2020年4月にスタートしたオンラインコミュニティー手放す経営ラボが1年を迎えます。 コミュニティー発足の経緯や、そもそもラボをつくろうと思った背景について、所長の坂東がふりかえります。
■経営のアップデートを実践したい経営者のための学び場「手放す経営アカデミア」
■手放す経営ラボラトリーでは、“ティール”“ホラクラシー”など進化型組織や最先端の経営スタイルを研究。また、組織を新しくアップデートしていきたいという企業の支援をしています。
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■デジタルトランスフォーメンション時代の組織デザインプログラム「DXO」
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坂東:今回はあるミーティングで私が話した内容をみなさんにもご覧いただきたいと思います。手放す経営ラボラトリーというオンラインコミュニティを2020年の4月から初めて2021年の4月でちょうど1年になるんですけども、それを迎えるにあたって手放す経営ラボラトリーを振り返ってどういう経緯で作ったのかその後の変遷とかオンラインコミュニティが出来てからどうなったのか、そういった話をしています。その変遷をみなさんにも知っていただいて興味を持っていただいたら一緒にラボの中で色んな取り組みをしていただくのもいいですし、進化型組織の実践ということがみなさんの何かに役立てばと思っています。ちなみにこの後ご覧いただくのはミーティングの中の動画がそのままなので、ラボ研究員というミーティングに参加した他のメンバーも映っていたり、私の頭に花が乗っかっていたりするんですが、zoomのエフェクトなので気にせずにご覧いただけたらと思っています。それでは、どうぞ。
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坂東:手放す経営ラボラトリー設立の経緯ですね。改めて振り返ってみたいと思うんですけど、22017年の7月に、私が創業した(株)ブレスカンパニーが新年度を迎えるにあたって、権限とかコントロールを全部リセットすることをやりまして、そこから試行錯誤の日々が始まったのですがそれと同時に、この新しい進化型組織にまつわるものを事業としてできないかと模索しました。それまでは人事コンサルティングサービスの会社だったんですね。採用プログラムを作ったり社員教育の体制づくりなどをしていたんですが、そうではなくて組織自体を進化させていくっていうことを私自身も始めたばかりだったんですが、同時に事業化できないかということで揉み始めました。
私が前に勤めていた会社の社長だった安田さんがブランディングの会社をやっていまして、経営顧問としてずっと関わっていてくれたんですね。その人に相談して、どのように事業にしていけるのか、ビジネスモデルをつくるミーティングをしていったんです。ああだこうだいって、私の中にどうしたいがないのでなかなかまとまらなくて、安田さんは普通3回のミーティングでビジネスモデルをまとめるところまでやる人なんですが半年くらいかかった。色々逡巡しながら方向性が定まり、この事業に名前をつけようということになって、コピーライターさんに入ってもらってネーミングをつけるということになりました。
その時はまだティール組織の本は出ていなかったんですが、武井さんがホラクラシーって言ってたんですが、その言葉は使いたくないな、日本的なネーミングで、ブレスカンパニーらしいネーミングにしたいよねってことで手放す経営という言葉がでてきたんです。その時は経営者に向かってそのメッセージは発信されていて、経営者がこれまでの固定観念を手放さないとダメだよねと投げかけよう、もうちょっというと今までの固定観念とか経営スタイルを手放しますか?それとも、経営を手放しますか?会社を手放しますか?どっちかですよというくらいの攻撃的なメッセージが含まれていたんですけど、あんまり周りの評判はよくなかったです。手放す?共感されないんじゃないですか?とか言われました。
そこから2017末から2018年頭にかけて何かを発信していきたいということでwebメディアをつくろうと思いました。進化型組織のリサーチもしていこうというところで、マーケティングができていけるんじゃないかと思ったんですけども、私が2018年の2月4日から2年間の厄年に入るということになっていたんです。天誅殺っていうんですけど、算命学というその考え方を信じてるんですね。なので、2月4日以降はあんまり新しいことしない方がいい、ということなのでそれまでに立ち上げなきゃいけないと思って、webメディア作ろうと思ったのが1月10日くらいからだったんですけど、そこからとりあえず2月3日までに立ち上げるんだ!ということで知り合いに相談して、バタバタと作り、何とか形だけでも2月3日にスタートさせたという経緯があります。なので、突貫工事だし、予算もそんなにかけてないので、その状態で今もきているので、めちゃくちゃ使いづらいねとなっていて、リニューアルの話も出ています。そこらへんの経緯は私ほとんど1人でやっていたので、大山亜矢子さんもほとんど関わっておらず、ただ編集長はお願いしたいと伝えて、引き受けてくれたんですけど、それから情報発信、リサーチを続けているということですね。
