分の武器って「持ちもの」であって自分自身ではないんです。鎧として持っているものと本質は多分違うんですよ。その不一致が過度になると、人は鬱になったりする。
武器や鎧を身につけて強くなればなるほど、人を倒せるじゃないですか。強くなりすぎるとそういうことが起きる。
自分が強くなると、同じようことを相手に求め始める。弱い人に強く当たって、批判して、ジャッジして、どんどんその人の良いところではなく、悪いところが目につくようになるよね。
坂東:やってましたね。よかれと思って。
山下:自分が身につけた鎧の部分が強く出過ぎたときにそういう悪影響がで始める。単純に自分の強みが分かって、それを伸ばせばいいって話じゃなく、その奥にある本当の生々しい部分ってなんだろうって考ると、この思考は自分を守ろうとする生存本能からきている。それって結局、恐れと結びついてるんですよね。
坂東:結び付いてますね。
山下:不安と怖れを回避するために、どうやって回避するかというのが思考の役割じゃないですか。でも、もっとパワフルなポテンシャルを発揮すると、それって愛と勇気になるんですよね。愛と勇気が人間誰もが持っている本当に強いポテンシャルを発揮するもの。
坂東:ポテンシャルってみんな持ってるんですか?
山下:本来、全員が持っているんですけど、ポテンシャルが発揮できていない場合は多い。なぜ出てこないかというと、自分自身が満たされていないから。だから不安や恐れを回避しようと鎧をつけようとする。僕がアクセンチュアにいた時はまさにそうですよね。いろんなスキル身につけたけど、中身が満たされてないから、何やっても鎧が強くなっていくだけ。本当の自分はますます弱い人間であるっていう信念を強めていっちゃう。
坂東:周りからはすごい仕事できるねって思われてるけど無力感…。
本当にやりたいことは何?身体の声に耳をすませよう。
山下:不安がどんどん強くなって本当の意味での愛と勇気を発揮することが難しくなっていく。そんな風に頭で考えている時、体はどうなっているかというと、いかに居心地よく生きられるか、それしか考えてないわけですよ。体は最高に気持ちの良い状態しか求めていないので、頭で考えることと、体が考えることの役割は違います。
坂東:身体に聞けば、本当に自分のしたいことが分かる?
山下:僕たちはこれまで体の声を聞かないように教育されてきたわけですよ。
ずっと居心地が悪いのに、同じ姿勢でパソコンを打ってたり、睡眠時間を減らしたり、早飯したり。全部体の声を無視したことをやってきたじゃないですか。
坂東:私20代の時営業していたんですけど、「早飯早グソ芸のうち」ってやってましたもん。(笑)
山下:今、地球環境の破壊が問題視されてますけど、同じく人間の環境は体じゃないですか。自分の身体を環境破壊しているんです。だから最近は環境破壊をやめようということで、体をもっと大事にしようっていう流れがあると思うんですよね。
体が感情を生み、思考を作る。アウトプットとしての思考が本来のポテンシャルを発揮するためには、この環境をよりよくしなきゃいけない。だから環境(身体)は常に安心と安全を求めるてるし。身体を大切にしないとアウトプットとして出てくる思考はいいものにはならないよね。
坂東:体は自分の持ち物だと思ってたし、コントロールできるもんだと思ってました。
山下:逆なんですよ。だって呼吸はコントロールできるギリギリの範囲ですけど、心臓とかね。心拍を自動で早めたりできないじゃないですか。
立ち上がる時に、この筋肉とこの筋肉でこの筋肉をこういう風に動かしてって考えないじゃないですか。体が勝手にやってくれっている。
坂東:自律分散的な動きをしているということ。
山下:そうそう。決して脳が司令塔ではない。だって夜中が寝てる時、居心地悪いと思ったら、体が勝手に動くじゃないですか。だから脳は思考では動いてないですね。その辺の考え方はものすごいパラダイムシフトが必要ですね。
坂東:悠一さんのパラダイムシフトはいつ頃起こったんですか?
山下:僕は徐々にですね。24年ぐらい前に鎌倉に引っ越した時から少しずつ自然に触れることを通じて。あとは妻との関係性が大きいですよね。彼女は僕と全く逆のパラダイムにいて、目標達成とか大きなことを成し遂げるとかじゃなく、日々を自分の身体で感じて、それらを整えて充実させていくことをやっている。
格闘技でも相手を思いっきり強い力で倒すためには力を抜かなきゃいけないみたいなのがあるじゃないですか。力が入ると、本当のパフォーマンスが出ない。だから何かをやりたければ、強い力を出すんじゃなく、その真逆なことをしなきゃいけないっていうのが、どうやらこの世の中のルールで心理なんじゃないかっていう感じしますよね。
大きな目標を達成するために!というより、これからは逆に力を抜いて自然な状態って何だろうっていうことを、自然体でやっていった時、結果的に逆にその目標すらも超えるような、想定を超えるような変化が起きていくんじゃないかってことは感じてますね。
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