自社を、進化型組織にどう変容させていくのか?
その方法について、以前「進化型組織 導入4つのステップ」に書きましたが、それぞれのステップについて詳しく触れていきます。
(※進化型組織の中の一つ「ティール組織」の解説はこちら)
ステップ②進化型組織導入のステップ「見える化」はこちら
ステップ③進化型組織導入のステップ「ガイドラインのデザイン」はこちら
※手放す経営ラボラトリーでは、ティール的な概念を、実践可能な組織構造のフレームワークにしています。
コンセプトは「人が集まる組織づくり」です。
問いを立てる。
組織のアップデートを実行する前にまず行うこと。
それは「問いを立てる」です。
ティール組織の場合「存在目的の追求」にあたりますが、質問としては、こうです。
Q.うちの会社は、なんのために存在しているのか?
こんな抽象的な質問に答えるなんて、まわりくどいように感じると思います。
なぜ、存在目的の確認が必要なのか?
私はいままで数千人の経営者とお会いしてきましたが、「社長、ぶっちゃけどうしたいんですか?」と聞くと
「まずは上場。会社つくったからには上場まではいっとかないと。」
「まずは売上100億円は達成したい。」
「もっと稼いで、いい暮らしをしたい。モテたい」
という社長は結構います。
この会社がある目的は、社長が稼ぎたいから。
と社長の本音がバレた時に、それでもその会社で働きたい社員が、どれくらいいるでしょうか?
(そして、意外とばれてます)
また、上場しよう!というビジョンを掲げている会社が、上場が“目的”なのか?それとも“手段”なのか?
それは経営者にとっては同じことかもしれませんが、社員にとっては大きな違いです。
昔は会社の成長と、自分の人生を重ね合わせることができたんですよね。
それは長く働くことが前提だったからです。
いまは違います。
「社長が、上場したいんだよね。そのために頑張れって言われても、僕たちに何のメリットがあるんだっけ?」となります。
売上目標の達成や、会社の成長のために頑張れる人は(いない訳ではありませんが)どんどん減っています。
そして若く意欲的な人材にとって、就職先はいくらでもあります。
経営者の私欲が見えてしまっている会社と、社会的な意義が感じられる会社。
同じ仕事内容、同じ待遇なら、どちらに行きたくなるかは明らかです。
いまや待遇が劣っても、納得感や共感を優先する人も増えています。
例えば、私たちブレスカンパニーのミッションは「志ある企業の、人と組織に新鮮な息吹を提供する」です。
もっといい会社になりたい。
もっと社員を豊かにしたい。
本気でそう考えている企業に価値提供をしたい。
その際、新しい発想や、いままでとは違ったやり方で、その企業のビジョン実現に貢献したい。
そう考えています。
あなたの会社は何のために存在しているのか、改めて整理してみてください。
きれいごとではなく、本音でどう思っているか?ということが大事です。
もうひとつ。
Q.組織のアップデートをする目的は何なのか?
組織をアップデートする目的についても整理してみましょう。
新しそうだから?
社員がもっと頑張ってくれそうだから?
重い組織課題を抱えているから?
以前ご相談をいただいた、とある企業の経営者は、こんな風に回答してくれました。
「当社はこれから訪問営業に力を入れて新規開拓をしていきたい。
そしてきちんと管理型のマネジメントをしていく。
訪問営業については社員の意欲が高くないといけない。
だから社員のモチベーションを高めるような施策を取りたい。進化型組織になったら、社員の意欲が高まると聞いたので、導入をしたいんです。」
社員のモチベーションを高めるために組織構造を進化させたい。そのために、進化型組織を導入したいというわけです。
そこまではいいとしても、訪問営業をさせたいから、という点に私は違和感を覚えました。
なぜかというと、進化型組織では、一人ひとりのセルフマネジメントを重視し、管理や指示命令を手放していくことが進化型組織導入の大きなポイントになります。
つまり、管理をしないことで自主性が発揮された方が、パフォーマンスが上がり、成果に結びつくような仕事の場合は、進化型組織が有効なわけです。
ですが、飛び込み営業のような営業スタイルの場合は、管理型のマネジメントをした方がいいし、ピラミッド型の組織構造の方が成果を出しやすいと私は思います。進化型組織とは相性が悪いのです。
つまり組織構造を考える際には、自社のビジネスモデルと合っているかどうかを考えることが、すごく大事なわけです。
ビジネスモデルを最速で伸ばしていくために、どんな組織構造が適しているのか?
ピラミッド型組織の方が合理的に事業を伸ばしていけるケースもありますし、進化型組織の方が向いているケースもある。
組織構造だけを取り出して語ることはできないのです。
ちなみに進化型組織の導入が向いているのは、社員に企画力やクリエイティビティ、創造性を求めるような仕事です。
その場合は指示命令や管理が少ない方が、パフォーマンスが発揮されるでしょう。
まとめ
Q.うちの会社は、なんのために存在しているのか?
Q.組織のアップデートをする目的は何なのか?
Q.自社のビジネスモデルには、どんな組織構造が合っているのか?
この問いに対する答えを整理することで、何が必要なのかが見えてくるはずです。
自社にフィットする組織構造を作りあげることができれば、爆発的なチームパフォーマンスの向上が実現できます!
だからこそ、進化型組織導入にあたってきちんと考える必要があるのです。
ただ、自分の会社のことを客観的に見ることはなかなか難しいでしょう。
その際には私たちのようなパートナーの協力を得て、進化型組織の導入を進めていくことをおすすめします。