出勤自由、コアタイムもなしといった働き方を数年前から実践している手放す経営ラボラトリー(株式会社ブレスカンパニー)。
テレワークが始まってみると、
「誰が何をやっているのかわからない」
「部下がサボらないか不安」
「業務効率が落ちてしまう」
といった課題が出てきます。
それらを解決するために、この2つに取り組みましょう!
★一人ひとりの業務の状況や、プロジェクトの進捗を見える化する
★ミーティングと組み合わせて、定点観測と改善ができる仕組みをつくる
※テレワークとは「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語 リモートワークとテレワークは同義ですが、弊社ではリモートワークと呼んでいるため、動画の中ではリモートワークという言葉になっています。
■デジタルトランスフォーメンション時代の組織デザインプログラム「DXO」
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また、組織を新しくアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
■オンラインコミュニティー「手放す経営ラボ」
坂東:テレワーク成功のポイントの5回目ですね。実際にテレワークが始まってしばらく経ってから困ったという話をよく聞くので、始めたけど課題が出てきていることについて整理ができればいいなと思います。どのような事に困ったかというと、誰が何をやっているのか分からない。とか、部下がサボっているのではないか?とか・・・
業務効率が落ちている、そんな困ったが出てくるんですよ。それをどうやって改善するかは運用の問題だと思うんです。僕らも運用の改善を重ねていっているよね。
小野:もー、何回目っていうぐらい、変えてますね。変化し続けてますね。
坂東:変えるの面倒くさいよね〜。
小野:でも変えたいんですよね。
坂東:不具合を感じているから解消したいよね。面倒だけど変えた方がいいよね。ここで頑張ればその頑張りが複利となって自分に戻ってくるのは分かっているし。それに、何回もやってるから変えることに慣れてるよね。
小野:確かに。でも変えてよくなるっていうのが分かるから頑張れるというか。なんとなく明るい未来が見えますよね。
坂東:希望を感じられるというか、またうまくいくんだろうなって思えるよね。会社でそういう風土ができればいいんだろうね。
今回の困った解決の具体例で言うと僕らは、業務パフォーマンスの見える化を実施したよね。
テレワークをやるときは、業務の見える化をした方がいいと前回話しましたが、チャットツールやオンライン会議などを利用してコミュニケーションの見える化をする。
それが第一段階。その上でどうやって仕事が進んでいるかの進捗を見える化するというのが第二段階。
要するに運用面。これが一番大事です。
まず現場のオペレーションを見える化して、その上で定期的なミーティングを組み合わせて、進捗の共有や振り返りができたり、PDCAで改善ができたりする流れをどう作っていくかということだよね。これについては図を見ながらいきたいと思います。
小野:誰が何をやっているのか分からない状態が、図のように、業務に対してそれぞれ最適なデジタルツールを使って改善できるという事ですよね。
現在はこの4つのツールをメインに使って仕事がまわっています。
坂東:この吹き出しの4つはどの会社にも当てはまるテーマで、それについてどのようなツールを使うかは会社によって変わっていくと思うんだけど、デジタルツールをうまく使うと、会社に来なくても、お互い離れていても、見える化がしやすいという事だよね。僕らもほとんど使ってなかったんだけど、試行錯誤しながら使えるようになったよね。
小野:そうですね。最初はデータ共有だけでしたよね。
坂東:Asanaもtogglも使ってなかった。使い慣れる事も時間がかかるけど、今はこれがないとやりにくい状態になってますね。
小野:それから最近はコミュニケーションの会話のやりとりの奥行きを探ってきてますよね。
坂東:奥行き?
