第2回は、株式会社ブランドファーマーズインクの代表・安田佳生さんにお話を伺いました。
坂東
みなさん、こんにちは！手放す経営ラボラトリー、所長の坂東孝浩です。
今回はラボを飛び出して株式会社ブランドファーマーズインクの代表・安田佳生さんに取材に来ています。安田さん、よろしくお願いします。
今回はラボを飛び出して株式会社ブランドファーマーズインクの代表・安田佳生さんに取材に来ています。安田さん、よろしくお願いします。
安田
よろしくお願いします。
坂東
安田さんには「手放す経営」という言葉を一緒に考えていただいて。
安田
時間かかりましたね。
坂東
実際にこの「手放す経営ラボラトリー」が生まれるまでずっと付き合ってもらったわけじゃないですか。どんな感じだったか、覚えてます？
安田
もうだいぶ前なので、スタートはもう覚えてないですけど、「ホラクラシーって一体なんなのか」っていうのを深掘りしていくところからやりましたね。
坂東
そうですね。
安田
ホラクラシーって、坂東くんがつくった言葉じゃないと思うんですが、誰かがすでにやっているものを、「私もやることになりました！」と言ってもあんまり意味ないんじゃないか、という気がしたんです。坂東くんオリジナルの、坂東くん発の何かがないもんかな、と思って探したという感じですかね。
坂東
はいはい。そうだったです。手放すというネーミングに至ったところは覚えてますか？
安田
最初は違いましたよね。何でしたっけ？色々、途中で2〜30個出てきましたよね。
坂東
そうですね。ああでもない、こうでもないと。会社2.0みたいな真似をしてましたね。
安田
してましたね〜。「お金2.0」がちょうど流行って、お金のあり方が、実はお金というものができてから、貝殻から紙になったり、硬貨になったりしました。結局、根本的には金のなんか役割が変わってなかった。しかし、それが変わったという感じの本で。結構僕も衝撃を受けましたよ。
坂東
面白かったですね。
安田
そういう意味では、会社っていうものができてから200年ぐらいすかね。日本ではもっともっと短いですけど。100年前後かな？
坂東
150年ぐらいじゃない？
安田
150年前にはそんなに会社とか、会社員として働いてる人はそんなになかったと思います。そこからあんまり会社の役割って変わってなくて、それが何か劇的に変わるんじゃなかろうかっていう気が僕はしてまして。
坂東
はい。
安田
で、そういうと、坂東くんが、「手放したい」っていうよりは、「管理したくない」っていうか。
坂東
そうですね。社長が苦しんでるな、というふうに思ってたんですね。取引先の社長もそうですし、周りの知り合いの社長が。人のこと、教育のこと、作業のこと。で、ストレス抱えてるな、と。
安田
ストレス抱えてますよね。
坂東
そのストレスの対価に、役員報酬って高い給料もらってたり、社長としてトップの座に居続けたり、そういうステータスを得ている。そのためにはしょうがねえかな、みたいな感じかなというふうに。まぁ。私も思ってたんですけどね。
安田
そこそこうまくいって儲かってる経営者さんが、僕のところに相談に来るんですけど、「もう、ほんとしんどくて全く食えなくてどうしようもありません…。」みたいな人ってあんま来ないんです。お仕事もうまくいっていて、別に仕事に不満もなく、社員も別に仲悪いわけでもなくやってるんだけど、なんかやっぱり、もっとこう…今までとは違う、仕事の喜びというか、社員が会社に来ることが、給料のため……。
まぁ、お給料払わなきゃいけないんですけど、それ以上に、喜んで会社に来てくれたりとか、社長も責任感じゃなく、自分で楽しみながら経営をして儲かっちゃう、とか、ひたすら拡大したいというよりは、なんというか……「楽に」というよりは、「楽しく生きていきたい」みたいなそういう人が増えましたね。
坂東
増えましたね。だから経営者としての価値観がちょっと変わってきた人が増えてきたってことですかね？
安田
そうじゃないですかね。結構、株式公開したりとか、自己総額高めたりとか、どんどん買収していったりとか、とにかく拡大するとか、ランキングの上に行くとか、とにかくお金持ちになるとか、そういう人が社長には多いというように世の中のイメージはできてんですけど…。
坂東
できてますね。
安田
