カルビーは原則テレワークに、支障なければ単身赴任解除という働き方になるそうです。 企業は働き方をどう進化させていけばいいでしょうか?
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坂東:今日は先日話題になったカルビーの話です。カルビーと言えば?!
小野:単身赴任を無くしたって事でしたよね。いいなーって単純に思いました。
坂東:小野家でも家族会議になる?
小野:意外に話してないですね。これを夫の会社の上層部の人が見ていて、刺激を受けてくれてたらいいなって思いました。
坂東:そうだよね。ご主人の会社は今のところそうなってはないよね。
小野:なってないですね。
坂東:カルビーは原則としてオフィスで働く社員800人(工場勤務の人は別)は、在宅勤務などテレワークを中心にする。※
単身赴任をしている人はテレワークができるんだったら単身赴任しなくてもいいと。働いている人が選択した上で最終的に会社が許可をするかどうかって事だよね。単身赴任から戻って自宅で勤務できるって画期的だよね。
※カルビー コロナを機にオフィス勤務者のモバイルワークを標準化
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小野:びっくりしました。5年後、10年後とか日本の多くの会社がそうなってる可能性もあるのかなとか、明るいニュースだなと。私の夫の会社はコロナ対策は終わって今は通常通りですね。テレワークだった時も9時から17時45分まで家から出るのは禁止とか、自宅でもトイレとランチ以外はずっとパソコンで仕事しないといけないとか。真面目だからめちゃくちゃ守ってましたよ。
坂東:会社にいてもそんな風に働かないのにね。
小野:ちょっと前までは一度、勤務地がある県外を出ると、戻ってきたあと2週間は自宅待機しなければいけないというルールだったので、それなら福岡で2週間テレワークしてても変わらないよな〜とか。
離れ離れで会社にも行かず、家に引きこもりっきりだったら、辛いですよね。コロナ前の単身生活に比べたら、コロナ後は更に苦しくなっているのを感じます。外出しにくくなったり、人とのコミュニケーションも取れなかったり。家族が居たらまだフォローできるけど、一人で知らない土地で知り合いも少なくて、仕事しかなくて、テレワークしてると辛いだろうなって。私でも思いますね。夫の趣味がテニスで、毎週テニスをしてストレス発散していたけど、それもできないとなると寿命が縮まるなと。
坂東:ハハハ。小野さん的にはこのまま変わらないなら転職とかもありかなって思ったりする?
小野:そうですね。お金も大事だけど、夫の人生の方が大事だから、無理して家族のためにとか、家のローンのために働くんじゃなくて、どうにかなる気もします。私がもっと仕事するとか。夫だけに頼るのもよくないですよね。そんなこと言って、私めっちゃ浪費家ですが。笑
坂東:カルビーの社員にコロナ後にアンケートをとったら、コロナ前の働き方を変えたいと思ってる人が6割いたという結果だったみたいで。
だったら何かしら対策をしないとねってなったんだと思うんだよね。この6割が働き方を変えたいと思った事がポイントで。
小野:本当ですね。コロナ前に戻りたいのではなく、コロナ前の働き方を変えたいと言う事は、コロナによって働き方を考えるいい機会になってますよね。
坂東:僕たちも、もう在宅ワークでテレワークでいいよねってなってるもんね。ご主人も違和感を感じているわけでしょ。日本人の大半が今の状態に違和感があり何か働き方を変えたいと思ってるって事だよね。その中で、どう企業が手を打っていくかが問われているなと。僕らのチームで仮に、元に戻そうって言ったら違和感がでるよね。何でって?
小野:そうですね。テレワーク導入は大変だったかもしれないけど、その良さを知ると戻る事は出来ないですよね。ニュースとかでもテレワークだった人が通常通りに戻って通勤したら、満員電車がきついとか。今まで当たり前のようにしていた事が苦しく感じるってすごい変化ですよね。
坂東:出勤したい人もいるだろうから、カルビーも全員が在宅ではなく3割が出社になるだろうと。当然家では仕事がしづらい人もいるだろうから、いろんなパターンに対応できるようにすることがポイントだと思うんだよね。
小野:ちょっと、坂東さんカルビーにインタビューに行ってくださいよ!社員にアンケートをとったのがきっかけなんですかね。
坂東:その前から色々取り組んでたみたいだよ。電子決済とかテレワークでもできるような体制だったからスムーズな導入ができたんだろうね。でも有名企業がやり始めると、中小企業やベンチャー企業は危ないと言うか、頑張んないといけない。
小野:危機感ですか?