発信をしていてその頃は旧来型のマーケティングで考えていたので、発信してみてくれる人を増やしてそこからセミナーに来てもらってセミナーからクロージングするぞということでわちゃわちゃやっていたんですけど、そこに引っかかってきてくれたのが乾さんですね。乾さんがセミナーに来てくれたりトークライブのイベントに来てくれたりして、研究員募集のバナーを貼っていたんですけど、今の研究員と違って何するか決まっていなかったんですが、とにかく募集ということを出していたら乾さんが来てくれたんです。来てくれて嬉しいけど、何してもらおうかなという感じであまりやってもらうこともなくて、とりあえず会議とか参加してくださいという感じで様子をみてもらうことから始めました。
そうこうしているうちに武井浩三さんがダイヤモンドメディアを辞めるという話を聞きまして、自分が作った会社辞めるってあるんだ。売るとかEXSITとかじゃなくて退職なんだ、めちゃくちゃ新しいなって思ったんですけど、退職するんだったら手伝ってもらえないかな、いい機会だと思って声かけしまして、ブレスカンパニーの経営チームに入ってくれないかと、それはちょうど9月ですね。やって欲しいのはブレスカンパニーという会社の組織づくりと商品開発、それまではセミナーとかもやっててティール的なもの作れますよとか言ってたんですけど、私個人がオーダーメイドでコンサルティングする形で組織OSを作り替えないといけないんですと言ってたんですけど、オーダーメイドでやってたんです。それはそれでよかったと思うんですけど、それだと俗人的だし、私自身も組織コンサルティング会社として会社を大きくしたいとは思ってなかったんですよね。コンサルタントをいっぱい採用して育成していくのが時代に合ってないと思ってましたし、その当時から10年後に進化型組織が日本の3割くらいになっているだろう、そうなると50万社とか100万社の会社が進化型組織のOSを搭載している状態になっているだろうと。その時にコンサルタントを何百人と養成したところで追いつかないし、養成して組織化するのも進化型組織の理念に合わないなと思っていて、当時からOSをつくりたいなと思ってまして、もっというとOSがスマホとかPCに搭載されていて、それを使っているうちに勝手に進化型組織に変容していくみたいなものが将来的に作れればいいと思っていたんですけども、そこまでいくまでにまずは何らかの形を作って色々な会社にインストールさせてもらうことを通じてまずは実証実験じゃないですけど、ブレスカンパニーとしても実験しながら色んな会社にインストールして変容をみて知見を集めた上で本当のOS開発をしようという構想を抱いていました。で、武井さんに商品を作って欲しいといって入ってもらったわけです。
武井さんはその当時からあまり乗り気ではなくてですね、自然経営をされていたので、自然経営は自然の摂理で組織が変容していくことを大切にされていたので、型をつくるというのは武井さんの考えと違うんですよ。自然経営では耕して種を蒔いて見守るみたいなステップじゃないですか。ですけど、私はもうちょっと現実的なのでそれではほとんどの会社はうまくいかないだろうなと思ってまして、やっぱりやれないんですよね、自然の摂理って大半の経営者は我慢できないし。私と同じような昭和の経営者に私は興味があって、このままだと行き詰まっていくのは分かってるんだけど、どうしたらいいか分からないという人をサポートしたいと思った時に、見守りましょうではうまくいかないと思っていたので、何か型のようなものが欲しいと思って無理矢理武井さんにお願いして、じゃぁ、やっていきましょうと、だから武井さんが自分で型をつくるっていうのはできないので武井さんが今までやってきたやり方とか考え方、理論とかを全部武井さんがその当時やってたワークショップという形で僕らに実践してくれるので、それをまとめて形にしていきましょうっていう時に、乾さんがびかーっときたんです。乾さんはテキストづくりの名人だっていう話になって、知らなかったんですけど、色んな協会をつくったり手伝ったりしていて、ご自身がされていた事業でもテキストを作っていたそうなんです。そんなテキスト作るのが得意な人とかいないじゃないですか。これはすごいってことで、やっと乾さんに活躍していただける役割ができたと思って、3人が中心になって、他にも何人かで武井さんのワークショップを体感しながらどうやってこれを型にしていこうかっていうのは私が今までやってきた組織コンサルティングの流れも踏まえながら落とし込んでいくっていうことをやりました。
で、何ヶ月かやってできたのがDXOのプログラムなんですよね。形になったのは2020年の3月くらいですね。めちゃめちゃ嬉しかったですね。テキストのデータができて、これをどうやってマーケティングしていこうかと、これを拡販していってがっちり儲けようと思った時にマーケティングの仕方も進化型であるべきじゃないかという話になりまして、その当時私はこのプログラムは契約してくれる会社に対してプログラムを提供すると思ってたんです。だからコンサルテキストとして使おうと思ってたので、どうやって契約先を集めてくるかということを考えたんですけども、いや、そうじゃなくてコンサルテキストは公開しましょうと言われて、げ!ってなったわけです。乾さんも最初はげ!ってなりましたよね?
