自己組織化のプロ!田原真人氏をゲストにトークライブ開催!
田原真人さん
「生きている状態とは何か」この問いに興味があり、大学院では複雑系の物理、生物物理を専攻。その中で出会ったのが、「自己組織化」という考え方。
2012年にオンラインコミュニティ「反転授業の研究」を立ち上げ、人間の活動を自己組織化できないだろうかと考える。かつて学んだ物理、生物学の知識をもとに試行錯誤しながらコミュニティ運営を行った結果、4400人の活発なコミュニティへと成長。
この経験を元に、コミュニティが自己組織化するプロセスを体系化。
プロフィール
早稲田大学物理学及び応用物理学専攻博士課程中退。元河合塾講師。「反転授業の研究」代表。Zoom革命代表。国際ファシリテーターズ協会日本支部理事。Flipped Learning Global Initiativeアンバサダー。『微積で楽しく高校物理が分かる本』『Zoomオンライン革命』など著書10冊。
田原真人さんHP:https://masatotahara.com/
続きは記事で・・・
イッシー:進化型組織への移行支援、起業家のメンタリング等を行う。ハワイ島での農業、 フィリピンと日本の二重生活等、多様なライフスタイルの経験者。
イッシー:11月27日に開催する手放すTALK LIVE、面白そうな匂いがプンプンしてます♪でも・・・正直、内容が分かるようで分からなかったので少し予習してみたんです。
坂東:『ドラマティックなチームのつくり方』-自己組織化のプロにまなぶ- ゲスト:田原真人さん(トオラス共同創業者)だね!いいね!きっと、参加を検討してくれてる人も同じように思ってるかもしれないから、このやりとりに価値を感じてくれるかもしれない!!
イッシー:田原さんのBlogを色々見ていったときに、そもそも自己組織化について次のようなことを書かれてたんだよね。
自己組織化とは、頭で設計した秩序ではなく、自然界の秩序化の働きで、集団の動きを作る。
坂東:ほーぅ。自然界の働きってのはどんなことだろう?
イッシー:そこについてはこんな風に書いてるんだ。
自然界の秩序は、互いの自由な行動が相互に引き出され、連鎖し、即興ドラマを展開することによって生まれている。
周りを強制的に同調させるような権威者は存在しない。
互いにシンクロしながら、相互に調整し合い、単体ではできないことを協力して生み出す。
坂東:何か最近よく耳にする自律分散型の組織に似た要素を感じるね。そして、ドラマだって!
イッシー:そうそう。あと、こんなことも書いてあるのよ。
生きものは、秩序とカオスの境をよろめく存在。
秩序があるから機能が維持され、カオスがあるから創造が起こる。
カオスの自由さや創造性を、秩序が制御する。
秩序の計画性や効率性をカオスが崩す。
坂東:よろめくって、揺れ動いてるっていう意味なのかなぁ。
イッシー:「よろめく」についても深く考察したいところだけど、私はここを読んだときに書籍「ティール組織」が売れている背景に繋がるものを感じたんだよね。
坂東:どういうこと?
イッシー:日本が、高度経済成長期を経て磨き上げてきた組織のモデルは、工場に例えることができるよね。同じ規格の製品をいかに効率よく大量に生産するかを追求するのに理想のモデル。その組織では、上司・先輩・経営者が答えを知っていることが前提だった。だから、その人たちの決めたことに従うことが結果に繋がっていたし、いかに忠実であるかが求められてきた。そして、組織における正解から外れたものはとことん排除されてきたんだよね。
坂東:ふむふむ。
イッシー:でも、このモデルが通用したのは、需要に対して供給が足りていない・人が欲しいものがハッキリしている発展途上の市場においてなんだ。日本はその頃の先輩方が頑張ってくれたおかげで、物質的に豊かになり、市場は成熟・飽和状態になった。
そうなると、人は代替可能なもの、ありふれたものに価値を感じなくなる。それに、そもそもモノで溢れているからモノ自体にも価値を感じにくくなる。
坂東:だから、モノより体験とか、独自性が大事って言われてるんだよね。
イッシー:そうそう!そんな市場において競争優位性を持つためには同一規格の製品を安価で大量に効率よく生産できることではなく、いかに他社と違うモノ(よりも体験)を生産・提供していけるかがカギになる。つまり、これまでの成功を生み出してきた工場モデルの組織からの脱皮が求められているんだよ。
坂東:脱皮ね。脱皮してどんな組織になればいいのかな?
イッシー:一言でいえば、創造的な組織ってことだと思うんだけど、創造性という観点で1つの究極と呼べるのが自然界だったり、生命だから、それをお手本にしようってことなんじゃないかなぁ。
坂東:確かに、生命と呼ばれるめちゃくちゃ複雑なものを生み出し続けてるという意味では、ある種の究極かもね。だから、組織を生命に見立てた探求の書でもある(※)「ティール組織」が注目されてるってこと?
