8月からお送りしているオンラインセミナー「日本型ティール的組織のつくりかた」
全3回に渡ってお届けしていますが、今回は8月21日に開催された第二回の内容を抜粋してまとめています。
「日本型ティールテキ組織の作り方」は、手放す経営ラボラトリーで制作した「経営を進化させる実践書」DXO(ディクソー)のテキストについて
・なぜつくったのか?
・どんな特徴があるのか?
・どう活用して欲しいのか?
これらについて、3回シリーズでお届けしよう、という企画です。
今回は第二回についてのまとめです。
第一回目のまとめはこちら
1)組織づくりが成功するステップとは?
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した組織に成功をもたらす基本的な考え方
「成功循環モデル」に関する洞察。
4つの質とは
①関係の質
②思考の質
③行動の質
④結果の質
④の結果にばかりこだわると、①関係性が悪くなり、結果も出なくなってしまう。
逆に、①関係性にこだわることで、結果的に④の結果につながる。
なぜか?組織は“実態がない共同幻想”だから。
組織は、人間関係や、その人が会社のメンバーの一員だと思っているかどうかでしかない。
つまり「組織は人間関係でできている」と言ってもよい。
DXO(ディクソー)は、ハード面(組織の外側や仕組み)を整えていくプログラム。
人間関係は情報でつながっているので、どんな情報を、どう流通させるかが極めて大事になる。
情報の流れをデザインし、人間関係がよりよくなる環境づくりをするのが、DXO(ディクソー)プログラムの特徴なのです。
【ばんどうコメント】
この図はシンプルだし、当然のこと言っているように感じられますが、とても重要です。
私たちのチームでも実感した例を挙げますね。
マーケティングがテーマのミーティングでの話。いままでは結果の共有から会議をスタートしていました。
すると、数値目標の達成度が低い場合、なんだか他責になったり、舌鋒鋭くなったり、ギスギスしていました。
上記のモデルでいうと、④からスタートしていた訳です。
この状態を改善したくて、ミーティングを①からスタートするように変えました。
具体的には、冒頭で「私たちの事業のありたい姿の確認」や「マーケティングで実現したいことの確認」をしたり、仕事には直接関係ない話も含めて各々の近況や心境を共有してから本題に入るようにしました。
そうすると、同じ内容でも建設的な議論ができるようになったんです!
組織は、人間関係が全て。
だからDXOは「結果を出すためのプログラム」ではなく、「関係性がよりよく築けるようになるための」プログラムであり、関係性がよくなることを通じて結果も出やすくなる、と考えているのです。
2)進化した組織の「OS(基本的な考え方)」について
下記の項目についていくつかとりあげて、解説していきました。
3)コントロール願望が、組織の変容を阻害する。
指示命令された状態では、人は決してフロー状態(完全にのめり込んでいる状態)に入らない。だからもし、社員の主体性を高めたいなら、社員に命令したり、コントロールしたりすることを手放す必要がある。
【ばんどうコメント】
これは・・・難易度が高いですよね!
経営者やリーダーは、コントロールする権限を持っていることが大前提です。
でも自分に置き換えてみるとたしかに、誰かに命令されて仕事はしたくない・・・。
コントロールを手放して、どう組織を成り立たせていくのか?
これは単なる手法にとどまらず、根本的な考え方(経営哲学といってもよい)の問題なのです。
4) 組織の3つの資本
■経済的関係資本(エコノミックキャピタル)
■人間関係資本(ヒューマンファンダメンタルキャピタル)
■社会関係資本(ソーシャルキャピタル)
どれかを優先させると、シーソーゲームのように他の資本が毀損される。
どうしたら短期的にお金を増やせるか?を追求すると、環境破壊と人権毀損につながる。
たとえばブラック企業は、エコノミックキャピタルをどう最大化させるか?に特化している。
だから人がボロ雑巾のように使われていく。
会社が、というよりオーナー経営者のエコノミックキャピタルを最大化させることが目的である場合が多い。
【ばんどうコメント】
企業の目的は利潤の追求。という名の下に、経済的関係資本(エコノミックキャピタル)の追求に偏っている企業は多くみられます。
その場合、家庭を犠牲にしてハードワークした方が、売り上げが伸びるので「仕事第一!」という社風になるわけです。
それがダメだ、と言いたい訳ではありません。
そうした企業で仕事を続けられる人はどんどん減っていきます。
エコノミックキャピタル以外の2つの資本も大切にしていくことで、バランスがとれていく。
そうした人生を送りたいという人が若者を中心に増えています。
3つの資本が循環していく組織づくり。
それが、DXOをインストールすると、自然とできるようになるのです。
【まとめ】
第二回では、進化した組織の基本思想(OS)について話しました。
9月4日(金)の第三回セミナーでは、実際にDXOを組織にインストールしていく際の具体的なワークショップの内容について触れていきます。
組織や経営の進化、に興味がある人はぜひご参加ください!