先日、合同社員研修を行った際に、ある本を教材として活用しました。
それは箕輪厚介さんの著書『死ぬこと以外かすり傷』です。
今年8月末に発売されたばかりで、内容は一見すると「社員教育」とはかけはなれています。
なので、おそらく研修ツールとしての活用は“世界初”でしょう。
なぜ、これを使ったかというと……
受講生に「視座の高さ」をインプットしたかったからです。
箕輪厚介さんは、幻冬舎という出版社の社員です。
ヒット作を連発していて、例えばホリエモン『多動力』や落合陽一『日本再興戦略』、
前田裕二(SHOWROOM社長)の『人生の勝算』や『お金2.0』etc.
最近売れているビジネス書は大体箕輪さんが編集していると言われています。
そんな箕輪さんですが、編集者とは別に商品プロデュースやオンラインサロンなど、副業もたくさんしています。
しかも“副業”の収入が、給料の20倍もあるというのです!
会社員でありながら(しかも圧倒的な成果を出しながら)、別の仕事で更に稼いでいるというのは、入社2〜3年目の若手社員からすると、ちょっと信じがたい存在ではないかと思います。
箕輪さんは、30代ビジネスパーソンでは間違いなくトップランナーの1人です。
同じ日本に、同じ会社員という立場のトップレベルを知る。
どんな価値観で、どんな努力をし、どんな仕事をしているのかを、本を通じて体感してほしいと思ったのです。
今回の研修で、箕輪厚介さんを知っている受講生は1人もいませんでした。
彼らの日常では接点がない人材なのです。
だから余計に、研修ツールとして選択した価値があったと思いました。
読み方も工夫しました。
まず、手分けして部分的に読みます。
そのあと全体の要約を順番にプレゼンし、最後に感想を共有するという流れです。
こうすると、短時間で全体を把握でき、また気づきの共有を通じて、すごく理解が深まります。
受講者たちは、目を白黒させながらも(笑)おのおの相当な刺激を受けている様子でした。
そんな本を読ませて、副業したいとか変な気を起こしたらどうするんだ、と思う人もいるかもしれません。
けれど、大量の情報を誰もが手に入れられるこの時代に、企業側が情報をコントロールすることはできません。
だから私は、情報を適切に提供する、ということが大事ではないかと考えています。
「研修に行かせてもらったら箕輪さんのような存在を知ることができた。いいこと教えてもらった!」
という感謝の気持ちが芽生えるかもしれません。
「この会社にいれば仕事だけじゃなく、色々と学ばせてもらえる。刺激がある。」
と社員に思ってもらうことができれば、それは会社に所属する理由につながるのではないでしょうか?
《まとめ》
「こんな人が世の中にいるんだ!」という刺激を提供する、社員教育。