坂東:だって本来なら社員数の少ない中小企業の方が小回りが効くはずじゃない。小回りの効くところが中小企業の利点にすべき点で、大企業はがちっとしてるし、ルールとか制約も多いと。まさに小野さんのご主人のような会社。きちっとしたところに比べて、うちはゆるくて柔軟だよってなった方が、合わせてくれるし働きやすいよね。
小野:いい人材も集まりやすいですよね。
坂東:だって小野家でも素晴らしい会社に勤めてらっしゃるのにカルビーが羨ましくなるわけじゃん。
小野:旦那さんは年齢的に転職は無理そうですね。カルビーの転職を私が探してみようかな。
坂東:本来なら中小企業の方が取り入れやすいんだから、絶対取り組んだ方がいいんだよね。昨日も取引先でテレワークでできるようなデジタル化の推進で、ペーパーレス化のプロジェクトでミーティングをしていたんだけど、その会社は毎日日報を出すために出社しないといけないという風になっていて。会社でエクセルで書いてプリントアウトしないといけない。それを上司が見らたハンコを押すと流れ。そのために出社しないといけない。だけどエクセルで書いてるならそのままでいいじゃんとか、そもそもスプレッドシートの方がいいとか、色々ツッコミどころあるけど。それをペーパーレスにしようとしていて。LINE WORKSというチャットツールをテストで試していて、LINEのアカウントでチャットできる感じ。
上司もチェックするのも大変だよね。毎朝みんなのをチェックして。上司が休みをとって3日分ぐらい溜まったら25人×3日分ってすごい量。でも紙だから会社に行かないと見れない。
でもチャットツールならどこでもいつでも見れる。それをどうしたらいいかとか。今話し合っている中で、使い方がわからない人もいるんだけど、僕も入ってミーティングしてるからもうやらざるを得ない状況。これがもし苦手な上司だけで話を進めると、もう面倒だからやめよう!今のままが楽!ってなりかねないよね。
そういう形で進まないケースが企業にはたくさんあって。特に中小企業だとITリテラシーが高くないとか、若い人が詳しくても、上司が詳しくないと承認されないとか。
小野:若い人の方がそういうのって早いですよね。ITの新しい情報をたくさん吸収してますよね。
坂東:本当はそういうのは若い人に任せた方がいいんだけど、上司に決裁権があるからね。試してみるのが大事で、ちょっとづつ試して変えていくことを絶対やった方がよくて。社員からしたら,
がらっと変わらなくても、とりあえず何かを試してるってことが伝わるだけでも、やる気に繋がるし。カルビーのニュース見たかもしれないけど、うちも色々取り組もうとしているから!
と伝えるだけでも意欲になるよね。
小野:そうですよね。周りのいい会社の情報ばかり入ってきて、自分の会社がなにも進んでいないと感じるとモチベーション下がるし将来も不安になりますね。
坂東:全員がそうするとかではなく、1週間のうち半日だけテレワークしてみるとか。テレワークやってみたい人はしてみるとか。1週間の1日だけ親の介護で出勤しないで済むとか。部分的に取り入れるものいい。個々人によって事情が違うから。朝30分出社が遅れるだけで万々歳だと。
小野:主婦は本当そうですよね。小さい子供が居たらハプニング続きだから。1分1秒が大事ですもんね。
坂東:そういうことを社員の意見を聴きながら試していくことでカルビーさんに負けないようにするんだと。
小野:ねー。ポテトチップス買いましたよ!ファンになってますよ。やっぱいろんな銘柄あったら、このニュース後はカルビー買おうって思いましたね。応援したいというか、あやかりたいというか。いろんな気持ちが。
坂東:あやかりたいね。でもそういう気持ちになるよね。商品開発どれだけ頑張ってるかとか分からないけど、社員に対してそういう取り組みをしていると言うことは、きっといい商品じゃないかと思うし、応援したい気持ちで買おうってなるよね。味は全然変わらないかもしれないけど。ファンになる要素が味だけじゃないってことだよね。
小野:優しい組織だなと思って。
坂東:それめっちゃ大きいよね。
小野:商品がよくてもブラック企業だと買わなくなりますよね。
坂東:もうそういう時代だよね。いくらいい商品でもそれだけじゃ売れないし、社員がファンになり、お客さんもファンになり。ファンになるポイントというのは、ただ表向きにいいだけじゃなくて、身の回りの人を大切にしているかどうかが商品を買う理由になってるってことだよね。
小野:連鎖していきますね。カルビーを買いましょう!ポテトチップスはカルビーです。
坂東:あらゆる企業は目の前の社員のニーズを汲み取り、反映させていくか。そういう取り組みの姿勢を持つだけで、社員がファンになり、社員の周りの知り合いやお客様がファンになる可能性があり売り上げに直結してくるってことだね。僕らもどんどん取り組みましょう。