第7回は、ダイヤモンドメディア株式会社の代表取締役・武井浩三氏に
ホラクラシー、ティール、自然経営についてお話を伺いました。
社長の武井浩三さんとの対談をさせていただきまして、今回から4回に分けてその模様をこの番組でお届けしていきたいと思います。
ダイヤモンドメディア株式会社という会社はホラクラシースタイルを10年ほど続けていまして、その分野では日本では屈指の存在です。
2017年にホワイト企業大賞というのを受賞されまして非常に素晴らしい会社です。かなり深~い話になったりもしていますが、ぜひ聴いていただきたいと思います。それではどうぞ。
「マインドフルネス」もそうですけど、逆輸入みたいなほうが日本って流行るじゃないですか。
ただ、今年、「ティール」っていう本も出て。
でも、どれも多分言ってることって近しいというか、やり方とかにちょっと違いがあったり抽象度が違ったりはすると思うんですけど、だいたい方向性一緒で、でも言葉いっぱい出過ぎてて、しかもホラクラシーっていうのはアメリカだと方法論としてすごく固有名詞として使われてる傾向が多くて、でも、日本だとヒエラルキーじゃない組織のことを全般的に今「ホラクラシー」って使っちゃってたりしますけど。
だから、彼らがやっているやり方以外のことはホラクラシーじゃないんですよね。
ただ、前提条件というか、ヨーロッパよりもアメリカってすごく契約社会というか、組織の中でジョブ・ディスクリプションというものがものすごく力を持ってて、その前提にあるのが「自分と他人は相容れないもの」っていう前提意識があって。キリスト教でいうと「自然と人間は対立してて、それを克服する」みたいな考え方というか、やっぱりそれが土台にあるような気がして。自分と他人は利害関係が基本的にぶつかるから、パートナーシップを組むためにはお互い妥協点を探さないといけないと。
で、その妥協点を明文化して約束事として、その約束を絶対に大事にしようっていう、そういうアプローチというか考え方。
だから、アメリカではジョブ・ディスクリプションが強いですし、「ホラクラシー憲法」っていうのがあるのもやっぱりそれと一緒で、今まではジョブ・ディスクリプションって管理者がいたんですけど、その管理者をなくして、Wikipediaみたいにみんなでその約束事をマネジメントしようっていうアプローチなんですよね、アメリカのホラクラシーって。
だから、彼自身も葛藤があるっていうことは言ってましたし。でも、こういう急激な変化だと、やっぱり企業とか社会って1回壊れちゃったら元も子もないので、「そこまで考えてやってるのか」って僕は感心したというか、「すげえな」と。
だから、ヨーロッパとかは古い家をどうリノベーションしていくかとかっていうのはすごく進んでたり、でも、その考え方の根底にあるのって全く一緒というか。だから、日本とかヨーロッパとかから新しい組織とか、新しい街づくりとか、生き方みたいなのが生まれるのはすごく必然な気がしていて。
やっぱりアメリカとか中国・インドってまだ人口伸びてますし、国土も広いですし、そういう所だと……
でも、世の中があまりにもまだ頑張れたし、色々、アベノミクスじゃないですけど経済的な施策というか打ち手があって、でも、もう打ち手もいよいよなくなってきて、GDPこれ以上増やすっていってマイナス金利にして、「これ以上何が手立てがあるのか」とか「もういよいよ限界でしょ」っていうのが、多分組織の中でも国としてもみんな感じてるというか、もう見えてきてるところなのかなと。
僕なんか昭和世代だから金銭欲・物欲とかはすごくよく分かるっていうか、自分自身もそういう煩悩にまみれてたりするんだけど、でも、若い人見てるとやっぱ明らかに違うなっていう。
でも、それぐらい豊かなんですよね、両親のおかげもあって、家もあるし、食うには全然困らないし、なんだったらアルバイトでもべつに困らないぐらい収入を得られるし。「じゃあ、働くって何だろう?」みたいな、やっぱりそこを求めてる人が圧倒的に増えてるんでしょうね。
で、「どうやって火をつければいいんだ?」とか「どこにやる気スイッチがあるんだ?」ということで、「じゃあ、こんな研修がいいのか」とか「こういう評価制度がいいのか」とか色々考えてると思うけど、多分もうちょっと根本的な問題なんだろうなあと。
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