今回も、学びと気づきに溢れた第6回「手放す経営アカデミア実践勉強会」開催プチレポートをお届けします!
手放す経営アカデミア「実践勉強会」は、月一回オンラインで開催しています。
進化型組織に興味があり、今後自社でもアップデートを実践していきたいと思う経営者が集う場です。
どんなことを行っているかというと・・・
経営の進化を実践している経営者を招いて、知見を得たり、自律分散型組織の第一人者である武井浩三さんのレクチャーがあったり、直接対話をしたりしています。
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今回のゲストは、愛知県で15事業54店舗を展開し、グループ全体の売上が
70億円に迫るHOLIS株式会社代表の片桐拓也さんにお越しいただきました。
ゲスト:HOLIS株式会社 代表 片桐 拓也さん
HOLISは、ここで働く全員の会社です。
私たちはこの数年、M&Aを通じて大きく事業を拡大してきました。M&Aをする際最も大切にしているのは、その会社の事業方針をできる限りそのまま引き継ぐこと。そもそもM&A対象になるのは、私たちがやりたくてもできなかった事業を実現している会社。その事業の運営方法やノウハウについては私よりよっぽどよく知っています。だから、経営にはほとんど口を出しませんし、屋号も変えません。社員の雇用もそのまま維持しつづけています。今では18の業態の中で、私が立ち上げたものは約半分になりました。残り半分は、M&Aを通じて仲間になった会社の人たちが一から作り上げたもの。HOLISという組織の中で、代表である私の色はどんどん薄くなっている。でも、それで良いと思うんです。ティール組織に移行してから、その想いはますます強くなりました。ティール組織は原則社員による自主経営なので、何かを決める際に私の許可を取る必要はありません。新しいビジネスや店舗出店などの投資や撤退も含めて、です。全員が必要だと思う業務を自ら考え、自ら決断し、自ら遂行していく。それはつまり全員が経営者であり、HOLISはここで働く全員のものだということ。これからのHOLISグループにおいて、私の色はますます薄くなっていくでしょう。従業員一人ひとりがやりたいことを実現していく過程で、ますます多様でカラフルな企業へと成長していくはずです。そんな未来を、今からとても楽しみにしています。
HOLISホームページより抜粋
※HOLISグループ株式会社が運営する事業
今回の実践勉強会、一言で言うなら
「そこまで言っていいんかい!!」状態。
進化型組織におけるお金事情の細部の細部までお話いただける、とんでもなく貴重な機会となりました。
「進化型組織って理想論、観念論じゃないの?」
「IT企業だけができるんでしょ?うちはIT企業じゃないし・・・」
と思われている経営者の方にこそぜひご視聴いただきたい回となりました。
今回はプチレポートとして、実践会の内容を簡単にご紹介します。
※手放す経営アカデミア会員(無料)の方は
アーカイブ動画をご視聴いただけます。
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トピックス
・ティール組織化から2年以上経過。今どんな感じ?
「離職率が下がった」「業績目標は掲げない」「クレームが減った」
どういうこと!?
・社員、パート問わず利用できるユニークな仕組み「社内出資制度」で◯億円集まった!?
・借入金の返済が高速で進んでいく驚愕の仕組みとは!?
・ティール組織化することによる、スタッフの行動・意識の変化とは?
・なぜ経営者は自分の報酬を社内で一番高くしたくなるのか?
・ティール組織化したことでM&Aがよりスムーズになった、とは?
今回はこれらのトピックから
・ティール組織化から2年以上経過。今どんな感じ?
を取り上げたいと思います!
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質疑応答の時間で出た質問や話題
・M&A先にティール組織を適用する際、気をつけていることはありますか?
・全体性(ホールネス)への取り組みはどんなことされているんでしょうか?
・ティール組織にしたことで経営者自身に起こった変化はありますか?
・ティール組織へ移行するプロセスで役職者のリアクションはどうだったのか?
・社内出資制度を始めることに対する社員のリアクションは?
・あえて痛かった話をするとしたら?
・現状の仕組みの弱点はありますか?
などなど。
ティール組織化から2年経過。ぶっちゃけどんな感じ?
坂東:片桐さんには以前にもインタビューをさせていただいたり、トークライブにご出演していただいて、組織変革の様子はお伺いしてきました。今日は経営者向けの実践勉強会です。これまでの経緯は(参加者の方に)チェックしてもらっているという前提で、より突っ込んだ話をお聞きしていきたいと思います。
片桐さん、自主経営組織にガラッと変えてから2年半が経って、周囲からは「うまくいくわけないよ」と散々言われていたということですが(笑)、今はどういう状態ですか?
片桐:実際、最初から大きなトラブルはなかったんですよね。
店舗に問題が起きて運営ができなくなっちゃったとか、大量に誰かが離職者が出たとか、リーダーがいなくなるので何も決まらずコトが前に進まないということもなく…。
自主経営にしたので、お金の部分については(足りなくなったらどうしよう、とか)みんな一番心配してたんですけど、それは年月が経過するとお金がだんだん貯まっていって、おかげさまで全社的に安定した業績が出るようになってきました。
今までに味わったことがない「お金がなくなっちゃう?!」という危機感、「給料が本当に払われるのか?」といった不安はだいぶなくなって、最近では「残ったお金で新しいことやりたいね」っていう提案も出てくるようになって、非常に良くなっていると思います。
一つ面白いことが起こっていて。レンタル衣装の事業では女性が多いんですが、子供の数がすごい増えた。どんどん子どもが産まれてくるんです。
新卒採用を10数年前からやっています。通常ブライダル業界だと入社後6〜8年で“1回転”するのが業界の常識なんです。
新卒の新人が入ってきて、ある程度の年齢になると結婚や出産で離職される方が多かった。それがティール組織化して離職が全くなくなりました。みんな、子どもを産んで、育休をとって。2人目3人目と産むスタッフも数多く出てきたので、お店に人が足らなくなったんですよ。
そこにきて自主経営ですから、会社都合で他の店舗や業種から転勤させることもできなくなりました。結果として店舗がまわりづらくなりました。そうしたすったもんだはありましたね。
坂東:そのあたりも任せてるんですか?