乾:そうですね。げ!ってなりましたね。
坂東:なりましたよね。いや、競合に使われたらどうするんですか?と言ったら、武井さんが競合とかいないんですよ、みんな仲間ですからとか言われて、いやこの人頭おかしいんじゃないのかなと思ったんですけど、でも、やっぱり進化型組織の世界観を私がまだ到達してないところなので、もしかしたらこういう世界観が本当にあるんじゃないかと、僕は分からないことは武井さんの言うことに従おうと決めてたんで、それにしてもけっこう抵抗したんですけど、そしたら私より先に乾さんが、それがいいかもしれないって言い出したんです。で、乾さんすごい労力かけてテキスト作ったのに、ただでばらまくんかい!私より最初は違和感が強かったと思うんですよ。だけど、その乾さんがでもそっちの方向かもしんないとか言い出して、あれ?とやっぱ私の方が感覚がおかしいのかもしれないと思ってよく分からないけども、公開してみようということでそれと共にコミュニティをつくっていかないかと。これからはコミュニティづくりがすごく大事だと思うと、仲間を増やしていくっていうことをしていこうと。武井さんがコミュニティづくりがすごく得意だったんで、それもコミュニティを作るっていうこともよく分からないんで、実はFacebookグループの手放す経営ラボのオンラインコミュニティは前身に手放す経営塾っていうFacebookグループのを作っていたんです。1年以上あったんですけど、1年以上やっていて入っていたのが70人だった。全く稼働もしてないし、余裕もなかったから。私にとってコミュニティづくりは全然うまくいくイメージもないし苦手意識があったんですが、プロの武井さんがいるっていうことだったら、これはとりあえずやってみようということで塾じゃなくてラボという名前に変えてスタートしたのが4月ですね。
ここでコミュニティを作っていきながら、しかもオンラインをベースにすると。これも私の感覚になかったです。コアメンバーは集まってミーティングしながらじゃにかと。でも、コミュニティって何がうまくいかないかっていうとコアメンバーが集まれる人でしかコアメンバーにならない。そうなると東京なら東京に集中しちゃう。そうするとコミュニティの広がりがでにくいんだということで最初からオンラインをベースにすると。それもその当時だとコロナが出るかでないかっていうちょうど4月から緊急事態宣言になったんですけど、その時にオンラインベースっていうのは私にはよく分からない。そんなんでどうやって関係性がつくれるのかも分からなかったんですけど、とにかくそれでやり始めてみたら、ちょうどコロナの状況とうまく折り合いがついたというか、コロナ状況下でも支障がなく進めることが結果的にできたんですよね。それで、トークライブもリアルでやってたんですけど、オンライン化すると。
そこからこのオンラインコミュニティで少しずつ人が集まってきたけど、どうやってムーブメントを起こしていこうかと、具体的には優しい組織が増えるという状態を持続可能な状態でどうやってやっていくかというのをとにかくマーケティングは広告費をかけて、見込み客集めるというのは一旦手放したので、どうやっていいか分からないんですが、どうやっていけばいいかをコミュニティに集まってくれる人に相談して進めていくしかないということで、だけどどうやっていいか分からないから、6月から乾さんと一緒に優しい組織プロジェクトというのを立ち上げて、何とか持続可能な形で事業化していきたいんだけど、そういうのに興味がある人に集まって欲しいと言って10人くらい集まって、そこで週2回集まって何を話し合えばいいかも分からないまま話し合っていって、ミーティング自体は面白かったんですけど、そこにけんさんとかいっしーが入ってくれたんですね。
それでずっと話し合っていて、本当は7月から何らかの事業みたいな形でスタートしていこうという風に言ってたんですけど、1ヶ月経っても全然話がまとまらないので7月に入ってからもわちゃわちゃ話してったら、7月中旬になったらどなかたからいい加減何かやりませんかみたいな感じになってきて、じゃぁ、7月末にちょうど福岡に武井さんとか人事労務さんがくる機会があるから集まれる人が集まってリアルキックオフをやらないか、その時にテキストも印刷して、それをみんなで手にとって、これを皮切りにして何かやっていこうということで7月の末に福岡で集まってリアルキックオフっていうのをやるっていうところでそこが1つ大きな転換点になりましたね。そこでテキストができたので無料郵送する。そして解説が必要だろうということでティール的組織の作り方セミナーをやってみた。