まあメディアとか新聞に出てくるのはそういう人たちなので。でも、僕の実感としてはそういう社長はすごく一部で、むしろ、拡大よりは快適というか。その仕事だけじゃなく、人生そのものをもっと豊かにしたいというか。会社をでかくすることによって豊かになんないんだったら、でかくする必要ないんじゃないの？っていう人が すごく急激に増えてる感がありますね。
坂東
そういうとこに違和感がある。成長神話じゃないですけど、成長し続けていくことへの、「より大きいことがより良いことだ」という考えに対する違和感とか疑問みたいなもんですかね？
安田
そうなんじゃないすかね。だけどその答えみたいなのがまだ。「2.0」っていうのは、時代が変わるっていうか、まあ価値観の分母の方が変わっちゃうんで。お金を、稼ぐとか大きくするとか利益を増やすとかは、その分子の方なので。会社そのものの分母を変えようっていう歴史上初めての出来事なので、「何していいかわかんない」という、そんな感じじゃないんですかね。
坂東
そうですね〜。う〜ん…。
安田
その答えがなんなのかっていうのは多分僕らはまだわかんないですけど。僕が追求しているのは、社員をなくすことなんじゃないの？とか、雇用をしないことなんじゃないの？とか、色々仮説立てて僕はやってます。
そこで、坂東くんの行き着いた答えが、社長としての権限とか、快適さ。今までのある意味での快適さを手放しちゃうっていうことに答えがあるんじゃないのっていう風に坂東くんが思ってんのかなと思って、ここ（手放す経営）にいきついた。
坂東
そうですね（笑）現実的な制度とか、権限。コントロールを手放すみたいな感じですけど、物理的な話もそうなんですが、その前に、社長としてのエゴとか、こうじゃなきゃいけないみたい、という考え方や価値観を手放すっていうようなことが先に来ることがポイントなのかなと思ってまして。
ですから、この手放す経営というのも、手法じゃないんですよね。
安田
あっ！そうなんですね。
坂東
はい。物理的に手放していくっていうことによって、より豊かな会社が得られやすいよ、ということなんですけど、会社によって手放し方とか順序とか、組織の作り方、作り直し方、というのは様々だと思うんですよね。
例えば、私の会社ブレスカンパニーだと、給料を決める権利も全部手放しちゃってですね。社員のみんなで私の社長の給料も決めるとかお仕事やってるんですけど、それが別に答えじゃなくて、それをやればいいっていうわけでもないですし、その核論の手法は、さきほど安田さんも分子って言われてましたけど、「なんためにそれやるのか」っていうのが結構大事かな。
安田
そうですね。何を手放したらどうなるのかってのがまだわかんないんでね。それを坂東くんが自ら実験するってことですよね。
坂東
そうです。私も手放すっていうことで、いろんな各項目について実験して、上手くいったり、いかなかったり。まぁ、上手くいかないことの方が多かったりするんですけど。それを通じて分かってきてることもありますし。そういう失敗談を発信してると、すごく共感をもらえるんですよね。よく分かるよ、みたいな。そういうこともあるし、何でそこまでしてんの？みたいな興味を持ってきてくれる人もいるし。
安田
その管理をするのが好きな経営者ってのがいるんですけど……
坂東
いますね。
安田
でも管理するのに疲れてんだけど、責任感として管理しなきゃいけないと思っている人もいて、どっちかというとそっちの人を解放してあげたい感じですかね？
坂東
そうですね。だから、管理型の会社が悪いわけでもないですし、軍隊型で上手くいっている会社で、社長もそれで良しと思っていれば、全然構わないと思います。
ただ、そういうとこに違和感を感じてる人や、もっといいやり方あるんじゃないかと思ってる人にとって、何か参考になるような情報発信ができたりとか、一緒に学び、やっていくみたいなことができたらと思って、この手放す経営ラボラトリーをつくりました。
それも安田さんにアドバイスいただきましたけど、ここで、そういう違和感とか疑問とかを持っている面白い経営者が集まってくる場になったらいいなと思ってます。
安田
そうですね。
坂東
はい。ということで時間となりました。
安田
突然ですね。（笑）
坂東
気づいたら時間になってました。（笑）ということで、今回はこの手放す経営というものができた背景について、安田さんにお聞きしました。安田さん、ありがとうございました！
安田
ありがとうございました！
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