片桐:そうです。採用をするかしないか、という選択も任せてます。
でも、現場のみんなはできれば採用したくない。人数が増えすぎると、自分の取り分(給与)が減るので。なんとか採用せずにお店を運営できないか?と考えるんですが、どうしても回らないんですよね。
武井:さらっと話されましたけど、一般に言う経営意識が高いということですよね。すごいな。
坂東:普通は会社に文句がくるでしょ。「人が足らないです!なんとかしてくださいよ」って。
片桐:以前はそう言われる前に、新卒採用したり、人事異動したり色々やってました。
ですが、今は現場で採用活動も考えながらやっていますね。
全体的に人は減ってるんですよね。辞めてないんですけど育休のメンバーが増えたから。
坂東:前だったら辞めていたんですか?
片桐:以前は2〜3割は残るんですけど、辞める人の方が多かったんですよね。
坂東:なぜ辞めなくなったんですか?
片桐:仕組みがいいのと、働きやすさでしょうね。
誰かに指示されることがなく、みんなで助け合いながら仕事するので、お子さんがいるメンバーでも働きやすい環境になったと思うんですね。
乾:経営意識が高まってくると、逆にギスギスする可能性が出てきそう。「迷惑かけんなよ!」とかなりそうなもんですが、そういう風にはなってないんですね。
片桐:「周りに迷惑かけて申し訳ない」という気持ちは今までよりはあると思います。
以前は「子供できたから仕方ないじゃん。会社がなんとかしてよ」みたいな。今は一人一人の責任感が増しているのを感じますね。
ある事業部は、所属している4人全員が7月から育休に入るんですよ。復活するのが来年の4月以降ですので、最終的に色々採用とかも考えたみたいですが、最後には「(片桐)拓也さんにお願いします」って、私に依頼がきました。
「7月以降は拓也さんお願いします。現場に拓也さんができるだけ入らなくてもいいように、アルバイトメンバーを育てておくので、社員は新しく採用しないようにしたいと思います。」って(笑)。こないだミーティングに行ってきましたけどね、パートさんたちで回すって言ってました。
乾:すごいっすね!
武井:楽しそう。
そう考えると今の少子化の問題って職場環境っていうのがむちゃくちゃ大きいんじゃないかっていう。
片桐:そう思いますね。明らかに出産するメンバーの数が増えているんですよ。やっぱり働きやすくなったりとか、自主的に経営しているので、お金が今後どのくらいもらえるのかが分かりやすいという安心感もあると思うんですけどね。
坂東:なるほど。
自主経営型の組織に変えたら、出産するスタッフが増えた。
これって、スタッフの幸福度が増しているということですよね!
業績などの経営数字では測れない、けれど、素晴らしい効果だと思いました。
また武井さんが話した「少子化の一因は職場環境にあるのではないか」これもとても重要なテーマですね。
乾:さっきの現場で、パートやアルバイトさんは「社員たちはみんな育休とって、私たちに仕事押し付けられて大変(怒)」とはならないんですか?
片桐:それが全然そんな感じじゃない。パートさんも女性が多いので、子どもが生まれること自体は悪いことでもなんでもないし、嬉しいこと。「その間はがんばりますよ〜!」という感じ。あとうちの仕組みだと、パートさんも会社に出資しているので、リターンがちゃんともらえてます。たまたまコロナで大変だった時期も、他の会社だとなかなか払われないところをずっと継続雇用でお金ももらえているというのもありますし。パートさんたちは全然嫌がってなくて、「来年4月まで頑張ります」という感じでしたけどね。
坂東:出資という話が出ましたが、社員の出資制度がけっこう大きな額になっていると聞いたのですが・・・
この続きは、手放す経営アカデミアのアーカイブ動画でお楽しみください♪
「人員不足の不満が会社に来ない。現場でスタッフたちで改善する。」
「産休の社員が増えても周囲が文句を言わない。協力し合う。」
「社員全員が産休に入る。人は増やさず社長に現場を依頼する。」
なかなか常識では考えられないようなコトがどんどん起きていますね(笑)
聞けば聞くほどHOLISの仕組みはよく考えられていて、かつシンプルに運用されている。
自主経営というと、ハードそう、厳しそう、という印象を受けますが、どうやら一味違うようです。
これからの組織づくりのヒントが詰まりまくった事例!
他の記事コンテンツや、トークライブ動画も、ぜひチェックされてください。
片桐さんの会社の仕組みについて以前取材した記事はこちら
トークライブのアーカイブはこちら
ご案内
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「3名以上の組織の経営者」の方はぜひ気軽にご入会(無料)ください。
次回、手放す経営アカデミア実践勉強会は7月15日(木)20:00〜21:30です。
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2014年に天外伺朗さんとの出会いをきっかけに先進的な経営の取り組みをスタートし、
今では約180名のスタッフとともに全員参加型の経営をされている
株式会社ワンピースの久本和明さんにお越しいただき、その実践などについて詳しく伺います。
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