それも無料にするかどうかっていうのを揉めた気がするんですが、結局無料でするっていうことでそしたらかなり多くの人が集まってくれてそこからラボ研究員ができ、インストーラー実践会ができ、2020年の10月からそういう動きが始まって、どんどん仲間が増えていって、次に経営者向けに何かやった方がいいんじゃないかということで2021年の1月から手放す経営アカデミアっていうのをやってみようと。いや、経営者向けなんだからいよいよ有料だろうと、いや、無料だなみたいな。最後の最後ひっくり返りましたよね。途中まで有料でいってたんですよ。最後の最後で、いや無料じゃないかということで、マジかと思いながら、その時は面白かったですね。優しい組織が増えるっていうような大きな存在目的が進化型組織を実践する人を全力で支援するっていうような目的にアカデミアについてはアップデートしまして、1月からスタートして、そこにもかなり多くの人が集まってくれてる状態となっていると。
ですから、2017年の時点では私がコツコツ手放す経営という名前を決め、ラボメディアを突貫工事で作り、そこにあやこさん無理矢理ひきずりこんで編集長になってもらい、2020年の4月にオンラインコミュニティができたときはまだ誰もいなかったところが1年を超えてラボ研究員という自らお金を払って参加してくれる方が50人以上いて、インストーラー実践会の1期生も23人になっていると。今手放す経営アカデミアも1月に始まったんですけど、もう40人になっていると。私にとってはこの状況が信じられないですし、計画もしていなかったですし、何てこったいという状態で今いるという感じです。
乾:手放す遍歴ですね
坂東:そうですね。手放す遍歴ですね。だから手放す経営ってものをこれは誰かのためにと思って事業として色んな企業にこれをやっていきたいと思ってたんですけど、結局私自身に一番必要だったっていうか、私がそれを実践してきたっていうプロセスだったなと振り返ってみると思いますね。
乾:坂東さんが計画してこうなった訳じゃないっていうのがすごい面白いですよね。
坂東:そうですね。
乾:1つも坂東さんの思い通りになってないですもんね。
坂東:1個もなってないですね。そういう意味ではコントロールを手放さざるをえなかったって感じですかね。コントロール願望があるんですよね。だけど、全然違うパラダイムの話が降ってくるみたいな感じなので、そうなるとやっぱりこのレベルでコントロールしようと思っても違うなみたいな。いうことが武井さんとか、乾さんとの話でそうだったんですけども、オンラインコミュニティができるとよりパラダイムの広がりが豊かになってくるんで、僕のパラダイムの話が本当にちんまい話っていうか、だから、こういう新しいパラダイムの海に浸かっている中で手放す変容が私自身も進んでる、加速してるような感じがします。
乾:坂東さんがそうやって手放しながら手放すラボっていう場所をつくってくださったおかげでそこにjoinしていく僕たちみたいなものも手放すっていうのはどういうことかっていうのをそれぞれで体感していってる場所になってると思うので、意図せずそういう場所ができたっていうのはすごいことだな、面白いなって思いますね。ありがとうございました。
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坂東:いかがだったでしょうか。私の葛藤や悩みや試行錯誤の歴史が葛藤ばかりだったんですけど、そんな中でも特にこの1年間ですね、たくさんの仲間がオンラインコミュニティを通じて増えてきたというのが画面の中で映っていた方達もそうですし、それは非常に豊かなことだなと思っています。今ラボ研究員という仕組みがありまして、月額1000円を払っていただくとラボ研究員という取り組みの中で実際に進化型組織を増やしていくような活動の実践とか、あるいはラボ研究員の中で会費はみんなで使うようにしているんですけれども、こういうことにこのお金を使いたいという意思決定を自らできたりとか、そういった新しい形の経営スタイルをその中で体感できるという流れになっています。今60人くらいの方に入っていただいて非常にユニークで優しくて人柄が良くて、とても優秀な方にたくさん参加していただいています。もともとラボにいたメンバーと合わせて今70人くらいのチームになっているんですけども、なかなかいいユニークな動きになっていて、みなさんももし新しい働き方とか新しい組織の形というものに興味があったら入ってきていただきたいなと思います。それでは、ご覧いただきましてありがとうございました。