どうも、マツモトです。めずらしく波の上ではなく雲の上、福岡から羽田へ向かう機内で書いています。お仕事として経営アドバイザーをやっておりまして、国内でクライアント数社、縁あってお声かけ頂き、こうやってたまに空を飛んでおります。
僕の場合、たぶん経歴が面白いんでしょうね。テレビディレクター、広告制作を経て、上場企業でマーケティングに携わり、脱サラして小売で起業してボチボチ成功、創業以来の無借金経営・・そんな奇妙な足跡に興味を持たれて、名指しで御用命頂いている感じです。
クライアントから求められるのは、アイデアと、マスコミ視点です。
ある不動産企業が、大型の分譲マンションを建てる際、販売価格も利益率も高く、そのぶん売れ残ると困る、高層フロアを売るための一手を求めていました。いわゆる億ションを買える高所得層向けの、様々なきらびやかなアイデアが会議室に舞い上がるなか、僕が提案したのは「ゴミ回収サービス」でした。
仕組みとしては、決まった曜日時間に玄関前にゴミを出しておけば、管理人さんが回収に来てくれて、それを1階のゴミ捨て場に持っていってもらえる。それだけです。
管理人さんは残業することになりますから、そのぶんマンション管理費が増えます。つまり住民の方々から「こんなのお金の無駄」「ゴミなんて自分で捨てにいける」と反対の声が上がれば、いずれ無くなることも有り得る、そういう状況でスタートしました。
ところが、このゴミ回収サービスは好評となって、以降に建てた全てのマンションにも採用される定番サービスになりました。
僕のアイデアの種はシンプルです。ゴミ捨てという行為は、人に見られて気持ちの良いものじゃない、できれば短時間で済ませたい。でも高層フロアに住んでしまうと、ゴミ捨て場までが時間的に遠くなる。この一見小さな、しかし高所得層にとって小さくない相反状態を、ゴミ回収という手段で解決します。
これを歓迎した住民は喜びを感じます。喜びは次第に杯から溢れて「うちのマンションってゴミ捨てに行かなくていいんですよ~」というクチコミが発生します。
この状況をメディア各社に投げ込みます。このとき「最新のマンション事情 喜ばれるゴミ回収サービス」という表現変換を施します。この情報に、暮らしや経済ネタを探している新聞やテレビが飛びつきます。たしかこの時は15社くらいに取り上げられました。
この一連の流れを狙っていくのが、僕のマスコミ視点です。こちらからメディアを使おうとするとお金がかかりますが、向こうから来るぶんにはお金がかかりません。このあたり、もともとマスコミで日々ネタ集めに頭を悩ませていて、今は無借金経営の中いかにお金をかけずに宣伝できるか頭を悩ませている僕だからこそ、広げやすい視点だなぁと感じています。
そんな感じのお仕事をやらせて頂いていて、今日はこれから新宿ですが、羽田から都内はモノレールや電車ではなく、最近はリムジンバスがお気に入りです。まあ僕の場合かならず、船で来たんですよねと突っ込まれて、もちろんですヨーソローとかやんないといけないんですけど。
あ、もう着陸態勢に入るそうです。なんか尻切れ状態ですが、ちゃんと手放す経営のことを書きたかったんですが、次回ちゃんと書くことを誓います。マツモトでした。