小野:例えば、「分かりました。」っていう一文のコメントの言葉の奥にある感情をどう表現するのかというような。
坂東:業務的なやりとりの中にも、会ってれば表情や声色で分かるけど、文面だけだと冷たく感じてしまったりするよね。
小野:本人は全然普通に返信したつもりでも、あの時すごくひどかったよね。って第三者が言ってるのを聞くとびっくりしますね。みんな捉え方違うんだなと。「おはようございます。」という挨拶一つにしても、それだけだと今日は機嫌が悪い?とか…面白いなと思って。
坂東:やっていくうちにどんどん課題が出てくるって事だよね。
小野:その課題を言い合えるというのがまたいいですよね。
坂東:そうだね。それも風土というか場づくりなんだろうね。
ちなみにですね、業務パフォーマンスの見える化では、これは弊社の事例なんですが…
①の計画は週次の計画で、どのカテゴリーの仕事にどれだけ時間をかける予定なのか。
②はgoogleカレンダーを使った予実の管理。
③はtogglというアプリを使って実際どの仕事にどのぐらい時間がかかったのかを振り返る。
③の図は見えないかもしれないけど、4月、1ヵ月間の仕事が194時間かかってそれがどのカテゴリーの仕事にどれだけ時間がかかったのかが見える。このレポートは一瞬でできるもんね。入力するだけでこれができてる。これを週次や月末の振り返りのミーテイングで話し合うことができる。会社によって部署によってやり方は変わってくると思うけれど、どのようにやった仕事を見える化していくのかという事がポイントだと思うんですよ。なんかこれだけ見ると初めて見る人は「げっ」となると思うんだけど、僕たちはもう慣れているもんね。
小野:始め私はこの振り返りが面倒だなと思ったんですが。今は15分もあれば振り返れるし苦じゃなくなったのは自分でもびっくりです。
坂東:これからもやった方がいい?どう思う?
小野:私は毎週仕事がそんなに変わらないんですけど、坂東さんや編集長は月によって変わっていくじゃないですか。そういう人にとっては相手にも仕事が見えるのでやってた方がいいのかなとは思います。振り返りに慣れきたら、レポートの期限を決めてそれぞれがチェックしてコメントを書いたりしてもいいのかなとは思います。
坂東:後は、僕が何をやってるのかが見える化できたのがよかったと編集長に言われたのもよかった。小野さんのように仮に毎週仕事が変わらなくても、僕の仕事の状況がみんなに見えているという事がやってよかったと思う。坂東さんサボってるんじゃないとか何をしてるのかが分からないという事が少なくなる。
小野:あと思うのは、毎週想定の時間は働かないと…という気持ちになります。今週少なかったから来週は多めに働こうと思ったりしますね。
みんなの仕事量が見えるから、想定の仕事時間をオーバーして働いている人もいるので、自分の時間だけが少なく済んでよかったとは思えないですね。
坂東:時間が短くても自分の仕事が全うできてたら問題ないんだけどね。気持ち的にはそうなりやすいよね。
小野:仕事時間が少ない方がいいというのがまだ受け入れられないですね。
坂東:それは僕の中にもあるな。そこを脱せられるようになりたい。ただ、他の人がキャパオーバーしているのを代わりに受けられるようになりたいよね。僕らも2年ぐらいかけて試行錯誤して機能するようになったけど、それでも常に改善をしていったり、新しい方法にチャレンジしたりしていっているので、進化させていく事に終わりはないんだよね。さっき小野さんが言ったように、少しづつでもよくなっているという実感があるからやろうと思えるし、できるだけそれにかける時間は短いほうがいいと思うので、それができるようになるといいよね。僕らは進化し続けているんですけど、進化の旅を一緒にやってくれる人が増えるといいですし、進化を楽しめるようになったらいいですね。僕らは多くの企業をリサーチしているのでその知見はコミュニティの中で公開したり学び合ったりしています。それも興味があったら参加してほしいですね。
小野:私たちも過去の失敗を懐かしく笑って話せているのも今成長できている証拠ですよね。
坂東:その時はピリピリしていたけどね。今はそんな苦悩も「ナイス葛藤!」って声かけ合おう!ってなってるもんね笑。
小野:むしろ、葛藤がほしいですよね。
坂東:はい。そんなわけで、業務パフォーマンスの見える化がテレワークが始まった後の運用で大事だよというお話しでした。