※書籍内で著者のF・ラルーはこのようなことを書いています。
「本書では、機械のテンプレートに基づくのではなく
生命と自然の観点からのインスピレーションを求めて
組織をつくったらどのような可能性が開けるか。に焦点を当てた。」
イッシー:「ティール組織」が売れているのは、多くの企業で重視されてきた効率性の最大化の延長戦上で、組織が自律分散型であることが1つの理想形と捉えられていることが一番の要因な気がする・・・儲かるための次の手段みたいな。実際、売上利益を最大化するための手段として、ティール組織のエッセンスを活用しようとして、うまくいかなかったという事例も聴くからね。そういう意味では、自律分散型であるための構造・仕組みだけ整えるのは片手落ちで、もう片方のヒントが今回のテーマである自己組織化に詰まっている気がしてる。
坂東:うーん、ちょっと何言ってるか分かりません。
イッシー:伊達さんか!あのね、ここまでの話で注目して欲しいのは工場モデルの組織では、計画性・効率性が重要視されているから、カオスの自由さや創造性が制御・統制されてしまう、ということ。そして、この傾向が偏りすぎてしまったことが、組織で働く人の人間性や創造性を奪うことにつながっていった。
要するに、予測できる、統制できることに慣れてしまい、創造性につながるカオスをどう扱うのか、活かせるのかを感覚的に掴めている人が組織内に非常に少ない(あるいは隠れてしまう組織構造になっている)と言えるんじゃないかな。
坂東:なるほど!
イッシー:そう考えると、経営者やマネジャーが自己組織化を学ぶ意義は、「秩序を保ちながらも、新たな創造を生み出すための経営のあり方ややり方のヒント」を得ること?って思ったんだよね。
坂東:なるほど!って、なるほどばっかり言ってるけど(汗)確かに、生きものは創造的なだけではなく、機能を維持するための秩序があるから生き続けられるんだものね。このあたりが恒常性維持機能(ホメオスタシス)と関係してくるのかなぁ。
イッシー:そうそう。このカオスと秩序を両立することは、2019年に出版された「両利きの経営(※)」のコンセプトに通ずるものがあるんじゃないかなぁって思ってる。
※両利きの経営とは、既存事業を「深掘り(深化)」して収益力、競争力を強化していく経営と、新たな成長・事業機会を「探索」しビジネス化していく経営の2つを両立していく経営理論こと。
坂東:結びつけるねぇ〜!
イッシー:それ、褒め言葉なの!?汗
坂東:何となく自己組織化を学ぶ意義については分かってきたのだけど、
ドラマティックってのはどういうことなんだろうね?
イッシー:田原さんのブログでは「ドラマ」についてこんなことが書いてある。
ドラマが生まれる ⇄ 予定通りに進む
ドラマは、それに関わるすべての人に成長を促す
関係性の中から生まれる
みんなが枠を超えて一歩踏み出して手を結んだことでドラマが生まれている
達成を目指して引き起こされる様々なドラマこそが大事で、そのドラマが人と人を結びつけ、その後のコミュニティ形成の核となるのではないか。
坂東:おぉ!なんか、普段目にするテレビドラマとかとは違うニュアンスを感じるね。
イッシー:そう!田原さんがドラマの定義について言及している記事を見つけることができなかったのだけど、私は他に書いていた内容と合わせて、ドラマというのは個人レベルでいえば思考の枠の外で起こるもの、起点が思考ではなく感性や感覚であるものだと感じたんだ。
坂東:さっきの工場モデルの組織では削ぎ落とされているものだね。
イッシー:うん。また、興味深いのは最後に書かれている内容なんだ。達成するよりもドラマが起こることが大事って書いてあるじゃない?
坂東:コミュニティ形成の核になるという可能性についても書いてあるね。
イッシー:達成を目指すのは、工場モデルの目的と言える。それよりも繋がりが生まれコミュニティが生まれることに価値を置く考え方は、カオスの領域の話に思える。
坂東:確かに!
イッシー:そう考えると、ここでいうドラマ、ドラマティックには、従来の工場的な仕事とは違う力学が働いていると言えるかもしれない。秩序のために、機能を維持するためには、手順通りのことを行い、達成することは不可欠だけれど、創造する・創造的であるためにはこの違う力学に気がつき、活用していけることが重要なんじゃないかな。きっと、そうだ!そして今回のTALK LIVEはそんなエッセンスが学べる時間になるに違いない!
坂東:おぉ、何か熱くなってきたね!
イッシー:こんなトークライブが無料とは!
坂東:参加するしかないね。いいLIVEになりそうで楽しみだ〜!
参照元
トークライブ当日の動画はこちら
<前編>
<中編>
<後編>