「毎年行われている全社員決起会が、今年はオンライン開催されたところ、盛り上がらなかった」というエピソードから、オンライン時代の一体感のつくりかたやリーダーシップについて考えます。
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坂東:この前、オンラインコミュニティーのメンバーでITベンチャーに勤めている人が、面白いことを言ってて。毎年やっている決起会を今年はオンラインでやったけど、盛り上がらなかったと。
小野:今回初の試みですか?
坂東:例年集まってやってるんだけど、今年はコロナの関係でオンラインになったそうで。オンラインで盛り上がらないって気持ちは分かる気もするんだよね。
小野:でもオンラインで盛り上がらないということはリアルでも盛り上がらなくないですか?
坂東:そーなんだよね。小野さんの言う通り、そもそもリアルの時に盛り上がっていたのか?っていう話がでていて。本当は盛り上がってなかったのが、オンラインになって顕在化しちゃった。バレちゃった。っていう。
小野:私もそうでした。お酒があるからカンパーイってなるけど、もうそんなのもなかったら無理だろうな、と。笑
お酒があるから楽しいし盛り上がるっていうのはあると思いますけどね。
坂東:だから決起会そのものじゃなくて、お酒の雰囲気で盛り上がっていると。だから決起会をしたら盛り上がって一致団結するんじゃないかな、というのは経営陣側のエゴなんじゃないかと。それは僕もドキッとして。決起会をしてみんなが盛り上がってほしいと思っていたこと自体がエゴで、実際はみんなが合わせてくれていたんだけど、本当はそうじゃなかったのかなって。
小野:そうだけど、むしろ決起会とかで盛り上がるのって、その中で小さいグループができて、会社の不満にそれぞれが共感する事で盛り上がる方が多かったですよ。
この前、社内でこんな事があって、でも相手は全然わかってくれなくて、本当辛かったとか・・・。会社の将来に対して団結して頑張って行こうというよりは、不満を発散する場所だった気がします。
二次会・三次会になると更に。この会って何だった?って感じです。不満を発散させて、すっきりして帰るみたいな。
坂東:すっきりしてるんだけど、会社の意図してる内容とは違うよね。
小野:全然違います。
坂東:そのずれがオンラインだと表面化してしまう。だから決起会自体に意味があるのかという事になってしまうよね。これからは体育会系のリーダーシップは通用しなくなるんじゃないかと。決起会もそういうところあるよね。エイエイオーみたいな事もそうだし、体育会系のキャプテンみたいな人がリーダーシップを発揮して俺について来いみたいな感じでまとめたりするのってオンラインだと難しいよね。
小野:だからもう決起会ではなくて、不平不満言いたい放題会とかにしたらどうでしょう?相手の思っている事を知って、自分を見つめ直す。人間同士の関係で仕事って変わってくるので、そういう吐き出す会の方がお互い団結できそうですけどね。
坂東:一体感は生まれるよね。その時にさ、気心知れた人たちだけで集まるんじゃなくてさ、上司がいてもそういう場づくりができるならいいよね。上司がいたら言いにくいとか忖度したら意味がない。
小野:そんな事が言える上司だったらいいですね。僕のことどんどん言ってよみたいな。ネガティブ発言大歓迎みたいな。
坂東:言いやすい人だったらいいよね。言ってもらえる人になるにはどうやったらいいのか、という事なんだけど。まずは上司側が先に言わないといけないよね。自分をオープンにする。自分は何も言わなくて、会社の不満を言って、とか言われたらさ、本当に言っていいのかなという感じになるよね。だから上司部下関係なく忌憚なくお互いが言い合えるのは、リーダー側が俺もこんなところが不満なんだよね。とかを自ら言えることがリーダーシップになるんだろうね。
先日、オンラインスナックで面白い事があって。サクラさんという方がママをやってくれたんだけど、その人はタロットが得意で。スナックに集まっている人にタロットをしてくれて、結構ぐいっと深掘りされるわけよ。自分の思ってもなかった一面とかがそれぞれ見えてきて、それをやっているうちにめちゃくちゃ一体感が出てきて、その場にいる人たちがすごく仲良くなったのよ。10人くらい参加してたんだけど。
小野:またタロットっていう何者でもないツールを使うのもいいんでしょうね。タロットがこう言ってるって。
坂東:そういうツールを使うのっていいよね。結果的にものすごい共感が生まれたり関係性が深くなって、次の週から、スナックも盛り上がるしオンラインコミュニティでのミーティングも盛り上がるしで面白い事になってるんだよね。決起会をやるよりは、お互いの内面をさらけ出せる場づくりをした方が、ぎゅっと関係性が深まる。それをリーダーが率先してやると、上下関係があっても信頼関係が生まれて言いやすいよね。今回はタロットというツールがあることはよかった。タロットじゃなくても他にもいろんなやり方があると思うので、これからは体育会系ノリの決起会ではなく、お互いに自己開示をし合ったり、理解が深まるコミュニケーションをする場をオンライン上でどうやって作るかが大事なテーマになっていきますね。
小野:すごくわかります。私も最近通い始めたピラティスの先生が、2回目のレッスンでプライベートの事とか、このピラティスを開業するのに辛かった事とか色々話してくれて、この先生、人間味があるなと。裏表ないなって。それがあって、さらに楽しくピラティスできてます。
坂東:先生としてもすごい先生なんだよね。
小野:すごく人気の先生です。先生を知る前は、すごく完璧で厳しい人なんだろうなって。でも色々苦労されてて、辛い事もたくさんあってという話を、2回しか会ってない私にしてくれて。そういう人間性って素敵だなって。私もそんな女性になりたいって思いましたね。だからここのピラティスに多くの生徒が集まるんだろうなって、納得しました。
坂東:裸になれるリーダーシップ!
小野:さらけ出すのいいですね。
坂東:これまでの会社の中では、上司は強くないといけない、みんなを正しく導かなければいけない、という価値観が当たり前。そんな中でもエッセンスとして、弱みを見せたりするといいよってことはあったけど…これからは答えが分からない時代だから、エッセンスレベルじゃなくてもう丸裸になる覚悟を持って積極的に自己開示した方がいいチームづくりができやすくなるよね。まずはリーダーが丸裸になるといいんじゃないかと思います。
小野:私たちもさらけ出していきましょう!私は結構欠点めちゃくちゃ言ってますよね。
坂東:欠点言うの好きだって言ってたよね。俺もそのその考え方すごくいいと思って刺激を受けてて。今までそういうのを言うのを避けがちだったんだけど、それを言うのはチャンスなんだなって思うようになりました。
小野:すごく仲良くなれますよ。そんなのがいいですよね。
坂東:僕はかっこつけがちなんで、頑張って努力します。
小野:はい。頑張りましょう。